歌仙『月映し』の巻
2009.8.23〜8.30
発句 月映し刻々と沼甘くなる シアラ 秋月
脇 稲刈り済んで鎌洗う頃 青波 秋
第三 ちちろ鳴くふる里いかにおはすらん 春蘭 秋
四 同窓会へ千円で行く シアラ
五 パチンコの才能無いかまた負けた 波
六 腹立たしきは休講の札 蘭
ウ
一 流行にいち早く乗りココまでも シアラ
二 山の上からネット投稿 蘭
三 気がつけば空気は既に秋の色 波
四 薄着も終わり寂しくなる目 シアラ
五 サーファーが小ちゃい波にこけてゐる 蘭
六 母が待つから家に帰ろう 波
七 なりゆきであだなをんなの世話になり 蘭 恋
八 軽装で見る路地の夏月 波 夏月
九 出番終え終演待たずシャワー浴び シアラ
十 御贔屓筋の宴もなりはひ 蘭
十一 敷き詰めた女の嫉妬花筵 シアラ 春花
十二 春の嵐の過ぎ行くを待つ 波 春
ナオ
一 浮き沈みしない田螺の宮仕へ 蘭 春
二 身の回りには天敵もいる 波
三 碧うさぎ悲劇の妻を演じても シアラ
四 法の庭にて仮面はがれる 蘭
五 米国の名門校を卒業し 波
六 うたも歌えず籠のカナリア シアラ
七 昨夜から胸の塊砕けない 波
八 カクテルくれし奥ゆかしい方 蘭 恋
九 飲み込んだ言葉を添えて口移し シアラ 恋
十 後へ行くほど意味不明なり 波
十一 いねもせず本有明に読み終へて 蘭 秋月
十二 運動会の場所取りへいざ シアラ 秋
ナウ
一 めぐり来る時の早さよ赤とんぼ 波 秋
二 今しばらくは母でいさせよ シアラ
三 惜しみなくスラムの中に身を捧ぐ 蘭
四 アリアとなりて教会の鐘 シアラ
五 花開き今日は朝から絶好調 波 春花
挙句 さ走り上ぼる北の若鮎 蘭 春
2009年8月23日日曜日
2009年8月22日土曜日
日向山登頂
class:
紀行

八月二十日 日向山 1659.6m
8:59 矢立石
9:59 山頂(雁ヶ原) 60(標準90分)
10:20 下山
10:49 錦滝 29(40)
11:24 矢立石 35(30)
往復 124(160)
掌にとればなほ蜩の美しき
低山とあなどるなかれ時鳥 ※時鳥草
山頂手前で年配の方に追いついた。声をかけたら少し話がはずんだ。何度も来られているようで、三角点はそこですと笹薮の方を指した。なるほどそこが頂上なのか。見落とす所であった。花崗岩が風化して砂漠の崖ようになったところは実は山頂ではないのか。
霧が深い。賽の河原のような今まで見たことのない風景だ。その方はと見ると湯を沸かしている。山頂の珈琲が格別なんだという。しばらく話して去ろうとすると、ありがとうございましたと言われた。さらに霧が濃くなった。振り返るとその方の影がおぼろげに霧に浮かんでいる。
砂漠が奈落の底に落ち込んでいるような帰り道、よくみるとけものの足跡もある。ニホンカモシカか、熊じゃないよねと思いながら先を急ぐ。
山は人なぜなら山をさんと言ふ
人は山なぜなら人をさんと言ふ
写真提供はフォト蔵さん
ネットよりxさん
2009年8月19日水曜日
青葉時雨 ー 2009夏
class:
短歌
青葉時雨
ふりやまずけむりがちなるもりのへにこをたくせしやかつこうのなく 7/25
(降り止まず煙りがちなる森の辺に児を託せしや郭公の鳴く)
くりかえしくさとたたかふやまぐらしつひにとなりはしばをはりたり 7/26
(繰り返し草と戦ふ山暮らしつひに隣は芝を張りたり)
そらみみとおもへどきけばほととぎすあをばしぐれのやまぬゆふぐれ 7/27
(空耳と思へど聴けばほととぎす青葉時雨の止まぬ夕暮れ)
あまぎりにあたまかくせしやつがねのたにのふかさにすくむおほはし 7/28
(雨霧に頭隠せし八つヶ嶺の谿の深さにすくむ大橋)
たけたかきくさむらごしにさおじかのやせいのまなこわれをみすゑる 7/29
(丈高き草叢越しに小牡鹿の野性のまなこ我を見据える)
あをしぐれこぞにもとりしからまつのねもとにれいしずらりはえいづ
(青しぐれ去年にも採りし落葉松の根元に霊芝ずらり生え出づ)
わがいほはやつのなんろくいづみわくもりにあさゆふきじのこゑする
(我庵は八つの南麓泉湧く杜に朝夕雉子の声する)
うみにきょをもつひとやまのべつそうにとまらずかへるあめのゆふぐれ
(海に居を持つ人山の別荘に泊まらず帰る雨の夕暮れ)
うつせみの瞳に空のかげりかなゆだちのあとの道にた立つ湯気 (上句:虚空氏)
うつせみの瞳に空のかげりかな西はにはかに響む遠雷
うつせみの瞳に空のかげりかな青葉時雨のしげき暮れ方
ひのひかりとりたちないてむしはとびよろこびみつるつゆあけのもり 8/3
(日の光鳥たち鳴いて虫は飛び喜び滿つる梅雨明けの森)
わがいほにあすくるといふとものためやまのはたけにばらをあがなふ 8/4
(我庵に明日来るといふ友のため山の畑に薔薇を購ふ)
露天風呂だうだう入れ雲の峰 8/7
友の去る朝は来にけり杜鵑 8/9
みづがきのいはねのきゅうとみにこたへいのちとひつつたかみあふぎつ 8/16
(瑞牆の巌根の急登身にこたへ命問ひつつ高み仰ぎつ)
がんかいのひとつひとつにみほとけをみづがきやまはやどしをるらん
(岩塊の一つ一つに御仏を瑞牆山は宿し居るらん)
獅子吼城名にたづねれば萩の丘
鬼やんま森の小川に沿って翔ぶ 8/18
ふりやまずけむりがちなるもりのへにこをたくせしやかつこうのなく 7/25
(降り止まず煙りがちなる森の辺に児を託せしや郭公の鳴く)
くりかえしくさとたたかふやまぐらしつひにとなりはしばをはりたり 7/26
(繰り返し草と戦ふ山暮らしつひに隣は芝を張りたり)
そらみみとおもへどきけばほととぎすあをばしぐれのやまぬゆふぐれ 7/27
(空耳と思へど聴けばほととぎす青葉時雨の止まぬ夕暮れ)
あまぎりにあたまかくせしやつがねのたにのふかさにすくむおほはし 7/28
(雨霧に頭隠せし八つヶ嶺の谿の深さにすくむ大橋)
たけたかきくさむらごしにさおじかのやせいのまなこわれをみすゑる 7/29
(丈高き草叢越しに小牡鹿の野性のまなこ我を見据える)
あをしぐれこぞにもとりしからまつのねもとにれいしずらりはえいづ
(青しぐれ去年にも採りし落葉松の根元に霊芝ずらり生え出づ)
わがいほはやつのなんろくいづみわくもりにあさゆふきじのこゑする
(我庵は八つの南麓泉湧く杜に朝夕雉子の声する)
うみにきょをもつひとやまのべつそうにとまらずかへるあめのゆふぐれ
(海に居を持つ人山の別荘に泊まらず帰る雨の夕暮れ)
うつせみの瞳に空のかげりかなゆだちのあとの道にた立つ湯気 (上句:虚空氏)
うつせみの瞳に空のかげりかな西はにはかに響む遠雷
うつせみの瞳に空のかげりかな青葉時雨のしげき暮れ方
ひのひかりとりたちないてむしはとびよろこびみつるつゆあけのもり 8/3
(日の光鳥たち鳴いて虫は飛び喜び滿つる梅雨明けの森)
わがいほにあすくるといふとものためやまのはたけにばらをあがなふ 8/4
(我庵に明日来るといふ友のため山の畑に薔薇を購ふ)
露天風呂だうだう入れ雲の峰 8/7
友の去る朝は来にけり杜鵑 8/9
みづがきのいはねのきゅうとみにこたへいのちとひつつたかみあふぎつ 8/16
(瑞牆の巌根の急登身にこたへ命問ひつつ高み仰ぎつ)
がんかいのひとつひとつにみほとけをみづがきやまはやどしをるらん
(岩塊の一つ一つに御仏を瑞牆山は宿し居るらん)
獅子吼城名にたづねれば萩の丘
鬼やんま森の小川に沿って翔ぶ 8/18
瑞牆山登頂
class:
紀行

八月十六日 瑞牆山 2230.3m
9:15 瑞牆山荘駐車場
9:45 富士見平 30(標準50分)
10:02 天鳥川沢 17(30)
10:58 山頂 56(90)
往路103(170)
11:25 下山
12:06 天鳥川沢 41(60)
12:27 富士見平 21(30)
12:57 駐車場 30(40)
復路 92(130)
合計195(300)
へなちょこじじいにしては、スピード的に快挙?(^^)
瑞牆山荘から百メートル先に広い無料駐車場があった。下見の積もりが本番モードになってしまった。靴は普通のズックで片方はゴム底がはがれかかっている。
9:15にゲートをスタート。緩やかな林道を進む。熊注意の看板がある。財布の鈴をリュックに追加する。いきなり急登。左上方の木々の間から目指す岩塊が見えてきた。このへなちょこが行けるか不安がよぎる。心臓はばくばく、息が苦しい。それでも何人か追い越した。
みづがきのいはねのきゅうとみにこたへいのちとひつつたかみあおぎつ
(瑞牆の巌根の急登身にこたえ命問ひつつ高み仰ぎつ)
富士見平小屋は閉まっていた。休まず進む。天鳥川の沢へは下りが続く。膝にこたえる。うまそうな沢の水をすくって飲む。力水。やがて難関の巌根の急登が延々と続く。ロープや階段もある。まだかまだかと上ばかりを見る。こんな状態で行けるだろうかと思いながら。チャリンチャリンと登っている人を励みに追いつきしばらくついてやがて追い抜いていく。これでも自分は上りが得意なのだろうか。巨岩をいくつも越えついにそれより上がなくなった。
大鋸岩に辿り付いた。ここが山頂か、十数人が座って休んでいた。360度視界が開ける。八ヶ岳、南アルプス、富士山、茅ヶ岳、絶景だ。途中追い越した何人かもやってきた。にぎりめしときゅうり、トマト、りんごで昼食。少し休んで下山。帰りは心臓は楽だが膝が痛い。何と犬を連れた二組、ワンちゃんも大変だ。やがてもとの駐車場へ。標準往復5時間の工程を3時間15分。
山の中では山は見えない。麓の瑞垣山自然公園に行く。その全貌に目を見張る。
がんかいのひとつひとつにみほとけをみづがきやまはやどしをるらん
(岩塊の一つ一つに御仏を瑞牆山は宿し居るらん)
増富の湯に入り疲れ癒す。帰り獅子吼城跡という看板が目に入る。小高い丘に小さな赤い花をつけた秋萩が盛りだった。
獅子吼城名にたづねれば萩の丘
写真提供はウィキペディアさん
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