
百韻『つくづくと』の巻
2013.11.7〜12.12
発句 つくづくともののはじまる火燵かな 鬼貫 冬
脇 時雨るるさきに街へ買出し 春蘭 冬
第3 山茶花の垣を曲れば散歩犬 草栞 冬
4 馴染みとなりて掛けるひと声 真葛
5 行列が行列を呼ぶラーメン屋 野茨
6 つるべ落しに迫る夕闇 栞 秋
7 月と酒どつちと言へぬ友にして 蘭 秋月
8 霧の向かうに独り身の家 ね子 秋
ウ
9 こりもせず一人相撲の片おもひ 茨 恋
10 消えかかる炎に反故の恋文 葛 恋
11 受験より大切なもの今はなし ね
12 スマホ世代も占いが好き 曙水
13 LINEして親子関係良好に 茨
14 げにむつかしき以心伝心 栞
15 噂して七十五日里の村 葛
16 風吹きやんでのぼる炊煙 蘭
17 ちり鍋を囲む奉行の睨み合ひ 栞 冬
18 勝ちし力士の肌に湯気立ち 水 冬
19 満場は総立ち拍手なりやまず 茨
20 記憶は春の雨の場所取り ね 春
21 川沿ひの花のトンネル往き戻り 蘭 春花
22 雲雀囀るホワイトハウス 栞 春
二オ
23 とりにくさのりこえ有休消化して 茨
24 南の島でゴーギャンの真似 葛
25 探すなよこころの中にユートピア 茨
26 吾児の寝顔にゆるむ口もと 蘭
27 朝は妻昼は上司にどやされて ね
28 満月の夜の変身願望 栞 秋月
29 長き夜に中島みゆき独り聴き 水 秋
30 山のやうなるピーナツの殻 葛 秋
31 老いて食細いながらも秋渇 蘭 秋
32 はかりに乗つて一喜一憂 茨
33 釣り宿に更新記録の魚拓貼る 水
34 目を見張ること多き旅先 ね
35 レートなどお構ひなしに爆買ひす 葛
36 おもへば遠しバブル時代よ 茨
二ウ
37 行く川の流れは絶えず浮葉舟 栞 夏
38 決められぬままふたまたの恋 蘭 恋
39 涙ぐみ悲劇の女演じ切る 葛 恋
40 輝く星となりし魂 栞(恋)
41 なきひとをふと思ひ出すゆふの鐘 茨
42 親の苦労を親となり知る 蘭
43 放蕩の末の棲処の有難き 栞
44 ことこと煮立つ芋粥の鍋 葛 秋
45 すさまじき山家のそらに澄める月 茨 秋月
46 庭の浅茅にすだく蟋蟀 蘭 秋
47 来客のなき日曜はワイン風呂 ね
48 ヨガで瞑想うららかな午後 栞 春
49 ひらりひら花びらひらりひらひらり 茨 春花
50 池に残りし鴨の水尾曳く 蘭 春
三オ
51 そぞろなり都踊りの近づきて 葛 春
52 本番備へ着付け練習 茨
53 撮影の合間に食べるカツサンド 栞
54 NGだけでスペシャル作り 水
54 メイク早いも売れっ子の技 水
55 呼び物は伊達の十役早変はり 蘭
56 一期一会の一世一代 栞
57 わが庵で茶会はじめて主催して 茨
58 すわ引っ越しと騒ぐ店子ら 水
59 恬として噂のぬしは頬被り 葛
60 邪魔されやすき色恋の道 茨 恋
61 野茨を手折りて気づく愛の不義 栞 夏恋
62 ゲーテとギョーテ和解せしとや 葛
63 悩むとも外にいでよと春の月 水 春月
64 田は水たたへ蛙鳴き初む 蘭 春
三ウ
65 名にし負ふ高嶺は雪や里桜 茨 春
66 世界遺産に挑む人びと ね
67 とりあへずゆるキャラつくる町おこし 蘭
68 大志抱かずめざすB級 水
69 ながらへば埴生の宿もまた楽し 栞
70 ハモニカの音すこし上達 葛
71 一列に並んで歩く七五三 ね 冬
72 カルガモ親子フラッシュに慣れ 水 夏
73 緑陰がオアシスつくるオフィス街 茨 夏
74 手つき見事にワープロを打つ 葛
75 自分史をものせん履歴書まづ書いて 蘭
76 夜明け前より霞立ちたる 栞 春
77 三輪山の裾野をたどり花遍路 水 春花
78 八十のちまたに萌える若草 茨 春 やそ
ナオ
79 ロリータと名付く娘の稚けなさ 葛
80 あひあひ傘に描かれ赤らむ 蘭 恋
81 濡れ事を隠す暇なく広まりて 栞 恋
82 秘密保護法ねがふ面面 葛
83 せいじかのきょうみ利権と保身のみ 茨
84 庶民はいつも質素倹約 蘭
85 新聞は折込チラシがあんこにて 茨
86 食傷気味の父の説教 ね
87 なんやかや実家に帰り愚痴を言ひ 蘭
88 ふらりと出れば肌寒き野良 茨 秋
89 さやけくも木の間にのぞく十三夜 蘭 秋月
90 ひとり筆持ち染みる虫の音 水 秋
91 夢に見た文学賞は夢のまま 葛
92 遥けき希み神のまにまに 栞
ナウ
93 堕ちてみて知ることもあり恋の淵 水 恋
94 またぞろもたぐ浮気ごころよ 茨 恋
95 会社ってそとみなかみは違ふもの 蘭
96 偽りのある是は早く朽ち 蛉
97 誤表示の白状をさまる気配なし 茨
98 やけに羽音の耳につく虻 蘭 春
99 喧噪をよそに天園花盛り 栞 春花
挙句 水平線の霞むわだつみ 茨 春
・・・経過は#jrenga
※定座は守っても守らなくてもよい。四花四月〜七月。
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初折表 123456月8 (1〜8) 花一つ、月一〜二つ
初折裏 12345678月012花4 (9〜22) __________
二折表 123456789012月4 (23〜36) 花一つ、月一〜二つ
二折裏 12345678月012花4 (37〜50)__________
三折表 123456789012月4 (51〜64) 花一つ、月一〜二つ
三折裏 12345678月012花4 (65〜78)__________
名残表 123456789012月4 (79〜92) 花一つ、月一つ
名残裏 123456花8 (93〜100)_________
作法式目
付け転じ方
写真借用はフォト蔵さん