
百韻『松すぎの』の巻
2014.1.7〜2.16
発句 松すぎのはやくも今日といふ日かな 万太郎 新年
脇 ふくら雀の集ふ陽だまり 春蘭 冬
第3 待合の席和みたる大茶会 草栞
4 やゝ酒気帯びて口もなめらか 野茨
5 話すたび逃がした魚成長し 真葛
6 にはかに夕霧たち籠める川 蘭 秋 せきむ
7 月見んと駿馬を駆りて目指す丘 栞 秋月
8 世に打つて出る秋は今ぞや 茨 秋 とき
ウ
9 呟いてあっと言ふ間の流行語 葛
10 相変らずの御用新聞 栞
11 支持率の世論調査のうたがはし 蘭
12 嫌よ嫌よの空気読めずに 曙水
13 押せば引く引けば押し来る女波 茨 恋
13 自らの台詞に酔ひて愛捧ぐ 栞 恋
14 目瞑りてさすルージュ完璧 葛 恋
15 プレゼンのイメリハ済ませ不安消え 蘭
16 営業ゑがお板につく頃 水
17 村おこし都市の祭りと交流し 蘭 夏
18 B級グルメ帰省土産に 栞 夏
19 駅ナカはコンビニ超えてモール化す 茨
20 目にまぶしきや春のよそほひ 蘭 春
21 いつの世も立ち去り難き花のもと ね子 春花
22 蓬摘みつつしのぶ亡き人 茨 春
二オ
23 悪童の灸すえられし語り草 葛
24 詮なきことに波瀾万丈 栞
25 引退後即出版の手際良さ 水
26 次から次とアイドルユニット 茨
27 流行は追はず知らぬ間流されて 蘭
28 あなたに染まれ選ぶ白無垢 水 恋
29 ふたごころ隠し切れずになみだ色 葛 恋
30 いかにいくべき浮舟の身は 茨
31 清教徒海原を越え大陸へ 栞
32 家族は勇気出づる源泉 蘭
33 七五三母が一番写り良く 水
34 から風吹けば雲は離れて 栞 冬
35 ひとり寝の布団に差せる月の影 葛 冬月
36 くしゃみをしてももどる静寂 茨 冬
二ウ
37 「やっほー」の「ほー」の形の口のまま ね
38 ムンクに会いに渡るこの橋 水
39 人形の家捨て去りし女あり 栞
40 だれも人生書けば小説 茨
41 忘却は過去の美化には都合よく 蘭
42 チーズと云ひてVサインする 葛
43 同窓会ビンゴゲームで大当たり 茨
44 注目される括弧旧姓 栞
45 マンネリに飽きて手書きで年賀状 蘭 新年
46 ヘタウマ御免豚に似た馬 葛
47 新妻の手料理すべて創作で 水
48 蓙に陣取る丘の若芝 茨 春
49 花開く時を謳歌の果てもなし 栞 春花
50 捲土重来期して春眠 葛 春
三オ
51 世を忍ぶ仮の姿は陶芸家 茨
52 茅葺き民家で手打ちそば店 蘭
53 わが夢に妻おいそれと乗つて来ず 茨
54 リケジョにレキジョ多忙女子増え 水
55 デートでは話題もネットで下調べ 蘭 恋
56 ハネムーンの地に思はざる危機 葛 恋
57 襲撃の疑惑は永遠に闇の中 栞
58 山葵ひそりと隠し味にて 水 春
59 だめ元で手はみな試す花粉症 茨 春
60 かすめる月や昼のねむたさ 蘭 春月
61 大戸より入りし物盗り誰も見ず 葛
62 拍子抜けするビフォア・アフター 栞
63 原作を変へて感動なき映画 茨
64 柳の下に二匹めは居ず 水 夏
三ウ
65 端居して財布重たき客を待つ ね 夏恋
66 汗さえ見せぬ白きうなじに 水 夏恋
67 紫のゆかり想ひて涙する 栞 恋
68 古典熟読寿大学 茨
69 かはらない若さの秘訣好奇心 蘭
70 血気盛んな相棒の範 栞
71 キャッチャーのサイン通りに球しずみ 水 夏
72 無欲が招く巨額契約 葛
73 リニア線過疎地ばかりを縫つて敷き 茨
74 障害物越ゑスノーボーダー 水 冬
75 氷上で聴き初む曲に翳ありて 栞 冬
76 ラジオかけつつ日永釣する 蘭 春
77 みづどりの澪をひきゆく花筏 茨 春花
78 あの世へ向かふ遍路道なり ね 春
ナオ
79 あん住を打ち破り出て草まくら 蘭
80 お任せツアーは実にお気楽 茨
81 懐メロについ釣り込まれ唱和して 蘭
82 思はず腕を組んで睨まれ 栞
83 心せよここはウォールストリート 葛
84 山出しなれば宵越しの銭 水
85 国産の木材の良さ見直され 茨
86 「手に職つけろ」親の口癖 蘭
87 代々の田に水張り終ゑて映る月 水 夏月
88 蒲の穂ゆれてサヨナラを言ふ ね 夏
89 ハンカチをそつと渡して汽車に乗り 栞 夏恋
90 おぼつかなしや末の変心 茨 恋
91 余計なる選挙昨今はやりをり 蘭
92 威信かけるも受くる冷笑 栞
ナウ
93 野良犬が街の通りにたむろして 茨
94 育ちの良さは隠しおおせず 水
95 ゴミ出しに背筋のばして令夫人 蘭
96 遠く白富士風光る坂 茨 春
97 入日差す愛宕の山に奴凧 栞 春
98 故郷おもへば鐘朧なる 蘭 春
99 身を任し川面たゆたふ花見舟 茨 春花
挙句 畔の柳新芽美し 蘭 春
・・・経過は#jrenga
※定座は守っても守らなくてもよい。四花四月〜七月。
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初折表 123456月8 (1〜8) 花一つ、月一〜二つ
初折裏 12345678月012花4 (9〜22) __________
二折表 123456789012月4 (23〜36) 花一つ、月一〜二つ
二折裏 12345678月012花4 (37〜50)__________
三折表 123456789012月4 (51〜64) 花一つ、月一〜二つ
三折裏 12345678月012花4 (65〜78)__________
名残表 123456789012月4 (79〜92) 花一つ、月一つ
名残裏 123456花8 (93〜100)_________
初折表 123456月8 (1〜8) 花一つ、月一〜二つ
初折裏 12345678月012花4 (9〜22) __________
二折表 123456789012月4 (23〜36) 花一つ、月一〜二つ
二折裏 12345678月012花4 (37〜50)__________
三折表 123456789012月4 (51〜64) 花一つ、月一〜二つ
三折裏 12345678月012花4 (65〜78)__________
名残表 123456789012月4 (79〜92) 花一つ、月一つ
名残裏 123456花8 (93〜100)_________
作法式目
付け転じ方
写真借用はフォト蔵さん