
百韻『若草や』の巻
2013.4.8〜5.5
発句 若草や文庫で読みし資本論 風牙 春
脇 げんげ田かへす耕耘機の音 春蘭 春
第3 春疾風聟取りの村華やぎて 曙水 春
4 日舞の稽古手取り足取り 草栞
5 顔に似ぬ厳しさが売り評判に 真葛
6 無垢の一枚板カウンター 牙
7 頬杖で眺むる今日の月明し ね子 秋月
8 添い臥の稚児包む虫の音 水 秋 そいぶし
ウ
9 鬼の子と言はれ父恋ふ健気さよ 葛 秋
9 つりあはぬちぎりはかなくそでのつゆ 蘭 秋恋
10 面影慕ひ干せる中汲 栞 秋恋 両句に
11 長旅を終えて見下ろす滑走路 牙
12 リノリウムさへ匂ひ懐かし 蛉
13 若作りしてゆく孫の参観日 蘭
14 フォークダンスの足がよろける 葛
15 打ち上げはキャンプ・ファイアー缶ビール 蘭 夏
16 祭終ればむら冬支度 水 秋
17 最果ての海峡越えて鶴渡り 栞 秋
18 孤独身にしむ教室の窓 ね 秋
19 彫像の遠き眼差し月浴びて 葛 秋月
20 乙女らまとう春色の服 水 春
21 枝々に小鳥さへづる花大樹 蘭 春花
22 ランドマークの鐘は霞めり 葛 春
二オ
23 ツイートもメールも返信待ちの僕 水 恋
24 予約の取れぬ店で決戦 牙 恋
25 あかつきに羊羹めあての列のびて 蘭
26 ネズミいつしか寺に住みつく 葛
27 鍵つ子で街を彷徨ふローティーン ね
28 亡き母想ふコゼットのごと 栞
29 成長の糧と不幸を乗り越えん 蘭
30 さざ波立てば揺れる満月 水 秋月
31 川霧のはれて顕はる舫い船 葛 秋
32 木犀薫る隠れ処の径 栞 秋
33 密造酒蔓延る街は風強し 牙 はびこる
34 ゴミに群がるからす艶よき 蘭
35 ばっさりと黒髪切るも二十の子 葛 はたち
36 「時分の花よ」乙女心は 水
二ウ
37 幽玄の風姿とどめよ今しばし 栞
38 烏賊に見立ててアロエベラ切る 牙
39 万能といふ触れ込みに騙されて ね
40 うちの文化は包丁と鍋 水
41 母の日や筍めしの薄き味 蘭 夏
42 青嵐吹きて木々のざわめき 栞 夏
43 隣国に戦さ間近の噂あり 葛
44 スマホ出す度相場気になる 牙
45 鑑定は銀月錆びた大屏風 水 秋月
46 相続協議冷ややかに過ぐ 蘭 秋
47 藷掘りの続く道程一時間 牙 秋
48 二人で過ぐすときは短かく ね 恋
49 めぐり逢ひて花の命を惜しみけり 栞 春花恋
50 山菜採りに入る奥山 蘭 春
三オ
51 穴を出て熊は行く手を見失ひ 葛 春
52 ダンプばかりとよくすれ違う 牙
53 立て看は頭を下げて「工事中」 水
54 忘れた頃に余震頻発 栞
55 飯いいと言はず帰りが遅くなり 蘭
56 これ見よがしにプラチナピアス 葛
57 昇降機五十階より降りてきて 牙
58 住まひ選びは実に難問 蘭
59 年の瀬のローンの重みいや増しぬ 栞 冬
60 子を叱りつつ先思いやる 水
61 ゆふぐれの植田ころころ啼く蛙 蘭 夏
62 打ち捨てられし緒の切れた下駄 葛
63 面影を思いきれずに春の宵 水 春恋
64 朧月にも著き恋やせ 葛 春月恋 しるき
三ウ
65 はらはらと散りて花びら埋む径 蘭 春花 うづむ
66 たゆたふ河の流れアダージョ 栞
67 悠久を求め私もインドへと 水
68 熱にうなされまた同じ夢 牙
69 猛暑日の予報うらめし蝉しぐれ 蘭 夏
70 草刈鎌は錆びる暇なし 葛 夏
71 下町の職人芸の活きてをり 栞
72 路地に並びし丹精の菊 水 秋
73 声掛けて声の戻らぬ月の夜 牙 秋月
74 新酒をあけて手向く一献 蘭 秋
75 様になる見よう見まねの太郎冠者 葛
76 村おこしにと舞台復活 蘭
77 奈落より脱出するも道険し 栞
78 百日紅とて落ちぬ空蝉 牙 夏
ナオ
79 うな重で上手くなりたる箸づかひ 蘭 夏
80 円安に乗りツアー賑はふ 葛
81 近くとも遠き国より使者来る 栞
82 スワンの息の白き寒靄 蘭 冬 かんあい
83 黄昏の枯野に独り佇みて 栞 冬
84 指折りてみる夢のあれこれ 葛
85 巷では景気良くなるてふ噂 牙
86 着飾つてゐる歌舞伎座の前 ね
87 背伸びしてメニューに迷ふ初デート 蘭 恋
88 告白タイム給仕目くばせ 栞 恋
89 転職の場にも刑事の名残出て 葛
90 あぶれ蚊あはれ打つ人もなし 蘭 秋
91 十五夜は戦国の世も丸き月 ね 秋月 まろき
92 古りにし城趾色変えぬ松 蘭 秋
ナウ
93 正宗は酒と限らぬ上戸殿 水
94 泣くも笑ふもこれが青春 葛
95 後知恵の先に立たずは道理なり 栞
96 末は議員と競う弁論 牙
97 茶と菓子を子が指図する春炬燵 蘭 春
98 雛の家にもランドセル増え 栞 春
99 二宮の像よ上見よ花の影 牙 春花
挙句 巣立ちの鳥の声のにぎやか 葛 春
・・・経過は
※定座は守っても守らなくてもよい。四花四月〜七月。
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初折表 123456月8 (1〜8) 花一つ、月一〜二つ
初折裏 12345678月012花4 (9〜22) __________
二折表 123456789012月4 (23〜36) 花一つ、月一〜二つ
二折裏 12345678月012花4 (37〜50)__________
三折表 123456789012月4 (51〜64) 花一つ、月一〜二つ
三折裏 12345678月012花4 (65〜78)__________
名残表 123456789012月4 (79〜92) 花一つ、月一つ
名残裏 123456花8 (93〜100)_________
作法式目
付け転じ方
写真提供はフォト蔵さん
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