2008年11月6日木曜日

歌仙『青空と』の巻


    句集『時の舟』上梓記念興行
      歌仙『青空と』の巻 
                 起首 2008.10.22
                 満尾 2008.11.6
                          
発句  青空と同じ広さに秋桜       百 秋  
脇    蜻蛉の目がね遠く見てゐる   草栞 秋  
第三  十三夜水影ゆれる能舞台    みかん 秋月
 四   潮みちくらし浜の浦風     春蘭
 五  老鶯の鳴いてバス停バスは来ず   亮 夏
 六   牛が道路を占拠する村     青波
ウ一  まみ深き裸足の行者慕ひきて   木槿
 二   乱れた髪に揺れるかんざし    合 恋
 三  君写す魔法の鏡持つてたら     栞 恋
 四   宇宙船まで持ち行くものを    百  
 五  酔ひ止めに梅干し臍に貼り付けて  蘭
 六   飲めもせぬのに選ぶカクテル   み          
 七  照り映える紅葉の色を目の前に   波 秋
 八   美術の秋の大琳派展       亮 秋  
 九  立ち並ぶビルの隙間に月かすか   合 秋月
 十   解散選挙遠のきにけり      槿
十一  ドラ声の邪魔が入らぬ花見宴    波 春花 
十二   紋白蝶の子らに追はれて     百 春   
ナ一  風光る引込線に止まる貨車     み 春  
 二   君に土産の草だんご下げ     槿 春
 三  噂ではなかなかもてるマメをとこ  亮  
 四   やり手婆にそそのかさるる    栞
 五  榾あかり寝入る武蔵をねらふ影   蘭 冬 
 六   松風を聞く軒の寒干し      合 冬
 七  ボタ山の黒黒としてのしかかる   亮
 八   君待ちきれず仰ぐ銀漢      百 秋恋
 九  鵲に機織り姫の文託し       栞 秋恋
 十   数珠玉つなぎペア・ブレス結ふ  み 秋恋
十一  学芸会道具係りは忙しい      波 
十二   月は涼しき顔でいませり     蘭 夏月
ウ一  母恋し夢の中ではまだ子ども    槿
 二   間々に取り出す宮沢賢治     亮
 三  なだらかな稜線描く過疎の村    合   
 四   ゆかりの井戸の釣瓶あたらし   み
 五  凡愚われ花の浄土を遠くして    百 春花
挙句   時に乗りあふ夕東風の舟     槿 春
  
               ( 捌き 春蘭 )

2008年11月5日水曜日

レッドクリフ(赤壁)


  六十で千円と知り映画みる


 レッドクリフ(赤壁) 三国志の赤壁の戦いを描く。金城武の諸葛亮孔明は姿が実にいい。周瑜と孔明の琴の合奏の場面はこころに沁みた。周瑜の愛妻小喬を曹操はねらっているようだ。続編でそこらへんのからみもあるのだろう。続編があるとは知らず、途中の休憩時間だと思って座っていたらみんな帰ってしまった。出口で係員の青年に聞いたらpart2は来年4月です。中途半端ですみませんと言ったw



2008年10月27日月曜日

百韻『秋澄める』


発句  秋澄める北の海色紺深し       百 秋
脇    萩のこぼれる岬から見る     青波 秋
第三  望月の供に愛犬すわらせて     春蘭 秋月
四    あ忘れちゃった今日の講演     合
五   まいいかお茶をすすって髭なぜる   波
六    昇った坂をだらだら降りて     百
七   徒労人トンネル内の土合駅      合
八    慣らしにしてはきつ過ぎるかも   蘭     
ウ一  蕨採り秘密の場所は教えない     百 春
二    薮に知られず咲ける春蘭      蘭 春
三   麗日や君が顔心根も         百 春恋
四    旅路の人と忘るものかは      蘭 恋
五   ノーベル賞学生時代を原点に     合
六    ひねくれもんもつひに号泣     蘭
七   ねじりんぼ越後駄菓子を噛み締める  百
八    雪の便りに今年も帰れず      合 冬
九   別荘はできれば囲はぬ方が良い    蘭
十    こころ開かん月は隈なし      〃 秋月
十一  無人駅コスモス好きとゆらゆらり   合 秋
十二   昼はビールと言へど身に入む    蘭 秋
十三  花吹雪子供歌舞伎の見得をきる    百 春花
十四   菜飯の箸をやすめ喝采       蘭 春
二折
一   飛んでくるおひねりいっぱい山笑う  百 春
二    隣の君は頼りないナビ       合
三   運まかせ試行錯誤で探る道      蘭
四    初心者ゆえか大儲けする      波
五   けちけちのパックツアーでカジノ行く 蘭
六    円高チャンス勝負しどころ     百
七   木の葉沈んで石が浮くよなこの世界  波
八    明日も地球があるとおもはん    蘭
九   ゴリゴリと香り引き立つ豆を挽く   合
十    しばしの時間薀蓄を聞く      波
十一  小鳥来る朝の窓辺にパンくずを    百 秋   
十二   金木犀の香りが椅子に       合 秋
十三  眠り姫蒼き月光浴びて待つ      百 秋月
十四   たかが百年一瞬の夢        蘭
ウ一  北山の守りし杉ぞ天に伸び      合
二    たちまち此の身まとふ風花     蘭 冬
三   年の瀬の引越し荷造り皿割って    百 冬
四    清算します愛と友情        合 恋
五   夫より長いつきあい人の知る     百 恋
六    プラトニックなゆゑに永遠     蘭
七   願掛けて苦しいときの神頼み     百
八    増えるばかりの小銭放出      蘭
九   煙草買う月皓々と自販機へ      百 秋月
十    下を探れば竈馬飛び出る      蘭 秋
十一  庭に植ゑし薄どうやらさまになり   〃 秋
十二   田舎暮らしのブログなんぞを    合
十三  メル友に花の盛りを知らせおり    百 春花
十四   羽音で虻をかはすひとびと     蘭 春
三折
一   どの手にもソフトクリーム春の牧   〃 春
二    ベンチをさがす家族づれいて    百
三   ためらはずやさしく声をかける彼   蘭 恋
四    僕も一緒にそこで降ります     波 恋
五   踊子に峠の茶屋で追ひついて     蘭 恋
六    水かさ増した流れ激しく      合
七   五月雨に嵩むプラごみ出しにでる   蘭 夏
八    若奥様はショートパンツで     波 夏
九   からす2羽電線の上覗き居る     百  
十    トボトボダチョウ邪魔な金網    合
十一  すきあらばいっそ逃げたやくさり縁  蘭
十二   秋の蚊叩き溜飲下げる       百 秋
十三  月の舟銚子二本で止められて     蘭 秋月
十四   お芋つるりと未練を残し      合 秋
ウ一  嫁の里居やすくなるも心がけ     蘭
二    形ばかりのエプロンつけて     百
三   蕎麦を伸しかなりゆがんで世界地図  蘭
四    切ってしまえばわかりゃしないさ  〃
五   老獪の術も持たずにぬくぬくと    合
六    政治を野球にたとへ口出す     蘭
七   あっという逆転劇もたまにある    波
八    空気を読めばわかるはずなり    蘭
九   門閉めに新月いでし空の澄み     百 秋月
十    垣根はみ出す盗人萩ぞ       合 秋         
十一  虫しぐれ人の気配にやみにけり    蘭 秋
十二   なぜか分らぬ胸騒ぎする      波     
十三  一斉に花は咲けども身は一つ     蘭 春花
十四   彼方此方と佐保姫さがす      百 春
名残折
一   けふもまたいざと蜜蜂飛び立って   蘭 春
二    朝晩いつも橋が渋滞        合
三   給料は口座振込み慌てずに      百   
四    加齢とともにどじの連続      蘭
五   抱きしめる妻の体は細くなり     合 恋
六    糟糠ゆゑにみればいとしき     蘭 恋
七   遥けくも来たりしものよ五十年    百
八    何か伝えるものはあるのか     蘭
九   けちけちとしている割に財もなし   〃   
十    裏の竹やぶ掘ってみてくれ     波
十一  地下潜る悪の帝国根を張って     合
十二   拉致と核とを天秤にかけ      百
十三  なにしてんの月に代わってお仕置きよ 蘭 秋月
十四   ブーツで走る畔に吾亦紅      合 秋
ウ一  秋霖にけむる明日香の道遠く     蘭 秋
二    貸し自転車のペダル踏みこむ    百
三   夏草のゲレンデ一気にダウンヒル   蘭 夏
四    露天風呂浴び干す生ビール     百 夏
五   酪農の仕事に慣れた日々若く     合   
六    靴に分厚く着ける春泥       蘭 春    
七   花の香の馳走いただく古き家     合 春花
挙句   われも翁と同じ麗らか       蘭 春

                 2008.10.6〜10.27

写真提供はフォト蔵さん

2008年10月25日土曜日

草紅葉


湿原はどこまで行っても草紅葉

2008年10月14日火曜日

ノルウェイの森、海辺のカフカ



長いこと著者はノーベル賞を待っているようだが、この二冊あたりが
代表作だとすると無理ではないかと思った。もし間違って受賞するよ
うなことがあったら、ノーベル文学賞もおちたもんだとまた思うひと
は私だけではないだろう。

両方とも女性が若いときに親密だった男性を失った傷みから立ち直れ
ない姿を描いている。またストレートな性愛描写が売りのようだ。短
歌における与謝野晶子のように、最初はそれも新鮮だったのであろう
がまたかよと思ってしまう。

海辺のカフカはそれにファンタジーとミステリーの要素を加味し難解
性によって話をひっぱる。ほとんど通俗小説と変わらないのではない
か。

想像性の乏しい狭量で非寛容なやからが世の中には多いだったか、そ
れはまったく同感だ。世界はメタファー(隠喩)だという言葉も印象
に残る。言葉はメタファーだ。だから言葉によって表現される世界も
メタファーだ、ということか。これ自体メタファー。


ビートルズのノルウェイの森
海辺のカフカの詩 隠喩を使えば使うほど詩的なの?

2008年10月13日月曜日

歌仙『江戸の地図』



発句  江戸の地図たどれば辻は秋の風    亮   秋
脇    燃ゆるかまつか纏のいづこ     面白  秋    
第三  あの月へ梯子をかけて上るらん    青波  秋月
 四   カメラかついでスニーカー履く   みかん
 五  メタ腹を気にも留めずに味めぐり   草栞
 六   エプロン似合う第二の人生     合
ウ一  そそくさと祭囃子の音あわせ     百   夏
 二   ひかれるかたのまなこ涼しき    春蘭  夏恋
 三  屋根伝ひ忍び入る夜もけふかぎり   白   恋
 四   アッケラカンと出来ちゃった婚   亮   恋
 五  三陸のリアスラインは波静か     み
 六   松の枝ぶりまるで絵のよう     波
 七  名を問へば紫匂ふホトトギス     合   秋
 八   王の黄昏そぞろ身に入む      栞   秋
 九  引退も悲喜こもごもや今日の月    蘭   秋月
 十   回覧板のもどって来たる      百
十一  花ひとつふたつをつけてランドセル  亮   春花
十二  「ぎちょぉ〜」と啼きし初雲雀かな  白   春
ナ一  寅さんも来ているうわさ春の暮    波   春
 二   あなたこなたの光る小流れ     み 
 三  種火でも三人寄ればうふふのふ    栞
 四   試験管中酸素は有りや       合
 五  冬ぬくし恋の妙薬欲しいから     百   冬恋
 六   軟派マニュアルマスクして買ふ   蘭   冬恋
 七  はてしなく下降を描くスパイラル   白
 八   めまい恍惚天鵞絨の艶       亮
 九  勉強せいとのたまう父はノーベル賞  み
 十   僕は母似で連句三昧        波
十一  窓開けて共有したのよこの月を    合   秋月
十二   蔦這ふ壁の崩れ落つまで      栞   秋
ウ一  へだたれて嘆くさ牡鹿こゑ嗄れて   蘭   秋
 二   眠れぬ夜は万葉集を        百
 三  しばらくはカルチャー教室マナビスト 亮  
 四   男の料理試食目的         波
 五  いつの間に見知らぬ人も花見酒    み   春花
挙句   森羅万象春いとおしむ       百   春

                 捌き 亮

                    2008.9.26〜10.12

写真提供はフォト蔵さん
江戸切絵図

2008年10月9日木曜日

歌こそは一期の病ひ

「折口信夫の記」岡野弘彦 より

  歌こそは 一期の病ひー。
   しきしまの 倭の国に、
    古き世ゆもちて伝へし 病ひなるべき

  倚桃両吟
  
   入会山の見とほしに草紅葉かな  迢空(折口信夫)
    日和つづきに木叢の頬白    杜壮(加藤守雄)
   気のとほくなるほど秋の海越えて 空
    忘れは思ふ村のもめごと    壮
   藍壷に月のさし入るころなれや  空
    ほのぼのぬくし昼の温石    壮
    。。。
 
   ナウ 
   陽炎の畷の鴉立ち行きぬ     壮
    鰯のけぶりどこもかしこも   空
   谷町の瓦一枚光るなり      壮
    夜業の傷にしみる深霜     同
   花のあと八十八夜ひそとして   空
    霞吹きとく塔の水煙      壮


   樟若葉夕日照るなり屋敷墓    迢空
    木馬の油菁莪にしむ道     杜壮


  芭蕉と杜國の関係のような関係が二人の間にあったとか
  なかったとか。みんなそっちかい、がくっw

菊なます


株安はもつてのほかや菊なます



花弁が筒型のもってのほかはことのほかうまい、今までで最高! しかし暴落した株価を考えるとがっくし(^^;)


写真提供はフォト蔵さん

2008年10月6日月曜日

百韻『名月や』


発句  名月や十百韻の九の巻きを      合 秋月
脇     つづれつづれと綴刺鳴く     蘭 秋
3   さつま芋出来は上々早生種にて    百 秋
4     ひとに喜びおすそわけする    蘭
5   人の世は人の世ながらさりながら   波 
6     暗い土蔵に風が吹き込み     合
7   思ふほど住みやすくなき故郷かな   蘭
8     月餅買いに中華街まで      百

1   マドンナに僕のやうな恋をして    蘭
2     術もなきまま闇に手探り     合
3   雷神は忿怒相なり大停電       蘭 夏
4     損保会社へ被害届けを      百
5   薄雪の下りS字で脱輪し       蘭 冬
6     出鼻くじかれ頭真っ白      〃
7   理髪店パーマヘヤダイいたします   百
8     泡立つ海に臭いたちこめ     合
9   月高し夜っぴき塩焚く破れ小屋    蘭 秋月
10    夜食しながら昔語りを      百 秋
11  菊いじり鼻歌交じる爺さんは     合 秋  
12    江戸っ子でなく東京っ子だ    波
13  花のころ隅田あたりをかけめぐる   蘭 春花  
14    大蛤の糶にかけられ       百 春

1   霾晦り笑ふ金歯の老漁師       蘭 春
2     お酌が地獄の使いと知らず    合
3   お上手にだんだん伸びる鼻の下    蘭
4     父の日忘れ娘迎えに       百 夏
5   Tシャツの汗の匂いが誇らしげ    合 夏
6     学校登山落伍者はなし      蘭
7   うるさくてクマは近くに寄り付かず  波
8     メッカの峠集ふ走り屋      蘭
9   赤城山やくざによつて名が売れて   〃
10    極道育ちの先生人気       合     
11  優男強い女性が好きになり      百 恋
12    親の縁談蹴つて駆け落ち     蘭 恋
13  有明に別れを告げし清滝の      合 秋月
14    大河となりて秋の野をゆく    百 秋

1   鰯雲みては腹鳴る山頭火       蘭 秋
2     鉄鉢一つ命の頼り        百
3   仏法で食は修行の一部なり      蘭
4     不味いなどとは言語道断     〃
5   添加物見えぬところが恐ろしい    百
6     未来に残す豊かな自然      合
7   故里の緑私の目を洗う        波 夏
8     汗をながして縮み着流し     蘭 夏
9   梅雨晴れ間半片の月うすうすと    百 夏月
10    観音菩薩に母の俤        蘭
11  遍路して過ぎにしかたに思ひはす   〃 春
12   蕗味噌詰める備前の小鉢      合 春
13  花見舟杭に繋げど去りがたく     百 春花
14   人の曲まで歌ふカラオケ      蘭

1   だみ声の負け知らずにはえへへへへ  合
2    一年幾度首のすげ替へ       蘭
3   早々とマフラーをしてジョギングし  百 冬
4    葉っぱが欲しいともらう大根    合 冬
5   残りめし粥にのばして日を暮らす   蘭
6    二日剃らねば顔もごま塩      〃
7   無精髯しぶしぶすれば良い男     百 恋
8    鏡の中に妻微笑んで        〃 恋
9   湯あがりのうす桃色の美しく     蘭 恋
10   かはいいままでゐてね初孫     〃
11  ブランコも滑り台まで家の中     百 春
12    雛飾る日の待ち遠しくて     〃 春
13  朧月嫁入り支度する母と       蘭 春月
14   ランチをかねてケーキバイキング  合

1   今晩の食事のしたくサボりたい    百
2    コンビニ弁当食はしといたろ    蘭
3   今日もまた夫は山に行くらしい    波
4    どこへ行っても山ノ神のいる    百
5   若い娘にミステリアスと迫られて   蘭 恋
6    ついに名前をどうだんつつじ    合 春恋
7   鳥さかるスリル味わう葉隠れに    百 春恋
8    微笑む如き春の月かな       蘭 春月
9   ポケットのサクマドロップかさばって 亮
10   歩くたんびにカラカラと鳴る    蘭
11  通せん坊カウベル付けた牛の群れ   〃 
12   ガンジス河の沐浴ビデオ      合
13  よみがえる吾が花嫁よハネムーン   蘭 雑花
14   シャンパンの栓隣席に飛ぶ     百

1   二本目になるとさすがに酔ひがきて  蘭
2    忘れたなんて罪な言葉を      合
3   もしここで断わられたら死ぬといい  蘭 恋
4    はねっかえりのこのしおらしさ   亮 恋
5   黒ぶちのグラサン胸にヨットハーバー 合
6    隠し通さん実はかなづち      蘭
7   建売の今日も売れずに旗しまい    百
8    外目いいけど中はどうだろ     蘭
9   笑顔よきあの子はおみず馴れていて  合
10   僕は静かな君が好きだよ      蘭
11  言の葉をこころの底より絞り出す   〃
12   鳴いて血を吐く杜鵑かな      波 夏
13  思ひ寝の目覚めおぼろげ朝月夜    蘭 夏月恋
14   タクラマカンに棄ててきたこと   亮

1   遥かなるわが彷徨をなほ傷む     蘭
2    かくあることに付ける折り合ひ   〃
3   宿六をとりかへるほどの気力なし   〃
4    大江戸小江戸ぶらり散策      波
5   古いもの内に感じる新しさ      蘭     
6    芝居に残るしぐさ美し       波
7   花灯り闇にけざやぐ薪能       蘭 春花
挙句   これぞこれこそ春の夜の夢     〃 春

             2008.9.14〜10.6

2008年9月20日土曜日

捨案山子


さみどりの欅空みつ蝉しぐれ

遅れ来て惜しむ命や法師蝉

葬式も墓もいらぬよ捨案山子

野分過ぎ虫の音しげき朝かな



写真提供はフォト蔵さん

2008年9月14日日曜日

百韻『いろいろの』


発句  いろいろの制服通る初夏の朝    青波 
脇     見分けつかない軒の子燕    春蘭 
3   図書館で借りて重たい図鑑にて    亮 
4     パラリパラリと眺め楽しむ    波
5   透きとほる傘に降り来る六花     蘭 
6     今年の寒さ厳し一際       波 
7   顔見世の招き大きく照らす月     亮 
8     暫くぶりに飲んでいこうか    蘭

1   この前のあの事につき話そうよ    波
2     パイプくゆらす破れジーパン   亮
3   武勇伝おもひ出してはにやついて   蘭
4     時の総理があげる強盗      波  
5   電脳でみれば世界は夢の滓      蘭
6     漂白出来ず消せぬいらだち    亮
7   学校の教師が書いた落書きを     波
8     運が悪いと思ふ政治家      蘭      
9   お月様ご覧下さいこの日本      波 
10    汚れちまった白砂青松      亮
11  ひぐらしやわれも別宅ほしくなり   蘭
12    乱開発で家はむき出し      波
13  水汲にゆく深山路は花のころ     蘭
14    孕み鹿らしチラと駆け行く    亮

1   フンフンと春風のよう小百合ちゃん  波
2     いつたい何をたべてるんだろ   蘭 
3   糊舐めて舌切りすずめものがたり   亮
4     手元不如意と嘆く侍       波
5   下思ひの新造に声を掛けられて    蘭
6     よくあることよ壁に耳あり    亮
7   覗き見の有名人が出所した      波
8     悔いたやうには見えぬ会見    蘭
9   隠れ蓑卑しきものと紙一重      亮             
10    不惑の年に大惑いする      波
11  足許を見つめ直せと山が呼ぶ     蘭  
12    又会う日までいてね元気で    波
13  シャガールの自転車で追う月の径   亮
14    宇宙空間邪魔物は無し      波

1   UFOのかけら砂漠で見つかった   波
2     ソレッとばかりに霊能者達    亮
3   懐かしき東北弁のお告げ聴く     波
4     耳を澄ませて肩を凝らせて    亮
5   我話す中国人に通じない       波
6     のどかに行こう身振り手振りで  亮
7   久しぶり郷里で踊る盆踊り      波          
8     時折遠く走る稲妻        亮
9   吾亦紅母を泣かした子も老いぬ    蘭
10    先急く犬をとどむ月の出     蘭
11  あらなんでこんな所に蛙居る     波
12    ぬれても心地よきははるさめ   蘭
13  ほの白くみっしりと浮く花の夜    亮
14    言葉少なく宿る円山       蘭

1   追いかけて追いかけて来た都から   波
2     乙女にまぎれ出待ち入り待ち   蘭
3   倖せは自分が夢中になれること    蘭  
4     新蕎麦を打ち食わすみんなに   波
5   問はれぬに蘊蓄垂れるは野暮つたい  蘭
6     今は逆転妹に叱られ       亮
7   オリンピック女ばかりが活躍し    波
8     度胸愛嬌も兼ねて具はる     蘭
9   日本を洗濯せんとゆく竜馬      蘭
10    激流下る竿をあやつり      波
11  ここいらでカラス殺して朝寝せむ   亮
12    君がおつむにかひな痺るる    蘭
13  窓辺まで月寄って来る旅の宿     波
14    一夜かぎりの烏瓜のはな     蘭

1   夏の果軒の簾を巻き上げて      蘭
2     雀右衛門さん米寿祝宴      亮
3   華やかな江戸の香りを東京へ     波
4     花魁道中口あいて見る      蘭
5   人間の欲と欲とが絡み合う      波
6     どつちにしても騙される民    蘭
7   明日への乗換駅を探してる      亮
8     行こか戻ろかはて思案橋     波
9   月影にひともと柳枝ゆれて      蘭
10    欠けた茶碗で白粥すすり     合
11  節約はふたたび美徳とされにけり   蘭
12    ゴミも資源と進む研究      波
13  夢の島花の名所となりぬべし     蘭
14    松並木にはキツネもいたか    合

1   おそろしさまさる旅籠の留女     蘭 
2     飯食ふときに気づく流し目    蘭
3   居候三杯目にはそっと出し (古川柳)波          
4     けつこう使へる鈍感のふり    蘭
5   ため口の部下に仕事を頼む午後    合
6     昔のようなゴリ押しは駄目    波
7   理不尽な輩こはがる世間の目     蘭
8     へこきかずらがはびこる屋敷   合
9   さみどりの欅空みつ蝉しぐれ     蘭
10    腕白時代思い出す場所      波
11  好きな子の家のブザーを押し逃げる  蘭
12    やっぱりカレー土曜の夕餉    合
13  中秋の月を愛でつつ家路へと     波 
14    オペラの余韻でかるく中汲み   蘭

1   封筒に入れた銀杏爆ぜ始め      合
2     呼ばぬに子等は膳に集まる    蘭
3   手土産をおいてお客は帰りけり    蘭
4     鑑定しますクリスマスラブ    合
5   枯蓮の池にさざなみ番鴛鴦      蘭
6     妻の帰りを夫待ってる      波
7   忍の文字背中に付けた花衣      合
挙句    花粉症とてしたい風流      蘭

               2008.7.5〜9.14


写真借用:
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/080519/trd0805191241006-n1.htm

2008年8月30日土曜日

夏の野に











夏の野に道付けをれば我さがす妻のかそけき声ぞ聞こゆる


 
 山小屋の北側の森が防火のために大きく切り開かれ野ができた。しかし鬱蒼とした薮と化していて入り込めない。植木鋏をもって草木を刈りつつ道を付けはじめた。道といってもけもの道レベルだが、こころがうきうきし、ものすごく面白い。夢中で刈り進み道を造っていく。日差しが強くなり汗だくだ。遠くの方で呼び声がする。私が熱中症で倒れていないか心配して妻が出来立ての道を踏み分けてやってきたのだ。

2008年8月28日木曜日

でかプリン



高原の秋立つ牧やでかプリン


八ヶ岳南麓 日野水牧場にて

2008年8月23日土曜日

原因と結果の法則

『原因と結果の法則』ジェームズ・アレン

   自分の思いが人生を創る
   環境はコントロールできる
   自分自身を変える

『グッドラック』アレックス・ロビラ他

   幸運をつかむためには、自ら下ごしらえをする必要がある
   幸運の下ごしらえは、今すぐに始めることができる
   幸運のストーリーは、、、絶対に偶然には訪れない



2008年7月20日日曜日

都々逸 

今も早よから太鼓をたたく隣家六十路のドラムすこ
隣家漏れ来る宴の奇声理解不能の多国籍
姉は口だけいもとが動く声のでかさは負けて居ず

むかし望んだ無用の人になれど銭なくひき籠り
老いて若いと言はれる妻のサプリをもらひ飲んでみる
尻が出てると気にする汝れをわれは可愛と恋初むる

2008年7月19日土曜日

都々逸


体が悪いぞ無職の欄はかっこ悠々自適とす (旧作)
寿司と我が家で呼んでるものは巻きと稲荷のパックなり
妻の財布の千円抜いてかさむ小銭を入れておく



写真借用:http://ekibento.jp/cb-mishima-sushi.htm

2008年7月17日木曜日

こんちきちん



鉾の稚児人形なりきこんちきちん


写真借用:http://www7a.biglobe.ne.jp/~kyonosato/gion00yamahoko00.html

2008年7月14日月曜日

「渡り鳥」歌仙

渡り鳥傘なきゃ雲の上にあり    狸
 虫の音哀し里の古寺       寅
やあやあと大きな月が顔出して   寅
 真冬の海を北へ流れる      狸
雪しづか百五十屯の雪像に     狸
 いつも通りの軽い冗談      寅
いいひとねそれで話はちよんとなり 蘭
 枕はずして大の字に寝る     奴
モナリザの二重の顎に恋をして   奴
 行列嫌ひがむしろ微笑み     蘭
ふるさとに許され妻子見せにゆく  蘭
 妙に静まる森のかなかな     奴
萩に沿う道のいつやら潮の風    奴
 掻い弾く琵琶の澄める夜の月   蘭
あゝうれし夢のお告げのとほりにて 蘭
 吉野の水のやや温むころ     奴
花守に墨衣着せ写真撮る      奴
 経読み谷をわたる鶯       蘭

ポケットに錆の浮き出たハーモニカ 智
 古き友よりうれしき誘い     正
七夕に願い事書きドン集う     正
 なにはともあれビールに枝豆   智
携帯にあなただけよとこのメロディ 智
 細々連呼あの浮名の音      正
なやましく姿態くねらせめおと猫  正
 ヒップホップでメタポ解消    智
代々木から渋谷に抜ける大通り   智
 ケヤキ並木を秋色に染め     正
月煌々勝閧橋は今跳ねず      正
 芸術祭の演目揃う        智
文化庁にぎにぎ少しありゃせぬか  修
 今も昔も同じしきたり      光
天の声雪降る夜は重く聞く     光
 意見はあるが言葉にならず    修
目覚めれば志野のぐい呑み花うけて 修
 春風似合う塩瀬羽二重      光

      首尾 2008.6.28〜7.14

2008年7月7日月曜日

みだれ髮(抄)  


    みだれ髮  
            鳳晶子

やは肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君
たまくらに鬢のひとすぢきれし音を小琴と聞きし春の夜の夢
牧場いでて南にはしる水ながしさても緑の野にふさふ君
ゆあみする泉の底の小百合花二十の夏をうつくしと見ぬ
くれなゐの薔薇のかさねの唇に靈の香のなき歌のせますな

春の夜の闇の中くるあまき風しばしかの子が髮に吹かざれ
わかき小指胡紛をとくにまどひあり夕ぐれ寒き木蓮の花
みだれ髮を京の島田にかへし朝ふしてゐませの君ゆりおこす
紫の紅の滴り花におちて成りしかひなの夢うたがふな
乳ぶさおさへ神祕のとばりそとけりぬここなる花の紅ぞ濃き

ひく袖に片笑もらす春ぞわかき朝のうしほの戀のたはぶれ
なにとなく君に待たるるここちして出でし花野の夕月夜かな
ゆあみして泉を出でしやははだにふるるはつらき人の世のきぬ
小傘とりて朝の水くむ我とこそ穗麥あをあを小雨ふる里
うながされて汀の闇に車おりぬほの紫の反橋の藤

ゆふぐれを篭へ鳥よぶいもうとの爪先ぬらす海棠の雨
かたみぞと風なつかしむ小扇のかなめあやふくなりにけるかな
小百合さく小草がなかに君まてば野末にほひて虹あらはれぬ
こころみにわかき唇ふれて見れば冷かなるよしら蓮の露
おもひおもふ今のこころに分ち分かず君やしら萩われやしら百合

むねの清水あふれてつひに濁りけり君も罪の子我も罪の子
みなぞこにけぶる黒髮ぬしや誰れ緋鯉のせなに梅の花ちる
くろ髮の千すぢの髮のみだれ髮かつおもひみだれおもひみだるる
夏やせの我やねたみの二十妻里居の夏に京を説く君
舞姫のかりね姿ようつくしき朝京くだる春の川舟
春みじかし何に不滅の命ぞとちからある乳を手にさぐらせぬ

2008年7月5日土曜日

「蛍獲て」百韻


  蛍獲て少年の指みどりなり       誓子
   河童でさうな村の夏川        春蘭    
  坂東太郎暴れ刀を振り上げて      青波
   髭を剃つたら意外美男子        蘭
  方言のこぼるるさまもご愛嬌       亮
   絵文字にはつか癒されてゐる     面白
  有明に霊感湧いて解読す         蘭
   虫売りの声聞きつつ眠る        波
ウ 目覚めては先ず一献に焼く秋刀魚     亮
   かひがひしさに身もぞ焦がるる     蘭
  十七の春をたすきで洗ひ張り       蘭
   記念日の今日摘むはサラダ菜      波
  野蒜食ふ僕はとつくにロハスだね     蘭
   シンプルが好き身辺整理        亮 
  向かふには一切合財もつてけず      蘭
   とげはあるけど薔薇は綺麗だ      波
  嫦娥出づ見なほすきみの初浴衣      蘭
   花火の音に近づける顔         波
  パレードにおとなも児らも夢心地     蘭
   明日の試験はいいさどうでも      波
  ニッポンのお城を飾る飛花落花      亮
   舞ひ込む蜂に沸ける婆沙羅座      蘭
二 野馬群れて小高い丘を疾走す       波
   眉くっきりとイザ戦さ場へ       亮
  マーメイド北京五輪は負けられぬ     波
   同じ条件かぎはメンタル        蘭
  息災に過ごす貴重な千羽鶴        亮
   イメージしようこの地球船       蘭
  緑あふれ大気あまやか我が故郷      波
   胡瓜トマトは山の朝採り        蘭
  腕白小僧よその畑で食べちらす      波
   服も体も泥で真つ黒          蘭
  祭りから帰ればみんないい女       波
   群れて愛らし桃色ペリカン       亮
  深閑として悠久の月の下         亮
   それよそれこそ宮城野の萩       蘭
ウ 虫々はこゑをかぎりと鳴いてをり     蘭
   我も負けずにコーリューブンゲン    波
  巻き舌のサザン休業なる話題       亮
   白け錆びたる浦の浜小屋        蘭
  波音を子守唄とし一眠り         波
   鳶が空からわれを見てゐる       蘭 
  謀られているやも知らぬノーテンキ    亮
   ピュアな思ひは人を動かす       蘭
  月天心貧しき町を通りけり    (蕪村)波
   からくれないに割れる実石榴      亮
  ちはやぶる神とも見えぬ竜田姫      蘭
   何を食べるか年をとらない       波
  薄墨の花はろばろと見上げおり      亮
   かすむや千代に雪の白山        蘭
三 田楽の味懐かしき峠茶屋         波
   ナナハン連ね老若男女         亮
  青春はこころに若さあるかぎり      蘭
   立って半畳寝て一畳    (織田信長)波
  わが城で茶漬けかけこみいざ出陣     蘭
   網タイツの脚どぶ板を踏み       亮
  破障子のぞく長屋の野郎ども       蘭
   えらい美人の嫁がきたらし       波
  かの子には一平がいたながい雨(時実新子)亮
   愛の地獄を越える大乗         蘭
  父母の星が見守る四川の子        波
   おなかいっぱい食べているやら     亮
  牡鹿啼く片山陰のゆふまぐれ       蘭
   配所の月に想う都を          波
ウ 栄転とだまされ来たる島の秋       蘭
   軒下を行く青大将           波
  きゃっとすがる君の重みを受けとめて   蘭
   上向き加減笑顔美し          波
  赤い道ゆけば群がるちまき売り      蘭
   自分を見つめ直す初旅         同
  鞄捨て杖一本で四国へと         波
   かつを漁師に海はゆりかご       蘭
  海神の吐息聞こえる月涼し        波
   昭和は遠くなりにけらしも       蘭
  反戦の思想封印された時         波
   ひそかに流行るリリーマルレーン    亮
  花開き静かに眠る子を悼む        波
   風の光ればこころ鎮もる        亮
名 うぐひすにゆかしくなるや雑木山     蘭
   歴史の道にすみれ草咲く        波
  ここがその都の跡か燃ゆる野馬      蘭
   独りの時間独りの至福         亮
  写し彫る利休泪の竹茶杓         蘭
   雨の降る日は雨を見つめて       波
  ピストルを一発胸に受けて恋       亮
   親の縁談蹴って駆け落ち        蘭
  考えたどうせ行くなら地の果てへ     波
   砂漠のリビア・ビルがニョキニョキ   亮
  オアシスはひとそれぞれの憩ひの場    蘭
   二度と会えない人と会うかも      波
  月光にこころの底を覗かれて       亮
   閃光きらめき妖剣の露         蘭
ウ ほろほろと首が落ちるか秋の暮      波
   回転ドアはスコンと回る        亮
  頭越し子分は所詮らちのそと       蘭
   現世精進来世往生           波
  チンチラを抱いてざあます血統書     亮
   散歩にドレスとくと紅引く       蘭
  花見坂美男と美女の勢ぞろい       波
   のどかに過ぐる春昼の夢        亮

        首尾 2008.6.2〜7.5



写真提供はフォト蔵さん