2012年1月8日日曜日

第三千句 第五百韻『年立や』の巻


at 座・ツイッター連歌

       百韻『年立や』の巻
                     2012.1.7~1.29

発句   年立や新年ふるし米五升       新年 芭蕉
脇      垣の薺ですます七草       新年 私
第三   健康も福も笑へば其処にゐて        ね子
4      何はともあれ先ずは乾杯        風牙
5    いざ友よ今ひとたびの夢を見ん       草栞
6      春泥を撥ね駆けるグランド    春  氷心
7    ながるるは駒鳥笛の音か昼の月    春月 禾
8      茣蓙にまどろむ観梅の宴     春  私

9    なるやうになるとあしたに腹すゑて     〃
10     意訳で歌う古きシャンソン       牙
11   義父となる人の好みを調べ上げ       ね
12     彼に取らせる心太草       夏恋 心
13   手の震え悟られまいと日焼け止め   夏恋 牙
14     吹替へなしに懸崖に立つ        禾
15   サスペンス2時間ドラマ型通り       栞
16     おやつにでもと蒸かす里芋    秋  私
17   都会では味わい難い月の色      秋月 心
18     敬老の日の集ひ和やか      秋  ね
19   カラオケは合唱になり童べうた       私       
20     蛙のカノン響く渓谷       春  栞
21   疲れたる脚をさすりて花の雨     春 花 牙
22     草餅食いつ孫の出迎え      春  空秋
二オ
23   不覚にも嫁の実家に住む惣領        私
24     職場気になる日曜の夕         牙
25   繰越のできぬ有休消化して         私
26     よさこい踊りで海外遠征     秋  禾
27   望の夜は跳ねる玉兎も杵担ぎ     秋月 栞
28     いよよ秋気の満つる山ざと    秋  私
29   頼るべきよすが己の外になし        〃
30     二世議員に挑む新人          牙
31   朝虹に向かへば雨の匂ひして     夏  心
32     君を見初めし尾瀬の山小屋    夏恋 栞
33   胸元を広く開けるはサインだと    恋  牙
34     逆転サヨナラまさかスクイズ      ね
35   居酒屋で反省しない反省会         私
36     煤にまみれた三猿の額         心
二ウ
37   ジャイアンも婚活をする歳となり      ね
38     ガキ大将の消えし学び舎        牙
39   温室で育つたキュウリ行儀よく    夏  禾
40     妻のうしろに侍するスーパー      私
41   佳き女がをらぬものかと品定め    恋  心 ひと
42     口説きのテクは多分天性     恋  私
43   絆されて貢いだ果てに捨てられて   恋  栞
44     アイポッドにはいつもユーミン     牙
45   TPO散歩はお洒落の見せどころ      私
46     息を呑むよな丹頂の舞い     冬  心
47   日を浴びて光り輝く雪野原      冬  私
48     やがて霞の衣まとはむ      春  ね
49   大なゐを忘れじ花のある限り     春花 栞
50     持出袋に棒鱈とガム       春  禾
三オ
51   山歩き始めは装備ありあはせ        私
52     不意に訪ねし宿のもてなし       牙
53   丑三つに包丁を研ぐ気配あり        ね
54     明けには揚がる振売りの魚       心
55   そこここに鳥さりげなく集ふ浜       私
56     聖なる人の説教を待ち         栞
57   幼顔隠す化粧の夏休み        夏  牙
58     ハイビスカスを黒髪に挿す    夏  心
59   月桃のゆれる葉陰でくちづけを    恋  禾
60     おやの許さぬ逢瀬つかの間    恋  私
61   名作の裏に市井の実話有り         栞
62     圭三アナも逝きて十年         禾
63   万能のどうも╱╲を駆使をして       私
64     あれよ╱╲とトップ昇進        〃
三ウ
65   太閤も老いればただの子煩悩        空
66     お受験のため引越しをする       ね
67   テキサスかそれともユーロ圏内か      禾
68     ハムよりやはり好きなステーキ     牙
69   お中元迷ひ子どもに決めさせて    秋  私
70     盆に帰ると里へ一報       秋  〃
71   隠せども漏るる訛りの月の客     秋月 牙
72     把瑠都・欧州ちよんまげ結つて     禾
73   舶来の酒もこの頃安くなり         牙
74     漫画で仕入れ垂れる薀蓄        私
75   戦国の雄もイケメン競ひ合ふ        栞
76     忘れて人は過去を美化する       私
77   花の樹の下のあまたの屍よ      春花 禾
78     この世のほかにうつるかぎろひ  春  栞
ナオ
79   軍装を解きし女帝に春の闇      春  牙
80     一緒に夜の街に消えなむ        ね
81   いつまでもうぶなあなたをリードして 恋  私
82     着火剤さへあれば何とか     恋  禾
83   跳炭の危うさ知らず傍に寄り     冬  栞
84     値段につられ頼むてっちり    冬  牙
85   吊り橋の向こうに見える下関        心
86     諸行無常と吹くや浦風         私
87   白亜紀に想いを馳せる夏の暮     夏  牙
88     火星と並ぶ赤き月影       夏月 栞
89   見かけではわからぬ真の大きさは      私
90     浪人竜馬天下動かす          〃
91   船中に腰据ゑてこそ長たらん        栞
92     老いてますます短気急つかち      私
ナウ
93   小春日は春までの生願ひつつ     冬  ね
94     羽ばたく前の鶴の一声      冬  栞
95   歳だけは明治の父を追い越せど       空
96     若い気持ちの擡ぐ軟東風     春  私 もたぐ
97   下駄箱を気にしてバレンタインの日  春  牙
98     お返し怖く草餅を食ふ      春  ね
99   なべて世は呉越同舟花見船      春花 禾
挙句     飽かず眺むる清明の河      春  栞   

                           定座なし
                          __________
初折表 12345678       (1~8)   花一つ、月一~二つ
初折裏 12345678901234 (9~22) __________
二折表 12345678901234 (23~36) 花一つ、月一~二つ
二折裏 12345678901234 (37~50)__________
三折表 12345678901234 (51~64) 花一つ、月一~二つ
三折裏 12345678901234 (65~78)__________
名残表 12345678901234 (79~92) 花一つ、月一つ
名残裏 12345678       (93~100)_________

式目  
正風芭蕉流準拠十カ条
投稿用 

写真提供はフォト蔵さん

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