2012年2月6日月曜日

第三千句 第六百韻『しら梅に』の巻


at 座・ツイッター連歌

       百韻『しら梅に』の巻
                     2012.2.5〜3.6

発句   しら梅に明る夜ばかりとなりにけり  春  蕪村
脇      長き堤を渡る春風        春  草栞
第三   水ぬるむ川にエイトの澪引いて    春  私
4      部活帰りの子等の歓声         ね子
5    焼林檎の匂ひに思はず駆け込んだ   秋  禾
6      秋澄む森に妃高笑い       秋  由宇
7    ソプラノのアリア終われば窓に月   秋月 風牙
8      大和撫子ローザンヌに舞ふ       曙水

9    現代は女性時代と言ふべきか        私
10     喫煙所とて何か居づらく        牙
11   バルコニー愛を囁くこともあり    夏恋 ね
12     祇園囃子に合はせ握る手     夏恋 栞
13   心拍はバクバクバクと乱拍子        禾
13   笹舟に形見流して鈴ちりん         宇
14     おやなき里に妻子お披露目       私 両句に
15   絶滅と言われし魚の生きてをり       牙
16     年商数億メダカの学校      夏  曙
17   金色の夜叉いつの世も月涼し     夏月 禾
18     噂通りの晴れ男ぶり          牙
19   何事もなかつたやうに不二の山       栞
20     ながめ良好病室の窓          私
21   目瞑れば夢まぼろしの花盛り     春花 ね
22     蜃楼消えて波も穏やか      春  栞
二オ
23   水雲採りスローライフは暇と手間   春  私 もづく
24     また中毒をニュース伝える       牙
25   禁断の秘薬の処方破り捨て         栞
26     男はなべてアダムの末裔        曙
27   骨一本一本ほどの有難さ          禾
28     寒さ身に染み梅ぞ待たるる    冬  ね
29   目は化粧マスク同士でご挨拶     冬  私
30     鋭き技の謎のレスラー         牙
31   爪まるく肌を傷つけないように       宇
32     負はれた頃を想ふ秋の田     秋  栞
33   月あかり太極拳のゆっくりと     秋月 宇
34     有るか無きかによぎるあはれ蚊  秋  私
35   かしましく姉妹そろひて反抗期       曙
36     恋に落ちれば敵も味方に     恋  栞
二ウ
37   ジュリエット夜鳴鳥聞く晴れの床   恋  宇
38     亭主関白ゴミ出しはする     恋  ね
39   テュリャテュリャと一週間の歌くちずさみ  禾
39   憧れのペチカが付いたマイホーム   冬  曙
40     セーター編みし祖母のいるよで  冬  牙 両句に
41   なでしこは跨ぐを厭い遠回り        空秋
42     ぬかるみつづく雨後の山道       私
43   バーナムの森の木霊に惑はされ       栞
44     アイドルの歌多分口パク        牙
45   萌え文化もてぬ男の救世主         私
46     ボーカロイドはメガネじゃないのよ   曙
47   鶯の初音谷間に響く朝        春  栞
48     ほころぶ花に添ふや残月    春花月 私
49   はにかみて母に隠れし入学児     春  牙
50     蝌蚪の紐より放たれてなほ    春  栞
三オ
51   革命の高揚ののち道遥か          ね
52     使ひにくいとスマホ解約        私
53   存亡の危機に瀕するガラパゴス       栞
54     幼児と遊ぶ母の目配り         空
55   定退者公園デビューは犬連れて       私
56     ゲートボールはする気になれず     栞
57   蟻地獄妻には言へぬ出逢ひあり    夏恋 ね
58     手枕しつつながむ夕立      夏恋 私
59   傘一つ茅の輪くぐりし二人連れ    夏  牙
60     厄介払ひさらり済ませて        栞
61   スパムにはメアドを変へるのがベスト    私
62     遊牧民に憧れる日々          ね
63   北窓を開けばチョコパイ降つてくる  春  禾
63   山脈の嶺を見下ろす月の船      秋月 栞
64     遍路の宿のあついもてなし    春秋 私 両句に
三ウ
65   帳場には『文藝春秋』備へられ    春秋 禾
66     時間潰しに読む受賞作         栞
67   魚信なく他人の魚籠を見てまわる      空
68     格別うましカップラーメン       私
69   主婦なれば手抜きと言はずエコと言ふ    曙
70     自転車通勤ダイエット兼ね       ね
70     ネイルアートの色もちもよく  (恋) 禾
71   離鴛鴦身につまされる片想ひ     冬恋 栞 両句に
72     恋風疼く君は他夫        冬恋 私 ひとづま
73   留守電に何も残せず月冴える     冬月 曙
74     "光"通信時代の覇者か         禾
75   ITと言われ何やら納得し          牙
76     曖昧模糊な白酒を飲む      春  栞
77   千鳥足友が枝折りの花の道      春花 空
78     卒業証書ひよいと見せ呉れ    春  ね
ナオ
79   俺の子だ無理は言えぬと畑打ちへ   春  空
80     いまさら告るわけにもいかず      禾
81   ほゞ嘘の仲人口のこそばゆさ        私
82     身から出るのは錆か真か        栞
83   きれい寂びいつか茶人のはしくれと     禾
84     じわりとチャート上がるB面      牙
85   父さんのLP誰か引き取つて         栞
86     古きものには福があるとか       ね
87   同窓会苗字そのままあの娘居て       曙
88     美術展にと二枚の切符      恋秋 禾
89   待宵にデートコースを下見する   恋秋月 私
90     紫苑の香り今も忘れず      秋  栞
91   老も秋おそきに失す恩返し      秋  私
92     開けてはならぬ玉手箱にて       ね
ナウ
93   手に入れし酒はカポネのものといふ     牙
94     ヴァンプと呼ばれる女優は消えて    曙
95   名画座はよくぞ場末に生き残り       私
96     よごれた壁に朱き蔦の芽     春  禾 
97   麗らかな空に騙され日を送る     春  ね
98     こもりの僧も滑る春泥      春  栞
99   青芝は殊にもえ立つ奈良の花     春花 芭蕉
挙句     曲水の宴ここに極まる      春  禾 

       蕪村 一
       芭蕉 一  
       草栞 二十一
       私  二十一
       ね子 十三
       禾  十四
       由宇 五
       風牙 十三
       曙水 十
       空秋 五

                       捌き:草栞

                           定座あり
                          __________
初折表 12345678       (1~8)   花一つ、月二つ
初折裏 12345678901234 (9~22) __________
二折表 12345678901234 (23~36) 花一つ、月二つ
二折裏 12345678901234 (37~50)__________
三折表 12345678901234 (51~64) 花一つ、月二つ
三折裏 12345678901234 (65~78)__________
名残表 12345678901234 (79~92) 花一つ、月一つ
名残裏 12345678       (93~100)_________

式目  
正風芭蕉流準拠十カ条
投稿用 

写真提供はフォト蔵さん

0 件のコメント: