2010年7月12日月曜日
連歌百韻『近づいて』の巻
class:
連歌俳諧
#jrenga 連歌 俳諧 連句
百韻『近づいて』の巻
2010.6.27〜7.16
1 発句 近づいてはなれて静か花菖蒲 百 夏
2 脇 曇天低くつばめ飛び交ふ 春蘭 夏
3 第三 古里へ先を急がぬ旅をして 百
4 高速降りて寄る道の駅 草栞
5 仕訳け人これでいいのだ野菜買う 百
6 見てくれよりも中身肝心 蘭
7 月ならで餡を気にせり三笠山 栞 秋月
8 鹿に聞き入る留学の僧 百 秋
ウ
9 忍草便のなきままうち過ぎて 蘭 秋
10 見合話に心乱れる 栞 恋
11 任務あり封印をする恋心 百 恋
12 生還むなし君は人妻 蘭 恋
13 熱情も消え復讐の鬼となり 栞 恋
14 色即是空ついに悟れり 百
15 地球とて宇宙の隅の星の屑 蘭
16 ジャズナンバーを聴けば月冴ゆ 栞 冬月
17 誰彼と踊りあかして忘年会 百 冬
18 蝋燭の赤ひとり点して 晶子
19 妖怪も驚くほどの貧に堪へ 蘭
20 楽しみながら摘み草をする 百 春
21 乙女らも花見の宴に加はりぬ 栞 春花
22 若い衆競ひすすむ独活和へ 蘭 春
二オ
23 遠足の弁当褒めてくれるかな? 栞 春恋
24 彼と同班A子きがかり 蘭 恋
25 逢引を見つけ手紙を破り捨て 栞 (恋)
26 七夕飾りと川面へ流す 晶子 夏
27 骨肉の貸し布施銭と鳧つけて 蘭 夏
28 簿外資産は帳消しとなり 栞
29 送金は地下銀行の口座より 百
30 まじで夢見る世界征服 蘭
31 秋葉系軍事オタクの成れの果て 栞
32 夜の半仙戯腰掛けたまま 百 春
33 おぼろ月単身赴任はまだ三日 蘭 春月
34 ミモザ満開ブローニュの森 百 春
35 ピクニック名画真似して草の上 栞
36 打ちそこないもまじる鐘の音 蘭
二ウ
37 人妻と夕べのミサで偲び逢う 百 恋
38 偽りの愛悛ひて涙す 栞 恋
39 ふたまたの相手は彼があまたにて 蘭 恋
40 我にかえれば水澄めるなり 百 秋
41 息あがり足はあがらぬ秋の山 蘭 秋
42 木の実拾ってシノアな部屋に 百 秋
43 廻り込む嫦娥の影もやはらかく 栞 秋月
44 あるかなきかに光る哀れ蚊 蘭 秋
45 口蹄疫の伝播おさまる宮崎県 百
46 千々の想ひは国に届くや 栞
47 ほんたうの攘夷は力をつけること 蘭
48 入学試験湯島で祈願 百 春
49 花便り隣の絵馬の友と聞く 栞 春花
50 今年はまれな山の残雪 蘭 春
三オ
51 ほととぎす棚田を広く輝かす 百 夏
52 ザリガニ捕りに子らは夢中で 栞 夏
53 名栗川をちこちけぶるBBQ 蘭 夏
54 巨樹名木を知る人ぞ知る 百
55 山道に色づく木々を見あげたり 晶子 秋
56 簑虫の鳴く庵寂しき 栞 秋
57 月と酒きどる孤高の友とせむ 蘭 秋月
58 畳一枚起きてもひとり 百
59 逆玉に憧れつつも当てはなし 栞
60 だんだんゆるくなりし条件 蘭
61 蕎麦打ちの弟子入り修行達磨いて 百
62 匠の技に手も足も出ず 栞
63 名物の茶杓写して削る竹 蘭
64 囲炉裏開きて煤竹作る 百 冬
三ウ
65 垢落し柚子湯に浸かり一磨き 栞 冬
66 大志秘めたるひなの美丈夫 蘭
67 意気込みは直木賞などうららけし 百 春
68 佳人麗句に募る春興 栞 春(恋)
69 花見でも世紀の恋の話題にて 蘭 春花恋
70 愛の館を出るに出られず 百 恋
71 望郷の念掻き立てに父来る 栞
72 えんぴつ書きの母の仮名ぶみ 蘭
73 恙なく御身おらせよ月清か 百 秋月
74 天子に捧ぐ処暑の挨拶 栞 秋
75 はとバスのガイドの健気身に入みて 蘭 秋
76 訳あり部屋でがまんしており 百
77 サッカーも淋しく一人ビューイング 栞
78 矢鱈声出し小腹減りけり 蘭
名オ
79 着膨れておでんを買いにコンビニへ 百 冬
80 いつもの彼女いるクリスマス 栞 冬(恋)
81 異端では花嫁といふマグダレネ 蘭 恋
81 さだかなる固めなきまゝ許嫁 蘭 恋
82 ふかーくあいしながくつれそう もも 恋
83 浅はかにゑひて約束するなかれ 栞
84 揚げ足とって煽るマスコミ 蘭
85 八本をすべて当てれば文句なし 栞
86 片肌脱ぎの立射凛々しき 蘭
87 ロビンフッド今ぞ恨みの矢を放つ も
88 のさばる悪は仕置するまで 栞
89 謹慎じゃぁ痛くも痒くもないだろう 蘭
90 後の出替りしたばかりでは も 秋
91 ありがたく月見団子を頬ばりて 栞 秋月
92 雑草ガーデンすだく虫の音 蘭 秋
名ウ
93 髪染めてゴールド免許スピード狂 も
94 助手席降りて脚がふらふら 栞
95 テイクオフ!セスナでめぐる珊瑚礁 蘭
96 何時か行きたい夕陽ながめに も
97 暮れなずむ街はずれより戻り来て 栞 春
98 休耕田に雉子みえかくれ 蘭 春
99 初花の見まごうばかり朝日出で も 春花
挙句 お蔭参りの支度整ふ 栞 春
※同じ番号の句はことわりがなければ最後の句に次の番号の句が続いたことを示す。
千句:十百韻の第二百韻
オ 123456月8 (1〜8)
ウ 12345678月012花4 (9〜22)
二オ 123456789012月4 (23〜36)
二ウ 12345678月012花4 (37〜50)
三オ 123456789012月4 (51〜64)
三ウ 12345678月012花4 (65〜78)
名オ 123456789012月4 (79〜92)
名ウ 123456花8 (93〜100)
式目
作法:正風芭蕉流準拠十カ条
写真提供はフォト蔵さん
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