2010年7月17日土曜日
百韻『長廊下』の巻
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連歌俳諧
#jrenga 連歌 俳諧 連句
百韻『長廊下』の巻
2010.6.30〜7.17
1 発句 長廊下ごとりと寝入る蝉時雨 夏 がじゅまる
2 脇 まづは木の葉の告げる夕立 夏 私
3 第三 さくさくと足下かろき遊歩道 彼郎女
4 更待月を待てど空しく 秋月 玄碩
5 子と共に食ひ尽くしたる栗や豆 秋 氷心
6 テストパターン映る朝寒 秋 不夜
7 目で追うも影だけ残すジョウビタキ 秋 海霧
8 笛に誘はれ行く村芝居 秋 草栞
ウ
9 越後獅子山路ふみわけ急ぎをり 百
10 思ひのほかに遠き鞍馬よ 私
11 繰り返すGPSの合成音 不夜
11 好いひとを雪がへだてる露天風呂 冬恋 氷心
12 ここにいるわと氷柱で合図 冬恋 栞 (両句に)
13 囚われし姫居る塔の朧なる 春恋 がじゅまる
14 リボンの騎士の駆るは若駒 春 不夜
15 シチリヤの花を散らしてタンクレディ 花 百
16 いづれしぶさのよさわかるらん 私
17 舌でなく喉で飲めとや缶ビール 私
17 古道具素性は実はゴミの山 私
18 汗の一日終へて腑抜けに 夏 不夜(両句に)
19 竹婦人冷たくなって待ってます 夏 百
20 夫はわたしに母をみてゐる 私
21 書斎より計ったやうにお〜いお茶 不夜
22 依存体質変へるのは骨 私
二オ
23 我が祈願キャリーオーバー年越して 新春 私
24 リターンマッチを誓ふ松すぎ 新春 不夜
25 東風吹きてやけ棒杭に火が点きて 春恋 がじゅまる
26 嬉し恥ずかし老いらくの恋 恋 玄碩
27 さりげなく統一感でペアルック 恋 私
28 時に訪ねる阿吽の仁王 海霧
29 あをによし寧楽の都の遷都祭 栞
30 バス乗り継いで自転車を借り 百
31 岩鼻に我も真似せむ月の客 秋月 不夜
32 おもはず口に尾花一本 秋 私
33 騙し合ひ果てるともなく露に濡れ 秋 栞
34 先陣競ふ生食磨墨 百
34 素鞍の青を包む朝霧 秋 氷心
35 満々と長江の面冬近し 秋 海霧
36 租界守れと並ぶ砲艦 不夜
二ウ
37 楽しみは夕食後の酒保開け 氷心
38 外人部隊明日を知らざり 不夜
38 無礼講ゆめこころ許すな 私
39 いずこより機密事項が洩れたやら 彼郎女(両句に)
40 なりすましには注意あそばせ 栞
41 あめんぼうおのれは蜘蛛か馬なのか 夏 氷心
42 青鷺じつと池面うかゞふ 夏 私
43 夏暁の陽昇るごとくに立ちにけり 夏 がじゅまる
44 揃ひの寝巻きで宿前の浜 私
45 号令は竹刀片手の鬼コーチ 不夜
46 家に帰れば満点パパで 百
47 逢引を重ね浮名を流したり 恋 栞
48 わが子の父は妻の愛人 恋 蘭
49 あらだてゝ地獄見るより知らんぷり 私
50 浮世くらませ散る花の蔭 春花 がじゅまる
三オ
51 猫の子と遊ぶ画伯は坊主刈 春 不夜
52 老いの春にて娶る新妻 春 私
53 婿殿も紋付袴新調し 恋 百
53 末の児も無事に大学卒業し 春 彼郎女
54 期待ふくらむデジタルネイティブ 栞
55 飯だけは三度三度を定時刻 氷心
56 切羽詰まればわざと懲役 私
57 網笠の瓶底めがね枯野行く 冬 不夜
58 しぐれてなにも見えぬふるさと 冬 氷心
59 洋館の裏にはたしか詫助が 冬 海霧
60 主人なき庭色々の満つ がじゅまる
61 ゆふされば蛍の生ふるやへむぐら 夏 私
62 飽かず眺むる短夜の月 夏月 栞
63 あがひざを枕にをとこねまるなり 恋 氷心
64 縁と思へばにくさいとしさ 恋 不夜
三ウ
65 じゃじゃ馬を馴らしたはずが馴らされて 私
66 老舗の系譜婿の代々 がじゅまる
66 カウボーイもとメジャーリーガー 不夜
67 仕込まれて大食いになり廃業す 百
68 どすこい根性役に立つらん 私
69 雨のたび崩れし巣口なほす蟻 夏 私
70 賽の河原に積む石の数 不夜
71 すれ違ふツアー登山の列長く 私
72 日もとっぷりと暮れ道遠し 栞
73 独り身のどこか落ち着くネットカフェ 百
74 作家きどりでリレー小説 私
75 入力の画面に落花二三片 春花 不夜
76 朧な松に一句つぶやく 春 私
77 望の夜に手枕なんて夢ばかり 春月恋 栞
78 汝れ酔ひつぶれ我れゑひもせず 恋 私
名オ
79 常になく愛い奥さんは超肥えて 恋 氷心
80 神に捧げるフラは海辺で 海霧
81 豊年の来る方より風の吹く がじゅまる
82 季節感なき市の食材 不夜
83 もちまるめ万作祝ふも雑のうち? 千
84 幕間芸にて人間国宝 私
85 なにごとも日々精進の積み重ね 私
86 滅私奉公報はれずとも 栞
87 我が命ささげ今さら悔ひもせず 彼郎女
88 ゲリラ豪雨のメール警告 百
88 大海となれ一滴の水 私
89 オフィス街色とりどりの傘の行く 不夜(両句に)
90 あしもとみつつわれつゆ知らず がじゅまる
91 「満月が綺麗ですよ」とメールあり 秋月 彼郎女
92 秋の七草葛たらずとも 秋 百
名ウ
93 荻のこゑせめて飾らん庵の床 秋 私
94 名残を惜しむ風炉もやつれて 秋 栞
95 入院をあすに控えた日曜日 氷心
96 空気察すや猫のまつはる 私
97 公園の植ゑ込みまでも花筵 春花 私
98 風船売の声はハスキー 春 不夜
99 春泥は子犬を抱いて初散歩 春 百
挙句 空見上ぐれば鳥雲に入る 春 彼郎女(執筆)
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