at 連句KUSARI
70億人絆問われる
黙々と引っ越してゆく蟻の道
年金と常に相談忘れずに
大向こうにて歌舞伎通ぶる
未読メールの数は三桁
山籠りして変わりしは無精髭
泥鰌の顔をしみじみと見る
店構え客あしらいも味の内
桜島まで駆け抜ける恋
青春は無知が特権トライアル
連れの者弘法大師と笠に書き
無理はいかんと医者に止めらる
青空のピーヒョロロとは鳶のはず
這いつくばって庭の草取り
私を拒む細い指先
触れもみで道説くきみは君子にて 没
国宝と言われる程の技を持ち
にらみが効かぬ息の夜遊び
美しい青翳りゆくエーゲ海
再会約す船上の恋
約束は薄紅色の花の下
あふるゝごとく流る大川
鏡の中のおのれ見つめる
てて親に姿ばかりか似た仕草
孫バカの入学祝奮発し
わが幸福度中ぐらいなり
觀音菩薩描く御念珠
身軽にと旅の持ち物絞り込み
これまでに泣かせた男数知れず
まことしやかにかたる身の上
歓迎のフラは心の揺れのごと
格安ツアーで新婚の旅
☓4でとても幸せ子沢山
もらう手当はみな貯金する 没
寝待月母美しく年重ね
聴き分けめでる庭の虫の音
あれもこれもと僕は食べたい
お酉さま熊手を買ったことはなし
うす紅の芙蓉咲き初め夏さりぬ
やゝ静けさのもどる鎌倉
巡回の省エネ奉行の靴が鳴る
蒲団にもぐりながら勉強
屋根で待つ臼の役割とどめさし
ねんがら年中買える切り餅 没
屋根で待つ臼の役割とどめさし
飛び石替えて茶事の演出
クリスマスプロポーズありの予感して
揺らぐこころよ彼は年下
大漁歌うこぶし回して
ありがたや山の恵みの茸汁
フォトコンの締め切りまでの日を数え
気を入れ直すコーヒーブレイク
あれやこれやと選ぶ駅弁
研修と視察は遊山と同義なり
すぐ傍にある幸せと言う宝
黙ってお茶を淹れて出す妻
あっという間に過ぎて行く春
千年の花のしずくに立ち濡れて
紅葉寺書院のテープ声に張り
ライトアップに白む月影
ライトアップに白む月影
めづらしや古妻寄り添ふミレナリオ 没
山茶花通りにできた帽子屋
木枯らしにけふは任せん落ち葉掃き
修行の辛さ報われる時
蕎麦通のやまい嵩じて鄙に店
イケメンの笑顔につられ買い込んで
無理は承知の若作りする
静かに流れる美しい歌
難ルート登頂果たしにぎり飯
はらはらと黒髪に散る六つの花
まにまに萌える若菜摘む野べ 没
空海が密教求め唐へ行く
帆は風はらみ離(さか)る島影 没
朝になり熱い味噌汁頂いた
作り笑顔の友の新妻
オンリーワンの教育の是非
幼児画がピカソに見える審美眼
意外にもお祭り騒ぎの好きな彼
酒でチャックがゆるみ饒舌
広すぎる部屋猫とくつろぐ
廃校を借りて工房兼ギャラリー
断捨離された思い出の品
ゴミ漁りほくほく顔で父帰る
国賭けて咸臨丸は洋上に
野にある臥龍今ぞ世に出よ
ツケマぱちぱちネイルばっちり
値踏みする視線はきつし場末バー 没
一言に心をこめる年賀状
自虐気味なる俳句川柳
自虐気味なる俳句川柳
”無職”とは定年者には酷な名よ
不況円高放射線量
賽銭は小銭のくせに多い願
突っ張り棒はパワー全開
押入れをクローゼットにプチ改修
どっしりと立つ大黒柱
落人の郷はしろがね雪見の湯
カンマピリオド眼鏡光らせ
なにかしら天賦の才を誰も持つ 没 サンドイッチ付け
ゴーストライター回顧録書く
硯の海に浮かぶ花びら
一文字に念をいれつつ写経する
紅いお盆にうさぎ饅頭
自己流で自作茶碗に茶を立てる
聞きもせぬのに語る蘊蓄
無い袖を振る巨大なカジノ
香港のパックツアーはあわただし
土産詰め込み鞄パンパン
漂流の果て見えた島影
仏道を求める国ははるかなり
連句に興じ何も決まらず
年用意口だけは出す亭主にて 没
iPhoneジョブズに送るこの写真
永遠に君を忘れないから
なにもいらないが妻の口癖
うつりゆく自然に合わせ生き暮らす 没
なにもいらないが妻の口癖
四十から齢を忘れたふりをする
走るアンカー長い鉢巻き
マドンナに何をやっても叶わない
ジャンケンポンのゴミ出し係り
何の日かまず確かめるカレンダー
冬籠家族の団欒なつかしく
火鉢の網に餅のふくるる
耳に残る異国の丘の歌遥か
およそ平和な御代を言祝ぐ
ペンギンがうろうろ歩く動物園
さっとカメラが砲列を敷く
グルーミング邪魔なんだよと引っかかれ
みなで取り合うママの懐
目眩がしそうきみの曲線
今夜こそプロポーズせんクリスマス
後ろ手に持つ薔薇の花束 没
雪は静かに駅に舞い降り
おいそれと寄れぬ不義理のふるさとよ
年賀状みなパソコンで打つ
情報の伝達いまやメールが主
情報の伝達いまやメールが主
通勤電車だれもうつむく
千差万別花の色さへ
観ず嫌い次第にはまる宝塚
観ず嫌い次第にはまる宝塚
ダフ屋と間違えられてがっくり 没
福寿草二輪にこやかに咲く
負の連鎖いざ断ち切らん去年今年
思っても思い届かぬもどかしさ
義理チョコ装い付ける短文 没
思っても思い届かぬもどかしさ
女度胸でメール送信
目安箱どぼん承知のご提案 没
瞬いている数え日の星
クリスマス別に普段と変わりなし
リバーシブルの流行る政界
団結は共通の敵倒すまで
夫婦喧嘩を止めるゴキブリ 没
一年の締めのレースに舞うお札
背を丸くして駅までの道
ほほえましパパを見送る乳母車
浴衣姿は僕だけのもの
アマゾネス団体の旅温泉場
カラオケ半ば合唱となる
懐かしの歌声喫茶店じまい
壁に絡まりもみぢする蔦
両手に受ける青き滴り
頂きを仰げば遠し雲の峰
いそいそと打ち掛けのままお床入り
白黒つかぬ囲碁の熱戦
あの人は何年たっても恋敵
夫に色目を遣うめぎつね
飛行機が轟音の中ランディング
逢えぬからこそつのる遠恋
百人の友だちできて大世界
日々のブログにし合うコメント
明日への糧は悲しみと笑み
上積みは最後と会社見限って
初夢が見たくて二度寝してしまい
駅伝すでにレース終盤
今年はなんとかメタボ克服
神仏は己が決意を伝える場
油断されるな軽い春風邪
あわゆきの野辺に草つむ乙女らよ
今日はツイてるまたも確変
アンカーはおかま走りで区間2位 没
疲れるばかり父の連休
モールにて待てど戻らぬ女ども
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