第四千句第三百韻 #jrenga
百韻『初御空』の巻
2013.1.2〜1.13
発句 初御空鴉はいつも自在なり 真葛 新年
脇句 淑気満ちたる白銀の富士 春蘭 新年 しろがね
第三 獅子頭蔵開けたれば陽を浴びる ね子 新年
4 町おこしにと祭り復活 蘭
4 おぼえず酔ひの回るきき酒 〃
5 深更に正座して聴く秘伝あり 滋音 両句に
6 弓張月の行方追ひかけ 草栞 秋月
7 新蕎麦を粋にたぐりて寄席帰り 曙水 秋
8 店主こころ得秋袷褒む 葛 秋
8 扇忘れし客は二代目 風牙 秋
ウ
9 座敷より眺むる溪を紅葉染め 玄碩 秋 両句に
10 錦の帯締め秋の吉日 水 秋
11 松風の耳に清しく居を直し 蛉
12 しのぶ栄華は夢の城あと 蘭
13 定年後世界遺産に想い馳せ 牙
14 夏至のローマに二人落ち合ふ ね 夏恋
15 ライバルもひしめき恋のさや当てか 栞 恋
16 君は知らじな桑田清原 水
17 蛮勇を部下に自慢のガード下 牙
18 思はぬ方に落し穴あり 葛
19 子が出来て構ってくれなくなった妻 蘭
20 ダイエットする決意固める 音
21 雲海に昇る朝日の花照らす 牙 春花
22 春嶺遥か八重に連なり 栞 春
二オ
23 通学の自転車のベル夏近し 碩 春
24 サンキュと云へばサンキューと云ふ 葛
25 円満の秘訣は笑顔と忍耐と ね
26 月末に見るカード明細 牙
27 ケ・セラ・セラ江戸っ子気質はやせ我慢 蘭
28 掛け算九九は風呂で覚える 牙
29 あこがれの一人一部屋一戸建て 蘭
30 みかん食べつつテレビ三昧 葛 冬
31 未だ見ぬ寺より響く除夜の鐘 栞 冬
32 これも煩悩ねこを侍らす ね
33 両の手に紙袋下げ入るカフェ 蘭
34 日当貰いシャワー使える 牙
35 夏の月リゾートバイトは海の家 蘭 夏月
35 洗い髪振り向く君が眩しくて 水 夏恋
36 虹を指しつつ初な告白 栞 夏恋
二ウ
37 ポケットに入れし詩集の紙魚の跡 牙 夏
38 話が弾む職務質問 ね
39 高跳びの自慢噺は封印し 葛
40 五輪招致につきまとう影 牙
41 好景気望まぬ人は居らぬらん 蘭
42 ジュリアナ世代今や美魔女に 水
43 若返りこそ人間の永遠の夢 蘭
44 iPSに賭けてみようか 栞
45 秘中の秘あなただけにと囁かれ 牙
46 春競馬にて狙ふ大穴 ね 春
47 風邪っ気も吹き飛ばしてや花吹雪 蘭 春花
48 ツンと抜けたる山山葵の香 牙 春
49 朧夜の回転寿司にトロを食ふ ね 春
50 カネの話はひとに任せて 葛
三オ
51 腕利きの職人気質衰へず 栞
52 老舗と本家張り合いて居り 水
53 暖簾にはかからぬようにと水を打ち 碩 夏
54 小僧十三甘味恋しき 蛉
55 毘沙門天を右に折れれば石畳 牙 びしゃもん
56 ロケ地効果を皮算用し 水
57 リゾートに突如戦国館でき 蘭
58 フリーパス持ち西へ東へ 葛
59 枯菊を残して消えた男追ひ ね 冬恋
60 待伏せ辛き寒の有明 栞 冬月恋
61 ひとげ無き氷湖に残る穴二つ 牙 冬
62 悪童まえにつづく怪談 葛
63 草廬出て大路日課の辻説法 蘭
64 荷駄も歩みを少し緩めて 碩
三ウ
65 少しだけ横顔見せた異邦人 栞
66 モロッコ革のカバー手擦れて 水
67 背伸びする父の書斎のウイスキー 牙
68 親の旅中に友と留守番 蘭
69 待ち受けの画面はなぜか猫ばかり 葛
70 ブログに綴る人気スイーツ 牙
71 結界を囃し虚ろになりにけり 蛉 はやし
72 見返り柳ゆれる後朝 蘭 恋
73 南風見せるうなじはか細くて 碩 夏恋
74 海霧に汽笛の咽び泣くとや 栞 夏 じり
75 六十路坂初クルーズに漕ぎ着けて 蘭
76 恐る恐るのタンゴステップ 葛
77 花形となりし片鱗窺はせ 栞 雑花
78 匠究めて深き眼の人 蛉
ナオ
79 泥沼流さわやか流とも呼ばれけり ね
80 番狂わせと言えぬ風格 牙
81 勝越しに斗酒まだ辞せぬ午前二時 碩
82 手水の窓を中天の月 蘭 秋月 ちょうず
83 回廊を渡れば菊の馥郁と 牙 秋
84 春日の杜に鹿の群れなす 栞 秋
85 やはらかき煎餅好むばばと孫 葛
86 障子を透し届く小春日 碩 冬
87 川の字の天井躍る影絵かな 蛉
88 生謳歌する如く啼く蝉 蘭 夏
89 短夜をともに過せる終の刻 栞 夏恋
90 肩抱きくれし御手の恋しき 葛 恋
91 通学路メニュー変わらぬ喫茶店 牙
92 卒業写真ひとりわからず 水
ナウ
93 自分史で賞を狙ってネタ集め 蘭
94 こんぐらかりし編みかけの糸 葛
95 縁側に猫は寛ぎ毛づくろひ 蘭
96 苔むす石はやや陽溜まりに 蛉
97 水温む頃となりしや潦 栞 春 にわたずみ
98 逃げる蝌蚪追う子のはしゃぎ声 牙 春
99 早咲きの花を門出に栄転す 水 春花
挙句 ますます高く上がる風船 ね 春
・・・経過は
※定座は守っても守らなくてもよい。四花四月〜七月。
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初折表 123456月8 (1〜8) 花一つ、月一〜二つ
初折裏 12345678月012花4 (9〜22) __________
二折表 123456789012月4 (23〜36) 花一つ、月一〜二つ
二折裏 12345678月012花4 (37〜50)__________
三折表 123456789012月4 (51〜64) 花一つ、月一〜二つ
三折裏 12345678月012花4 (65〜78)__________
名残表 123456789012月4 (79〜92) 花一つ、月一つ
名残裏 123456花8 (93〜100)_________
作法式目
付け転じ方
写真提供はフォト蔵さん
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