2012年11月4日日曜日
第四千句第一百韻『風渡る』の巻
百韻『風渡る』の巻
2012.11.3〜11.25
発句 風渡る大川端ややや寒し 秋 東狂人
脇 屋形の窓にゆれる月影 秋月 春蘭
第三 秋扇走り書きせし日付にて 秋 風牙
4 主が替はれば反古となるべし 草栞
5 居抜きにて蕎麦屋始める定年後 曙水
6 ヘッドハントかひそひそ話 ね子
7 板わさをツマミ聞き耳そばだてて 坦庵
8 こよひは冴えてきかぬ安酒 蘭
ウ
9 使い捨てカイロ探しにコンビニへ 冬 栞
10 つい試したし季節限定 牙
11 祭りには浴衣の似合ふ細面 夏恋 ね
12 あの娘と同じ着メロに替え 恋 水
13 午前二時貨物列車の通過音 碩
14 実家の枕かたく寝倦み 蘭 ねあぐみ
15 弟と会話途絶えて幾久し 牙
15 掛け違うボタンに気付く服古し 牙
16 流行りの店は光眩しく 碩
17 新鮮なネタは一周せずに消え 栞
18 売れっ子芸人CMで知り 水
19 京ならで何処に咲いても花は花 春花 ね
20 だらりの帯をほどく朧夜 春 牙
21 春の月またぞろもたぐ徒心 春月恋 蘭
22 ヒュアキントスを狙ふゼフュロス 恋 栞
二オ
23 少年の顔美しく憂国忌 冬 牙
23 手づくりの栞挟みて画集貸す 牙
24 夫を残し趣味友と茶話 蘭
25 捨てるならオークションにかけてから 水
26 ガラクタもんが威張る押し入れ 蘭
27 窓のそと山は若葉の頃となり 夏 碩
28 出来は上々黒糖梅酒 夏 栞
29 これからは心のリッチで生きましょう 蘭
30 田舎暮らしも三年になり ね
31 だんだんと増えしアクセスブログ書く 牙
32 証明された褒めて伸ばそう 水
33 これでイグ・ノーベル賞も夢でなし 栞
34 誤認逮捕の嫌疑晴れれば 碩
35 久し振り職場復帰の照れくさく 蘭
36 月代となり急ぐイクメン 秋月 牙
二ウ
37 秋刀魚焼く隣も同じスーパーか 秋 水
37 待ち伏せの罠仕掛け終へ女郎花 秋 ね
38 物の音澄んで恋の始まり 秋恋 栞
39 ボーカルとギター羨むベースマン 恋 牙
40 振り向かせんと繁きイメチェン 恋 蘭
41 受付の笑みはまぶたに焼き付いて 恋 碩
42 記憶おぼろで白紙解答 水
43 国会の証人喚問ぬらくらと 蘭
44 入院といふ奥の手のあり ね
45 サボり癖寝坊ついでに名画座へ 牙
46 会議続きで士気はあがらず 水
47 春泥に捉はる岐路の運だめし 春 栞
48 故意の留年やめて卒業 春 蘭
49 花のした交わす盃ほろ苦く 春花 碩
50 独活の調理に頭悩ます 春 ね
三オ
51 たいていのことはネットで早わかり 蘭
52 したり顔にて語る蘊蓄 牙
53 背景はいつも書棚でインタビュー 水
54 日の傾きて塞ぐ北窓 冬 栞
55 八面と六臂出でたる鍋奉行 冬 碩
56 忘年会も業務とぞ知れ 冬 蘭
57 喧騒を離れて一人隠れ家へ 牙
58 政治判断迫られてをり ね
59 東大も願書出すのは構いなし 水
60 寄るか寄らぬか迷う大門 碩
61 盛り塩に打ち水かくる粗忽者 夏 牙
62 見守るやうな月涼しくて 夏月 栞
63 うごく児に隈なくまぶす天花粉 夏 蘭
64 白無垢を着る日も近からん ね
三ウ
65 二年ぶり故郷を染めし山紅葉 秋 碩
66 鬼無里の里に落ちるどんぐり 秋 水
67 強者もころりと眠る猴酒 秋 栞 ましらざけ
68 囲炉裏に残る鰍香ばし 秋 牙
69 夜長ゆゑ民話の月を思ひ出づ 秋月 ね
70 利己から利他になるはむづかし 蘭
71 行き帰り立ちて通勤メタボなり 牙
72 横目で見ては過ぎるケーキ屋 碩
73 クリスマス・キャロル虚しくリフレイン 冬 栞
74 煩悩止まず除夜の鐘聴く 冬 ね
75 鋤焼の肉もいよいよ最後にて 冬 牙
76 花やかながら響む女子会 雑花 蘭 どよむ
77 背伸びしてスカイ・ラウンジ初デート 恋 蘭
78 アプリで占う恋の行く末 恋 水
ナオ
79 顔緩む農夫の上に春の雲 春 碩
80 分譲地にも初雲雀啼く 春 栞
81 麗日に揺られ各駅停車にて 春 水
82 堤一面染める菜の花 春 牙
83 先に立つ犬に散歩をさせられて 蘭
84 埋蔵金に淡い期待を 栞
85 「増税はしません」といふマニフェスト ね
86 今年二度目の挑む禁煙 牙
87 着ぬままのゲバラのTシャツ捨てきれず 夏 水
88 歳に折り合ひつかぬ還暦 蘭
89 客船でまさかふたたびハネムーン 碩
90 タイタニックを真似て麗らか 春 牙
91 長かりし日陰の氷解くるらん 春 栞
92 土手はをちこち摘み草のひと 春 蘭
ナウ
93 大海を果てと定めし花筏 春花 牙
94 小党あまた離合集散 蘭
95 過疎の街詮無く駅舎で雨宿り 水
96 包丁を研ぐ音の聞こゆる ね
97 三十路過ぎできた彼女は肉食系 碩
98 縦縞シャツは標的にされ 栞
99 若芝を駆ける子の先ボール跳ね 春 牙
挙句 追ひつ追はれつ胡蝶よこぎる 春 蘭
・・・経過は
※定座は守っても守らなくてもよい。 四花四月〜七月
初折表 123456月8 (1〜8) 花一つ、月一〜二つ
初折裏 12345678月012花4 (9〜22) __________
二折表 123456789012月4 (23〜36) 花一つ、月一〜二つ
二折裏 12345678月012花4 (37〜50)__________
三折表 123456789012月4 (51〜64) 花一つ、月一〜二つ
三折裏 12345678月012花4 (65〜78)__________
名残表 123456789012月4 (79〜92) 花一つ、月一つ
名残裏 123456花8 (93〜100)_________
式目
正風芭蕉流準拠十カ条
投稿用
写真提供はフォト蔵さん
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