せい出して蝶舞へ翌は十五日 相我 春
朝顔も蒔く春風も吹 一茶 春
うすがすみほろ味噌うりに始りて ろ芳 春
車法度と書るかり橋 が
有明の月にすじかふ壁の穴 春甫 秋月
なぐさみがてら衣打也 茶 秋
ウ やよやまて其柿買んよしの馬 茶 秋
忍ぶたよりに植る松の木 我 恋
来るとしも古き都になぶられて 甫 恋
雪でつくねし那古の観音 茶 冬
世中はたゞ丸かれとなく烏 我
客の馳走にいぶす豆殻 甫
湖の月のてら/╲涼しさよ 春和 夏月
見て居るうちにひらく姫百合 きくと 夏
鼓打て終に吃を直す也 看薺
いせの勅使を送る山駕 我
仮小屋の貧乏樽に花咲て 茶 春花
雛の市のはや過にけり 和 春
ナ 鴬にいさゝか鞠を蹴ならひぬ 和 春
寿永二年の夢がたりして 我
ねんごろに朝な/╲のかし小袖 甫
肴の安いみのゝ大垣 茶
只たのめ草の中でも鐘が鳴 和
ざぶととび込居風呂の月 我 秋月
秋風に昔歌舞伎がはやる也 茶 秋
硯へこぼす刈かやの露 薺 秋
嬉しさに諏訪の御灯吹けして 我 恋
妹が名にせようね火香具山 茶 恋
離家に梓の声の細々と 薺
しぶ/╲晴る空の夕暮 甫
ナウ 五六人酒塩とりに舟さして 茶
芥けぶりも春は来にけり 我 春
たのしさは赤土染の花衣 茶 春花
茶つみの唄を二ツ覚る 我 春
暖さうに南下りの片山家 茶 春
かまくら殿を祭る酉の日 ろ
引用:『一茶の連句』高橋順子
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