2010年5月23日日曜日

連歌百韻『蚊柱を』の巻


座・ツイッター連歌 @zrenga 2010.5.17〜5.23 #jrenga 連歌 俳諧 連句 
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発句  蚊柱を三つ四つ抜け散歩かな     夏  ふない
脇     水かさ痕を残す五月雨      夏    私
第三  橋桁の影は流れにゆらゆれて         不夜
4     タイムトラベル否応もなく       細葉榕
5   手帳には消化しきれぬスケジュール     リュウ
6     いつしか気付く秋の夜は更け   秋   草栞
7   新月の百鬼夜行の見えぬ脚     秋月    百
7   ジョギングの家路を月も右左    秋月   氷心
8     芋煮準備に気をとられつつ    秋  彼郎女(7の両句に)

9   東京さ行ったわがいしゅあがぬげて       私
10    ベンツ転がすアスコットタイ       不夜
10    ガ行鼻濁音耳朶を虜に         リュウ
11  都都逸を習ってみるかと工学士        玄碩(10の両句に)
12    打ち上げ延期朝寝朝酒         細葉榕
13  指呼点呼もんじゅ臨界なゐ怖し         百
13  屁をひればおうそうかいと応へ有り     リュウ
13  三尺の玉に秘策を込めたるも         不夜
14    刹那の内に闇へ返れり         ふない(13の全句に)
15  月煌々写経に励む冬安吾      冬月  リュウ
16    墨の香りに雪の降り初む     冬   不夜
17  お歯黒をしたみたいねと君が言う   恋  彼郎女
18    身八つ口から忍ばせる指     恋  リュウ
18    恋の修験も険しからずや     恋    栞
19  生贄の姫に恋するをろちかな     恋   不夜
19  写真家のアシスタントに得多く        氷心(18の両句に)
20    引き立て役になるも一興        リュウ
21  みちのくの花をあるじに連座して  春花    私
22    共は日記をつける春宵      春   不夜
二オ
23  履替る腰に草鞋と蓬餅        春    百
24    同行二人護摩の灰でも         リュウ
25  仏法は悪人さへも救ふとや           私
25  清濁を併せ持ちたるひととなり        氷心
26    もはや童のままでいられぬ       彼郎女(25の両句に)
27  迫り来る社交界へのデビューの日       不夜
28    眠りを覚ますは鹿の鳴く声    秋  細葉榕
29  おののきて肥える身計るデジタル計  秋   海霧
30    はじかみの茎赤く染まりぬ    秋  ふない
31  裏木戸の輪鍵をとめる太い釘          百
32    御簾を透かして白き手招き    恋    私
33  名の立つをはばかる身こそ悲しけれ  恋   不夜
34    堪えしのびつつ丈くありたし   恋    栞
35  炎ゆる月告げたきことば投げ上げて 夏月恋 リュウ
36    夕凪の砂君のなを書く     夏恋    百
二ウ
37  切符きる制服の目に薄笑ひ          不夜
37  南海の島に遺骨を探す旅            私
38    マヒマヒといふ魚を喰らふ       細葉榕
39  丁髷が外ツ国人に気に入られ        ふない
40   「コノ印籠ガ目ニ入ラヌカ」       彼郎女
41  筋トレに仁王立ちして鉄アレー        海霧
42    ゴールキーパー北風の中     冬   不夜
43  なる前も後も厳しいプロの道          私
44    モツ煮屋台に説教の声         ふない
45  番記者につきまとはれて捜査官        不夜
45  生臭の宗旨いまいち不明なり          私
46    月の眉さへすうと上がりぬ   秋月  彼郎女(45の両句に)
47  喉越しの水のごとくに新走り     秋    百
48    ふくべぶら下げ霧雨の街     秋   不夜
49  花衣濡れて佇む様もよし      春花    栞
50    仔猫拾うか捨てておこうか    春   氷心
三オ
51  ちちこのむくさつみははにたのまれて 春    私
52    私はおかか彼はツナマヨ     恋   氷心
53  片恋の隙間に心盗むひと       恋  リュウ
54    画家のたまごのどこがいいのか  恋   不夜
55  長髪にサンダル履きの日もありき      ふない
56    背負ひ歩くやおのが十字架         私
57  にんげんのいまだ帰らぬピカの夏   夏  リュウ
58    いともたやすく落ちる空蝉    夏   氷心
58    輪になり踊れぬばたまのよる   夏  細葉榕
59  射的場まっすぐ飛ばぬコルク弾        不夜(58の両句に)
60    円周率をみんな言えるか        リュウ
61  小数点以下を省いちゃまづいだろ        私
62    溜め息をつく3割バッター       彼郎女
63  月冴ゆる契約更改ならずして    冬月   不夜
64    先生走るつごもりの路地     冬  リュウ
三ウ
65  待望のベルリンフィルのマチネ待ち      海霧
65  ヘヤーダイあまり濃すぎ老けて見え       百
66    ロビーの窓に襟をつくろふ        不夜(65の両句に)
67  やごとなきお方ぞなもしお相手は   恋  リュウ
68    デートに誘ふまではよけれど   恋  彼郎女
69  泣き黒子思い思われ振り振られ    恋   不夜
70    文滲むるをつつむ虫の音     秋  細葉榕
71  戦場へ轍の続く月の下       秋月  リュウ
72    糧にもせよと供す新米      秋   氷心
73  落柿舎に去来偲びて念仏す      秋    栞
74    同じ紅葉を見しやかのひと    秋    私
75  岩走る水を集めて青き淵           不夜
76    化粧直せば笑う貌鳥       春   氷心
77  ぬらりひょん一反木綿も花の宴   春花  リュウ
78    復刻本をめくる春風       春   不夜
ナオ
79  炎天下遺跡発掘しゃがみこみ     夏  細葉榕
80    雷起こるナイル源流       夏    百
80    骨折りに出すぶっかき氷     夏   氷心
81  挑戦も三度目生きた化石釣る         不夜(80の両句に)
82    アクアリウムに魅了されたり      彼郎女
83  うつとりしついうつかりとうんといい 恋    私
84    舌の根乾く前に初キス      恋    栞
85  東都にてメゴチの味を覚えけり    夏  ふない
85  うたかたの恋といわせぬ抱擁を    恋    百
86    白球飛翔天までとどけ         細葉榕(85の両句に)
87  秒読みに緊張NASAの指令室        不夜
88    引きたわめたる弓は震えて       ふない
89  秋潮に馬乗り入るる若き武者     秋   不夜
90    皇統系譜唱ふひやひや      秋  リュウ
91  姉たちの喧嘩横目に寝待ち月    秋月  彼郎女
92    俯瞰している屋根のおそ鳥       リュウ
ナウ
93  捨てたあとちらり見返るごみ捨て場       私
94    白内障が人形の目に            百
95  霊験はあまねく人に隔てなく         不夜
96    一隅照らす灯のあり            栞
97  夕食を終えれば暗き山の宿         ふない
98    しりとり遊び佐保姫も居て     春 リュウ
99  てにをはのなやましげなる花の下   春花  氷心
100   早苗饗祝ふ酒と肴を        夏   百

 ※同じ番号の句は、ことわりがなければ最後の句に次の番号の句が続いたことを示す。

写真提供はフォト蔵さん

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