「趣向に地と節との差別有て、句作には曲と申事はあれど、節と申事は之なく候。」(口上露川責、支考)
曲: いろいろと変化する面白みやうまみ
節: 旋律の一まとまり 注目すべき箇所 目立つ部分
地: 基となって支えている部分 伴奏
「趣向を遠く句作を近く附くべし。」(俳諧寂栞、白雄)
「発句も付合も我家のさばきには、趣向と句作の差別ありて、趣向を先にし句作を後にすることは、たとえば花の題をとりて、雪かと見るは趣向にて、袖うち払ふと姿をつけ、志賀の山越と詞をさはす、そこを句作の上手とはいふなり。
まして俳諧は一句一句に前句の姿情を見さだめて、たとへば草々の露といふ様を発心と見るは趣向にて、西念の名に姿をつけ散る花の無常に一句をしづめたらん、ここを句作のてづまとしるべし。
ここをもて我家には趣向を定むる法ありて、それを【執中の法】 とはいへり。」(俳諧古今抄、支考)
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