はなひとは嚔(くしゃみ)のことである。作者は野々口立圃(1595-1669)。 俳諧を貞徳に学ぶ。寛永八年(1631)に俳諧撰集『犬子集』を松江重頼と共に任されたが編集方針で争い、貞門を離れ独立し一家を成した。俳諧作法式目書の公刊の嚆矢(こうし:最初)と言われる『はなひ草』を寛永十三年(1636)に出した。
『はなひ草』は、談林の宗因や芭蕉門の支考などからも好意的な引用が見られる。ならば、どんなものなのか早速探ってみよう。 所収は、古典俳文学大系『貞門俳諧集 二』集英社 であるが入門は貞門とは言え、出て大成しているので単純に貞門と見てはいけないのかも知れない。
全体の構成
◯いろは順に具体的な言葉を列挙、その分類、去り嫌い、一座何句などを示す。(大部)
例)一 妹に 妻、面を嫌也。いづれも恋也。
一 いとけなき 人倫にあらず。
一 いびき 夜分也。
◯式目 句数之事、可隔何句物、面八句之事、発句の切字、賦物の事
◯居所、山類、水辺を体用ごとに具体的な言葉を列挙。非山類、非水辺を含む。
例)山類体之分 一 山・峰・高根・嶽・岡・洞・岨・尾上・麓・坂・谷・島
◯和漢篇 和漢聯句用式目
例)一 大概可用俳諧之法事
◯四季之詞 12ヶ月にわたり月ごとに季節の言葉を列挙。歳時記の嚆矢か。
例)正月 立春 年こえて 若水 門の松 かがみの餅 かずのこ。。。
句数之事
一 春秋は三句より五句までもつゞくべし。
一 夏冬・神祇・釋教・旅・述懐・山類・水辺・居所・夜分等、一句にても
くるしからず。三句までもつゞくべし。
一 恋は二句より五句までもすべし。
一 人倫・衣類・聳物・降物・生類・国の名・名所・食物・芸能・植物・時
分等は、一句にても二句にてもよし。
To Be Continued.
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