2010年6月9日水曜日

連歌百韻『ほとゝぎす』の巻


ほとゝぎすの鳴き声

座・mixi連歌 2010.5.30〜6.14 #jrenga 連歌 俳諧 連句

1 発句  ほとゝぎす啼きつゝよぎる山路かな  春蘭 夏
2 脇     めざす高みは雲の峰なり     蘭  夏
3 第三  原点に戻るは難の多くして      同
4       ばねに転ずる負のスパイラル   草栞
5     ニッポンはもつか二度目のせんたく中 蘭
6       波の向こうに目指せ喜望を!   栞
7     月満ちて潮のうねるやいさり船    蘭  秋月 
8       ぼら番小屋に煙たなびき     栞  秋

9     色かへぬ松のこずゑは琴を弾く    蘭  秋
10      横笛の音に虫の合唱       栞  秋
11    夕霧のなびける友の未亡人      蘭  秋恋
12      小説よりも奇なる再会      栞  恋
13    埋み火をこころの奥に宿しきて    蘭  恋
14      生きる支えも人はそれぞれ    蘭
15    犬猫に慰められて世を忍ぶ      栞
16      挙句にはまるネットはいかい   蘭
17    現実と仮想の境あやふやに      栞
18      自他を超えよとしなる警策    蘭
19    場違いの派手なシャツ着て叩かれる  栞
20      爺の田打を手伝へば月      蘭  春月
21    土肥えて枯れ木に花の甦り      栞  春花
22      茶屋の行列あては菜飯か     蘭  春
二オ
23    噂の娘一目見たさに通ひ詰め     栞  恋
24      恋煩ひの秘薬飲まさる      蘭  恋
25    イゾルデの想ひ空しく愛果てぬ    栞  恋
26      幕が下りても去らぬひとびと   蘭
27    もう辞める言ひ続け早や年の暮れ   栞  冬
28      門松だけは山で調達       百  新年
29    その昔肥汲みに来し土地成金     蘭
30      黄綬褒章貰ひそこねて      栞
31    草の根の力を示すチャンス来る    百
32      かじりついてもまづは一年    蘭
33    石橋を叩いて渡る時は過ぎ      栞
34      離婚届も共に済たり       百
35    月に使者討入りの日を告げて消え   蘭  冬月
36      雪箒なく急ぎ竹取る       栞  冬
二ウ
37    手遊びに茶杓を作る世捨て人     百
38      句を詠む農婦みかねさし入れ   蘭
39    甘酒と団子を三串平らげる      栞  夏
40      麦藁帽子笑めば白き歯      百  夏
41    つかまえて見せてはにがす雨蛙    蘭  夏
42      ゲーム中では進化忽ち      栞
43    経済は理論どおりに動かない     蘭
44      春は曙プラス痴呆で       百  春
45    本懐を伏見の花にうち隠し      蘭  春花
46      杯流しの醍醐味に酔ふ      栞  春   
47    序の舞はまなじり紅き白拍子     蘭
47    行きずりの恋に萌えるも朧月     栞  春月恋
48      恋に身を焼く分別盛り      百  恋
49    義理チョコにしては皆より大きくて  蘭  恋  
50      気があるものと勘違いされ    栞  恋  
三オ
51    それとなく意中の人を口に出す    百  恋
52      あのひとは今的なタレント    蘭
53    晴々と近くて遠い雪解富士      百  夏
53    更衣してみたもののぎごちなく    栞  夏
54      三県またがる電車通勤      蘭   (53両句に)
55    火宅の身寄せし翁のゆかりの地    百
56      こゝらもうどん激戦区かも    蘭
57    かくなれば伝家の宝刀競ひ合ふ    栞
58      あとは買ったぁと叫ぶ読み売り  蘭
59    そそられてテレビショッピングやめられぬ 百
60      集団心理に弱い国民       蘭
61    政権もパチンコ屋のごとリニューアル 栞
62      適材適所は無げのことばよ    蘭 (なげ)
63    学級の委員選挙はうけ狙ひ      蘭
64      ボケとつっこみ上弦下弦     栞  秋月  
三ウ
65    蘊蓄を言ふは好きだが菊の酒     蘭  秋
66      時代祭の誰そあの媛は      栞  秋
67    さにつらふいろにどどめしさはやかさ 蘭  秋恋
68      帯にあわせしぽっくり履いて   百
69    どおどすえ舞子変身ぎをんまち    蘭
70      クールジャパンと皆が礼賛    栞
71    茅葺きの建て替へ寸前指定うけ    蘭
72      うなぎの寝床奥を座敷に     百
73    底冷えの夜半に差し込む月明り    栞  冬月
74      燠かきよせてくべる榾ぐい    蘭  冬
75    温め酒脚本にない本物を       百
76      真に迫つてハラハラドキドキ   栞
77    当て馬が仕切る花見に想ひ人     蘭  春花恋
78      愛しい声の囀りのよう      百  春恋
名オ
79    劇中の椿の姫に惚れ込んで      栞  春恋
80      妬いてふくるゝにようぼかはゆき 蘭  恋
81    額の花スイカ専用改札機       百  夏
82      夕涼みしてから帰ろうか     栞  夏
83    駅までの行く手をはばむビアガーデン 蘭  夏
84      一杯だけよが、きまり文句で   百
85    よくないと分かっちゃいるけどやめられず 栞
86      娘のお古着て若作り       蘭
87    楚々として少女のような含羞を    百  恋
88      赤らむ頬にそつと口づけ     栞  恋
89    懺悔する娼婦の涙に足濡れて     蘭
90      葡萄酒醸すアッシジの丘     百  秋
91    鳥の巣に話しかければ月昇る     栞  秋月
92      ふと読む伝記にふける秋灯    蘭  秋 
名ウ 
93    自分史を書いて置くにも平凡で    百
94      日々のつぶやき波瀾万丈?    栞
95    退いて無趣味ひねもすテレビ漬け   蘭
96      梅の実熟れて塩買いに行く    百  夏
97    川床に瀬音聞きつつ句を捻る     栞  夏
98      かたびら雪の頬をぬらして    百  春
99    追ひかけて花背あたりの花に酔ふ   蘭  春花
100     鞍馬の冠者の遅日儚き      栞  春 
 
 
※ 同じ番号の句は、ことわりがなければ最後の句に次の番号の句
  が続いたことを示す。

 オ  123456月8       (1〜8)
 ウ  12345678月012花4 (9〜22)
 二オ 123456789012月4 (23〜36)
 二ウ 12345678月012花4 (37〜50)
 三オ 123456789012月4 (51〜64)
 三ウ 12345678月012花4 (65〜78)
 名オ 123456789012月4 (79〜92)
 名ウ 123456花8       (93〜100)

写真提供は フォト蔵さん

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