2010年6月2日水曜日

連歌百韻『ナイターに』の巻


座・ツイッター連歌 @zrenga 2010.5.26〜6.2 #jrenga 連歌 俳諧 連句 
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発句  ナイターに人格かはる女かな     夏  彼郎女
脇     ベランダ越しに響く歓声     夏  ふない
第三  水打てば土の匂ひの立ち籠めて    夏  不夜
4     簾の下に覗く白肌           玄碩
5   白肌を気に病む乙女さつきばれ       蛉
5   茶道部に入りし動機はお菓子なり      私
6     忘れがたきは三笠山かも        がじゅまる
7   九つを数へるまでも愛でし月    秋月  氷心
8     風にまかせる蓑虫らしき     秋  海霧

9   芒の穂揺れて高鳴る胸の内      秋  草栞
10    気になっているネクタイの柄      リュウ
11  彼にまで自分の趣味をおしつけて      百
12    寝るなとつねりつゝの能楽       私
13  ぽぽと打つ手に感覚のなくなりて      不夜
14    画鋲拾ふに役に立つべし        百
15  家も靴アメリカナイズされた奴       私
16    口で詫びるも肩をすくめて       栞
16    キスにとろけるサンタクロース 冬恋  氷心
17  子供たちまだ起きていて鉢合はせ      私(16両句に)
18    入学式を終えし夜の月     春月  不夜
19  祝宴の蛤汁は大好評         春  海霧
20    纏めた髪に貝寄せの風      春  彼郎女
21  ヴィーナスの誕生告げる花吹雪   春花  栞
22    相部屋狭き産院の窓          ふない
二オ
23  捨てられることを知りつつゆるしたの 恋  不夜
24    着信履歴に君の名はなく     恋  彼郎女
25  天国のいつもあなたはわすれぐさ  夏恋  百
26    入道雲に笑顔え見えず     夏恋  がじゅまる
27  たよりなき娘ちぎりしみやこ人    恋  私
28    浦の板屋に聞くは時雨か     冬  不夜
29  風狂のさても哀しきやどりかな       私
30    きょう三度目の職務質問        氷心
31  父親の形見の帽子大きめで         彼郎女
32    片えくぼなる巻き毛の少女       不夜
33  物売りがワットむらがるアンコール     私
34    我に返ればすだく虫の音     秋  氷心
35  宵闇の鳥もかよはぬ関所址     秋月  百
36    秋のあかつき明けの明星     秋  がじゅまる
36    九月初旬の旅は格安       秋  私
二ウ
37  くんちへとブルートレイン駆け抜けぬ 秋  栞(36両句に)
38    トリック見抜く刑事ベテラン      不夜
39  挨拶の後でくるりと振り返り        ふない
40    擦り切れている母の前掛け       氷心
41  名女優年より老けて見せにけり       がじゅまる
42    北窓開き鏡を磨く        春  百
43  石鹸玉ぷかりと吹かす幼子や     春  彼郎女
43  初雷の門前を掃く師範代       春  不夜
44    衣の裾をはしょる春泥      春  氷心(43両句に)
44    そば屋ののれんまくる春風    春  私 (43両句に)
45  いざゆかん天橋立月見の宴     春月  がじゅまる
46    黒松並ぶ海岸の道           ふない
47  ドリフトの二台過ぎたり雲の峰    夏  不夜
48    見送る彼女キャミの短し        玄碩
49  参禅の門の厳めし花紅葉      雑花  私
50    掃き清めたる石庭の閑         リュウ
三オ
51  客の名を高浜虚子と聞きたれば       不夜
52    スケッチブック脇に抱きて       栞
53  手笠してあれは北岳独り言         海霧
54    散歩を様にしてくれる犬        私
55  空っ風次はどちらに吹くのやら    冬  リュウ
56    炬燵の中は己が楽園       冬  不夜
57  さっきから彼のノックを待っている  恋  氷心
58    試練に耐えて熱き抱擁      恋  栞
58    剥がされてゆく感覚が好き    恋  リュウ
59  革命に挫折二人の逃避行       恋  不夜(58両句に)
60    ハート打ち抜く弾を忍ばせ    恋  ふない
61  運動会位置についてと君の声    秋恋  彼郎女
62    釣瓶落として井戸に入る月   秋月  リュウ
63  飯の嵩おぎなふ藷も高くなり     秋  私
64    道の駅にはあまご並びて     秋  海霧
三ウ
65  長良川いまも現役職漁師          不夜
65  奥山で出で湯に浸かり一句詠む       栞
66    表彰状を自慢する父          氷心(65両句に)
67  四十年薄給無遅刻無欠勤          私
68    サマータイムが初の不覚に    夏  ふない
69  身の上を語る酌婦に絆されて        私
70    五右衛門風呂の敷板はずれ       海霧
71  拍子木に見得を切りたる石川屋       不夜
72    夜警廻りの冴えわたる声     冬  氷心
72    合掌造り守る夜廻り          百
73  早々に種火を落とす湯沸し器        ふない
74    ぬる燗を手に朧月見ゆ     春月  彼郎女
75  たゆたひてひとりたのしむひなのまへ 春  百
76    すだちにとりはさびしからずや  春  私
77  ひざ小僧ならべて喋る花の下    春花  不夜
78    弁当箱の包み解きつつ         彼郎女
名オ
79  新妻となりし彼の日を懐かしみ    恋  栞
80    たくましき腕引き寄せてみる   恋  ふない
81  おっちゃんはナックル姫に首ったけ  恋  栞
82    キャッチャーミット叩くどら声     不夜
83  猫一匹おわあおわあと青草に     夏  リュウ
84    対岸の灯は夕凪の街       夏  ふない
85  川べりの道を歩けば父の家         彼郎女
86    天金の書の並ぶ本棚          リュウ
87  ブレイクではっと閃くシャーロック     私
88    ワトソン君は昼寝してます       リュウ
89  音も無く姿見えねど涼新た      秋  氷心
90    ジャングルジムに秋の暮れゆく  秋  がじゅまる
91  満月や怪我なく家路たどる子等   秋月  海霧
92    への字さかさま案山子ほほえむ  秋  不夜
名ウ
93  豊年の清き稲株つらなりて      秋  ふない
94    わらしべ長者の夢よ再び        栞
95  縁日で大安売りの古布切          彼郎女
96    パッチワークと言へば体よき      私
97  春炬燵そろそろ外が恋しくて     春  不夜
98    伸びしてみれば風のやわらか   春  氷心
99  花霏々と熟睡の嬰を被ふなり    春花  リュウ(やや)
100  「にゃぁ」と物憂く去る猫の夫   春  海霧

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