歌仙 ウ8秋月〜ウ11春花
◯冬の日 炭売の
血刀かくす月の暗きに 荷兮 秋月 ウ8
霧下りて本郷の鐘七つきく 杜国 秋
冬まつ納豆たゝくなるべし 野水 秋 納豆
はなに泣桜の黴とすてにける 芭蕉 春花 ウ11
◯ひさご 木のもとに
月見る顏の袖おもき露 碩 秋月
秋風の船をこはがる波の音 水 秋
鴈ゆくかたや白子若松 翁 秋 雁
千部読花の盛の一身田 碩 春花
◯猿蓑 灰汁桶の
あつ風呂ずきの宵/\の月 兆 秋月
町内の秋も更行明やしき 来 秋
何を見るにも露ばかり也 水 秋 露
花とちる身は西念が衣着て 蕉 春花
◯炭俵 梅が香に
こんにやくばかりのこる名月 蕉 秋月
はつ雁に乗懸下地敷て見る 坡 秋
露を相手に居合ひとぬき 蕉 秋 露
町衆のつらりと酔て花の陰 坡 春花
◯続猿蓑 いさみ立ち
伊駒気づかふ綿とりの雨 沾 秋
うき旅は鵙とつれ立渡り鳥 里 秋
有明高う明はつるそら 莧 秋月 有明
柴舟の花の中よりつと出て 沾 春花
◯続猿蓑 猿蓑に
山に門ある有明の月 蕉 秋月
初あらし畠の人のかけまはり 考 秋
水際光る浜の小鰯 然 秋 鰯
見て通る紀三井は花の咲かゝり 蕉 春花
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