2010年6月19日土曜日

連歌百韻『翁逝き』の巻


ほととぎすの鳴き声

座・ツイッター連歌 @zrenga 2010.6.13〜6.18 #jrenga 連歌 俳諧 連句 
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1 発句  翁逝き腐草ほたるになりにけり    夏  百
2 脇     風やむ森になくほととぎす    夏  私
3 第三  傍らの小さな流れ瓶に汲み         不夜
4       杜氏やうやう得心のかほ        氷心
5     杉玉をはずし軒先掃き清め         草栞
6       同じく始む新しき朝          がじゅまる
7     カーテンを開ければ空に残る月    秋月 彼郎女
8       秋航ルート地図で確認      秋  リュウ

9     時折はV字に変わる雁の列      秋  海霧
10      家路は暮れて鍋ぞ恋しき        玄碩
11    帰ろうとするたびにまた手を引かれ     ふない
12      みごと生還夢の「はやぶさ」      百
13    ふるさとはサッカー熱で沸騰中       私
14      テレビ横目に角の立ち飲み       不夜
15    雑踏で名を呼ばれしは空耳か        栞
16      四半世紀も顔を見ぬまま        ふない
17    満を持し文壇デビュー放浪記        私
18      上弦詠め笑ふドラキュラ     秋月 がじゅまる
18      股火鉢して願掛けの月      冬月 リュウ
19    ストールを巻いて隠したキスの痕   冬恋 彼郎女
20      なにやら甘きかをりただよふ   恋  氷心
21    初デート花もはぢらふ南禅寺    春花恋 私
22      しき石ふめば歩みうららか    春恋 不夜
二オ
23    ねこ柳大門くぐり摘む男       春  百
24      今は昔の里の夕暮れ          栞
25    ぬばたまのゆめがたり子にせがまれて    氷心
26      絵本開けば立ち上がる城        不夜
27    ぺたぺたと小さな手形残されし       ふない
28      大衆芸のメッカ浅草          私
29    ロック聴くオンザロックを嘗めながら 夏  リュウ
30      真空管をあおぐ絵団扇      夏  不夜
31    かにかくに世々の移りの万華鏡       リュウ
32      変はらないもの?きみとこの僕     私
32      オート三輪いまだ現役         不夜
33    先代の形見を孫が修理して         ふない
33    毛筆で受けて返して有明に     秋恋月 リュウ(32両句に)
34      露もて墨をするふみ机      秋  不夜 (33両句に)
35    糸瓜忌の箭弓稲荷で願をかけ     秋  栞
36      礼の揃ひし野球少年          私
二オ
37    よく見れば一人少女も交じりおり      ふない
38      幼き恋を秘めた雪投       冬恋 彼郎女
39    ふりむけばスキーウエアの君にきゅん 冬恋 がじゅまる
39    手袋にイニシャル編んでくれた君   冬恋 不夜
40      炬燵の猫を探る手が触れ     冬恋 玄碩
41    月曜日通勤地獄はじまれる         百
42      見えるバリアと見えないバリアと    リュウ
43    雨空の木下闇いで魑魅となる     夏  百
44      ドリアン投げて追い払いませ   夏  彼郎女
45    芳香も食の好みもお国柄          リュウ
46      桂男や噎せむ蓼の芽       春月 不夜
47    あのひとの来そうで来ない霾ぐもり  春恋 氷心
48      蜃気楼でもいいから見せて!   春恋 栞
48      ふぃーほーふぃーほと松に鷽姫  春恋 私(うそひめ)
49    砂浜に誰が脱ぎ捨てし花衣      春花 リュウ
50      汐干狩する子を打ち置いて    春  彼郎女
三オ
51    茫々と風紋語る幾年を           海霧
52      チャイを振る舞ふ民の微笑み      私
53    ゲルとやら中々心地よきもので       彼郎女
54      ながなが止まぬドラクエの曲      氷心
55    アイマスク耳栓毛布機内泊         海霧
56      北風強く揺れに揺れたり     冬  不夜
57    トナカイの橇の免許は試験なし    冬  百
58      地図がなければサンタ苦労す   冬  栞
59    煙突のかたちは何処も似通ひて       不夜
60      露台哀しき雁首上        夏  氷心(がんくびあがり)
61    顔文字もイラストも添え夏見舞い   夏  リュウ
61    0%のビールでなぜか酔ひの来て   夏  私
62      孫のたよりに一人乾杯         がじゅまる(両句に)
63    月見れば腹が鳴るなり蕎麦にしよ   秋月 栞
64      主も客も紅葉マークで      秋  百
三ウ    
65    鈍ったり熟知のはずが毒茸      秋  海霧
66      己の名前新聞に載る          氷心
67    日本で1位は田中実にて          私
68      体育館の上に青空           ふない
69    准教授肩書きあれど個室なく        不夜
70      失礼しますおずおずノックを      百
71    地震多しやはり地球は怒ってる?      リュウ
72      発射間近か夏の弓張       夏月 栞
73    片肌を脱いで鯔背なニクイ奴     夏恋 リュウ
74      難儀救はれ娘うつとり      恋  私
74      畳ののの字娘もじもじ      恋  氷心
75    永遠の少年コナンに囚はれて     恋  栞 (74両句に)
76      エカテリーナに成れもせぬのに     リュウ
77    若き血の流れた跡に花落ちる     春花 彼郎女
77    心中を気取られまいぞ飛ぶ花に    春花 海霧
78      古城遙かに蜃気楼立つ      春  リュウ(両句に)
名オ
79    白鳥の帰るまほらは神つ国      春  百
80      あつといふ間にかまひ時なり   春  彼郎女
81    自律するロボットなりと威張れども     ふない
82      心あるかとアトム悩める        不夜
83    言の葉は似て非なるもの多ければ      栞
84      まづは駄洒落でつかみOK       私
85    今時の生徒寒がりばかりなり     冬  氷心
86      石焼き芋と手温めのパイ     冬  リュウ
87    奥座敷障子穴から大きな目      冬  海霧
88      ゲゲゲの女房ただ今参上        栞
89    掌上に遊べるおやじ風呂に入る       がじゅまる
90      朝寝朝酒咎められずに         玄碩
91    をりをりの月に妙なる詩を吐いて   秋月 私
92      虫の声にも賛美惜しまじ     秋  不夜
名ウ
93    地芝居の準備おさおさおこたらず   秋  百
94      菊人形の立居艶やか       秋  栞
95    歓声を吸い込んでいる高い空     秋  氷心
96      スカイツリーを見あげ口開く      海霧
97    苗床の手入れを終えて一休み     春  彼郎女
98      遠き嶺嶺笑う雪形        春  がじゅまる
98      蟇穴を出づ古戦場跡       春  百
99    昼暗き切通し行く肩に花       春花 海霧
100     春の名残に持ちて帰らむ     春  彼郎女

 ※ 同じ番号の句は、ことわりがなければ最後の句に次の番号の句
   が続いたことを示す。

  オ  123456月8       (1〜8)
  ウ  12345678月012花4 (9〜22)
  二オ 123456789012月4 (23〜36)
  二ウ 12345678月012花4 (37〜50)
  三オ 123456789012月4 (51〜64)
  三ウ 12345678月012花4 (65〜78)
  名オ 123456789012月4 (79〜92)
  名ウ 123456花8       (93〜100)

 ※ twitterで巻かれた百韻
  一、自由連歌百韻 初懐紙     3.8〜3.28
  二、連歌百韻『花曇る』の巻   3.28〜4.9
  三、連歌百韻『つみ草や』の巻  4.10〜4.16
  四、連歌百韻『阿蘭陀を』の巻  4.16〜4.21
  五、連歌百韻『人垣を』の巻   5.10〜5.15
  六、連歌百韻『蚊柱を』の巻   5.17〜5.23
  七、連歌百韻『ナイターに』の巻  5.26〜6.2
  八、連歌百韻『目にしみる』の巻  6.4〜6.11
  九、連歌百韻『翁逝き』の巻    6.13〜6.18
  十、連歌百韻『』の巻  7.〜7.

写真提供はフォト蔵さん

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