2008年2月21日木曜日

歌仙『雪ふわり』の巻






      歌仙『雪ふわり』の巻
                  2008.2.7〜20
 
発句   雪ふわり吸い込まれ行く豆礫   草栞  冬
脇      梅はつぼむも春は来ぬらし  春蘭  春
第三   きさらぎの合唱祭も近づいて    亮  春
四      鶯餅にほっと一息      みかん 春
五    月光の中を子猫の影走る     青波  春月
六      どこか病気の人はいないか  こやん

一    災ひを転ずるものはこころにて   蘭
二      ふられ同士が通電し合い    栞  恋
三    道ならぬ恋と知りつつ迷い道    み  恋
四      髪などカット軽い足どり    亮
五    とろ早い波にしばらく一休み    こ
六      トライアスロンゴール目指して 波
七    標石の峠過ぎれば秋涼し      栞  秋
八      底なし沼に月浮かび居る    み  秋月
九    代々の藩主が眠る萩の寺      波  秋
十      着付け手間どりもはや人波   蘭
十一   丹精の由来話しつ花の帯      亮  春花
十二     ひばりの声を空に聞くのみ   こ  春
ナオ
一    放たれた七色風船風と消え     み  春
二      目減りしてゆく貯金通帳    亮
三    日の本の冬の時代はいつまでと   こ  冬
四      ブートキャンプで嘆く間もなし 波
五    うるはしき女教師に険みえて    蘭
六      差し棒かざせば香水仄か    栞  夏
七    携帯もチリチリルルと震えだし   亮
八      あなたのせいとなすりつけあい み
九    代議士の先生秘書をかばわない   波
十      ススキのこうべ垂れるあわれさ こ  秋
十一   夜も更けていつか臥待ち薄明り   栞  秋月
十二     嫁の実家で過ごす盂蘭盆    蘭  秋    
ナウ
一    稼業継ぎ家長面する三男坊     み
二      飾り棚にはグリコのおまけ   亮
三    手びねりの楽で侘び茶のまねをして 蘭
四      裏のとまやの在りし日想う   栞
五    古びたるコンビナートに花は咲き  こ  春花
挙句     春の色した大気きらめく    波  春

                  (捌き 草栞)

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