2008年5月30日金曜日

鎌倉




 傘さして古刹めぐりや不如帰
   
 不如帰どよむ全山雨あがる    円覚寺



 老鶯の渡りや谷戸に立つ烟霧   明月院



 鎌倉は青時雨するとろろ蕎麦   建長寺



 潮騒や少女立ち待つ初夏の駅   鎌倉高校前駅  



 シーサイドまにまに車走らせて若やぐ君をみればうれしも  由比ケ浜

2008年5月26日月曜日

ほととぎす

 ほととぎすもう鳴いたかと茶屋番にきけど名をさへ知らぬ輩
                          (ともがら)


時鳥の写真と声の提供は森のコンサートさん

2008年5月23日金曜日

歌仙『今年竹』の巻



      歌仙『今年竹』の巻     
                 〜2008.5.23

  今年竹面妖な皮ぬぎにけり       百
    煮しめたっぷり早苗餐用意   みかん
  この村を何とかしよと集まりて    青波
    元芸人の先生さ呼ぶ       春蘭
  とどのつまり変哲もなき月の客    鉄線
    流れ流れて落鮎となり      草栞 

  柿むいて入り日はなやか新所帯    木槿
    氏神様の前はばからず       亮
  寺もたぬ僧の教化は愛語にて      蘭
    ツーリングして津々浦々へ     百
  潮騒に誘はるるまま午睡かな      栞
    あなたと聴いたあのフォービート  鉄
  手をひかれアイスダンスの輪の中に   み
    マッチ消ゆれば木枯らしの月    槿
  紙巻きを葉巻のやうに摘まむガイ    蘭
    石津謙一ジーンズ似合う      百
  花に雨今日はフランスパン焼いて    亮
    入学試験の準備OK        波
ナオ
  始発列車ムーミン谷に春惜しむ     鉄
    アケボノスギの梢遙かに      栞
  ピンボケの写真いまだ棄てきれず    亮     
    故郷の家瓦礫に埋もれ       み     
  やらしいわあどっちにしよう今年の蚊  槿
    草清水までまとわり付いて     百
  思い出を断ち切りたいと旅にでる    波
    離婚届けはテーブルの上      亮
  ATM暗証は「サラダ記念日」だ    鉄 
    僕もしらない日本語のゆくえ    槿
  諸ともにつひたちの月追ひ求め     栞
    もののけ出づや虫の声やむ     蘭
ナウ
  初猟の準備おさおさ整えて       百
    晩のおかずは俺に任せろ      波
  レシピならネット波乗り炊いた肉    栞
    沈まぬ夕日のぞむべくなく     鉄       
  かまくらは五山色添ふ花のころ     蘭
    観光バスの並ぶ麗らか       亮

               ( 捌き 百 )



写真提供はフォト蔵さん

2008年5月22日木曜日

マイ・ウェイ

歌はYouTube:加山雄三はシナトラ、プレスリーよりうまい
歌詞の日本語訳提供は野村望さん

作詞:ポール・アンカ
日本語訳 野村 望
And now, the end is near,(さあ、もう終わりが近づいた)
And so I face the final curtain(そして、私は最後の幕に向き合っている)
My friend, I'll say it clear,(友よ、はっきりと言おう)
I'll state my case of which I'm certain(確信を持って私の場合を語ろう)
I've lived a life that's full(私は充実した人生を生きてきた)
I've travelled each and every highway(あらゆるハイウェイを旅してきた)
And more, much more than this, I did it my way(しかしそれ以上にわが道を歩いた)

Regrets, I've had a few(悔いも少しは残っている)
But then again too few to mention(しかし、それはほんのわずかだ)
I did what I had to do(しなければならないことを私はやって来た)
And saw it through without exemption(逃れることなく、それをやり通してきた)
I planned each charted caurse(地図に書かれたコースはすべて試した)
Each careful step along the bi-way(脇道にも注意深く足を踏み入れた)
And more much more than this, I did it my way(しかしそれ以上にわが道を歩いた)
Yes, there were time, I'm sure you knew(そう、確かにあなたが知っての通りの時もあった)
When I bit off more than I could chew(噛み切れぬほどのものに食いついたこともあった)
But through it all, when there was doubt(しかし、それが疑わしいと思った時には、それを全部)
I ate it up and spit it out(飲み込み、それから吐き出した)
I faced it all, and I stood tall(全てに正面から向かい、胸を張って立ってきた)
And did it my way(それがわが道だった)

I've loved, I've laughed and cried(人を愛し、笑い、泣き叫んだこともあった)
I've had my fill, my share of losing(充つる喜びも、失う悲しみも知った)
And now, as tears subside(そして今、涙が乾くとともに)
I find it all so amusing(すべてが楽しく思い出される)
To think I did all that(私はその全てをしたのだと)
And may I say not in a shy way(そして、卑怯なまねはしなかったと言える)
Oh no ! Oh no, not me, I did it my way(決して、決してしなかったと、それがわが道だった)
For what is a man, what has he got(人は何のために生きているのだ、手に入れたものが何になるというのだ?)
If not himself, then he has not(もし、自分自身のためでなければ、何も手に入れたことにはならない)
To say the things he truely feels(自分が本当に感じることを話すのだ)
And not the words of one who kneels(決して媚びる者が話すことばを使うな)
The record shows I took the blows(いろいろ苦しい目に会った記録はあるが)
And did it my way(それがわが道だった)

クラス会

  あひたいと思ふ人なきクラス会届きし写真に見えぬ面影


高校のクラス会が開かれたようで写真が送られてきた。70人を越えるクラスでもともと知っている人も少ない。写真には仲良くしてもらった数人の名もあるが、面影がよみがえってこない。

2008年5月16日金曜日

荘川桜




  水底の村のあかしと岡の上の荘川桜みれば愛しも

  みなそこの むらのあかしと おかのへの しょうかわざくら みればかなしも



昨日テレビでみた。
短歌を投稿してみた。

写真提供はフォト蔵さん

2008年5月13日火曜日

自由歌仙『遠雉子(とほきぎす)』



    自由歌仙『遠雉子』

                2008.4.20〜5.13

発句  遠雉子杉旋風の谺哉        貞風
2     岨の清水に摘める山芹     春蘭
3   春炬燵台所から声がして      青波
4     さつさと喰へとおかんむりなり  蘭
5   ここ一番体力勝負まけそうで     波
6     流し買ひにて狙ふ大穴      蘭
6     ひとつ手前の駅で乗り降り    蘭
7   堤防の桜並木が見ごろだと      波
8     人出当て込み俄かあきんど    蘭
9   世が変わり刀を捨てて揉み手する   波
10    普段無口に無理な軽口      蘭
10    家系たどればだれも鎌足     蘭
11  披露宴お互い同士紹介す       波
12    いつまで持つかなんて思ふな   蘭
13  ひさしぶり東京市場も好転し    面白
14    発泡酒やめ恵比寿黒生      蘭
15  母の日のギフトで鯛が釣れるかも   白
16    相手選ばずよろづビジネス    蘭
17  その筋のうたげに呼ばれ芸をする   蘭
18    鴨川をどりは道中双六      白
19  きもの着てうれしはづかし先斗町   蘭
20    小首かしげりやどの娘も西施   白
21  ぬばたまの闇にほのかな月あかり   蘭  
22    脱ぐは一瞬もう竹の春      白
23  ふる雨に紅葉かつ散る湿り泣く    蘭
24    運転免許証お返しします     白
25  まへうしろ長寿さながら飴と鞭    白
26    食費削つてサプリ手を出す    蘭
27  ココナツに命をつなぐ民あれば    白
28    体制維持に選挙強行       蘭
29  人間は同じあやまち繰り返す     蘭
30    白樺林をゆく二頭立て      白
31  どんな時も愛する事を誓ひつつ    蘭
32    冬の繊月みつめてゐたり     白  
33  はやばやと落葉に埋もる山廬居に   蘭
34    こんくら〜べか上る煙は     白
35  花守は代々老桜を咲かせ来て     蘭
挙句    手にひとひらの終の雪かな    白
      お国言葉で惜春の情       亮
      あなたこなたもみな蜃気楼    亮


写真:俳諧作法書に挟まっていた半歌仙の懐紙
 

2008年5月10日土曜日

うつくしの森


 うつくしの森に登ると妻が言ふ山ほととぎす来鳴きはげませ 


体調を崩して病んでから妻は美しの森でさえもう登るのは無理だと言っていた。でも山の知人からサプリをもらって飲んで効いたようで美しの森に登りほととぎすの声を聞きたいと言い出した。うぐいすはたくさん鳴いていたがほととぎすはまだ早いのか聴けなかった。

2008年5月8日木曜日

青山椒



 実を付けて誇ることなし青山椒


昨年庭の山椒の太い幹は根元から折れたが、残った細い幹に今年も実が付いた。ささやかな量ではあるがこれで何回かちりめん山椒を作れる、ありがたい。

2008年5月7日水曜日

八が嶺

四月二十五日から五月七日まで山の家に滞在。
  

   

 あしひきの山辺に雉子の啼くゆふべそぼふる雨に烟る山里



 みれど飽かぬ峡なす雪の嶺高み萌木にまじる八重山櫻



 汝とふたり蓬摘みゐる棒道の唐松蔭に山ざくら咲く



 雉子とよむ林明かりて山ざくら

 石走る女取湧水薮わけて人に知られぬこごみ摘むかも



 甲斐が嶺や散肥かうばし畠の道





 清里の牧に草食む鹿むれて八つに裂かれし雪の嶺みゆ

 他妻となりにし人よ蝉しぐれ (NHK時代劇『蝉しぐれ』より)




 山桜かかる花びら除ける蜘蛛


   (中央の蛸のようなものが蜘蛛さん(^^))