2014年11月7日金曜日
【満尾】第五千句第四百韻『世にふるも』の巻
百韻『世にふるも』の巻
2014.11.5〜12.3
発句 世にふるもさらに時雨のやどりかな 宗祇 冬
脇 散りて彩なすかさのもみぢ葉 春蘭 冬
第3 たぬき肥ゆ我が家の一味となりぬらむ 曙水
4 焦がした鍋を洗ふ夕暮 里代
5 後の月過ぎて今なほ輝けり 草栞 秋月
6 芒の原に聴きしビオロン 阿紗 秋
7 褒め合ひて差しつ差されつ新走り 真葛 秋
8 アラセブンにてやまひ知らずよ 野茨
ウ
9 持ち歌は中島みゆき一筋で 水
10 抱かれていたい夜が明けるまで 代 恋
10 いいひとどまりに終はる恋愛 蘭 恋
11 笑顔見せ心で泣いて汽車に乗る 栞 恋 両句に
12 クロワッサンとカフェオレの朝 代
13 無縁とは思ひつつ見る訃報欄 葛
14 「老人力」を読んでうとうと 紗
15 風雨でもついむきになり散歩して 蘭
16 川の淀みに集ふ留鳥 茨
17 病葉にいざ鎌倉の道細し 代 夏
18 抹茶アイスでまずはもてなし 水 夏
19 夕月に幼な子揺れるハンモック 紗 夏月
20 読み聞かせたる絵本しまひて 栞
21 写真付きLINE飛び交ふ花便り 茨 春花
22 誘はれ易き峪の蝶々 葛 春
二オ
23 憧れの先輩今日卒業す 水 春恋
24 偶然装ひ駅でまちぶせ 蘭 恋
25 黙しても見透かされるや下心 栞
26 石榴裂けたる菩提寺の庭 代 秋
27 半纏のきりり決まりて冬支度 葛 秋
28 芋が煮えたと夫に呼ばれる 紗 秋
29 名月やとなりのうひ児なきやみぬ 蘭 秋月
30 いろはさらへばにほふ墨の香 茨
31 寺子屋は腕白揃ひよだれくり 代
32 解けぬ難題ひとつ咳 水 冬 しわぶき
33 レジ打って爪の手入れもこっそりと 紗
34 流行色に惑はされつつ 栞
35 服買つてやうやく機嫌なおる妻 茨
36 秘密の基地に蝉の抜け殻 葛 夏
二ウ
37 叡智だね彗星の尾を捕まえた 水
38 きみとの出逢ひこれも奇跡さ 蘭
39 狂ほしく若き情熱蘇り 栞 恋
40 ハーレーの腰しかと抱きしむ 代 恋
41 陽光を受けて眩しき海の青 葛
42 帰燕見送る島の灯台 紗 秋
43 辛抱のこもり奉公秋ととせ 蘭 秋
44 秘めし宿望誓ふ満月 茨 秋月
45 八戎はさらりと捨てて寺下る 代
46 ヒップホップが今日の体育 水
47 白山羊に不思議な顔でのぞかれて 紗
48 読まずに閉じた雛の添へ文 栞 春
49 相合ひの言はず語らず花篝 葛 春花恋
50 妬くやはるかぜ捲るスカート 茨 春恋
三オ
51 通学路急ぐ自転車立ち漕ぎで 水
52 あせの煌めきわかば照り映ゆ 蘭 夏
53 滝の音絶える間もなく谺せり 栞 夏
54 熊野古道で出会ふ修験者 代
55 顔に似ずバイリンガルの隠し技 葛
56 夜景を見せて甘く囁く 紗 恋
57 ゆきずりの刹那刹那は本気にて 蘭 恋
58 あいさつ代はり「今度飲もうよ」 茨
59 プリプリのエビチリが来て月今宵 代 秋月
60 菊花賞には肥ゆる馬居ず 水 秋
61 不器用な人思ひつつ秋の駅 紗 秋
62 間合をおいて二度鳴らすベル 栞
63 悪戯は小僧の糧となりぬべし 茨
64 神父の胸の銀の十字架 葛
三ウ
65 半世紀サンタクロースに見捨てられ 水 冬
66 おでん肴にボジョレ・ヌーボー 蘭 冬
67 割烹着脱いだ彼女は今何処 栞
68 キラキラ光る鴨川の海 代
69 思い出をぎっしり詰めて絵日記に 葛
70 土器のかけらに似せたクッキー 紗
71 好奇心あれば世界は刺激的 蘭
72 人見知りせぬ仔猫かはゆき 茨
73 椀種のしらうをの目にみつめられ 代 春
74 音羽屋を観に春ショール掛け 水 春
75 バーボンを飲んでほんのり朧月 紗 春月
76 花の都の灯も燃ゆ 栞 春花
77 待ちわびし愚図な彼よりプロポーズ 茨 恋
78 小町の轍を踏まず婚約 葛 恋
名オ
79 政党の名前が語る憂き世にて 水
80 かつ消え結ぶ淵のうたかた 蘭
81 叢に梔子香る仮の庵 栞 夏
82 腹の上だけのせる夏掛 代 夏
83 ジャンボくじお告げあったと大人買ひ 葛
84 集ふヲタクに二階みしみし 紗
85 トキワ荘昭和マンガの発祥地 蘭
86 生活感の醸すおもむき 茨
87 月高しカラオケ館といふビルに 代 秋月
88 二次会終えて虫すだく道 水 秋
89 朝寒のトースト焦げた匂ひして 紗 秋
90 黄落踏んで配る新聞 栞 秋
91 けふもまたテレビに暮れる日の早さ 茨
92 かなた熱愛こなた破局で 葛
名ウ
93 訳本もシェイクスピアは苦手なり 水
94 自慢くすぐり入れる合ひの手 蘭
95 もち上るはずが歳には逆へず 栞
96 ぬらりと逃げる寒釣の鮒 代 冬
97 歌詠みの夢は流れて千曲川 葛
98 かすみて分かちがたき天と地 茨 春
99 やすらかにハープ鳴らせば花の降る 紗 春花
挙句 いざ佐保姫の園へ参らむ 栞 春
経過は#jrenga
※定座は守っても守らなくてもよい。四花四月〜七月。
____________________________________
初折表 123456月8 (1〜8) 花一つ、月一〜二つ
初折裏 12345678月012花4 (9〜22) __________
二折表 123456789012月4 (23〜36) 花一つ、月一〜二つ
二折裏 12345678月012花4 (37〜50)__________
三折表 123456789012月4 (51〜64) 花一つ、月一〜二つ
三折裏 12345678月012花4 (65〜78)__________
名残表 123456789012月4 (79〜92) 花一つ、月一つ
名残裏 123456花8 (93〜100)_________
作法式目
貞享式海印録
付け転じ方
写真借用はフォト蔵さん
2014年9月7日日曜日
【満尾】第五千句第三百韻『この道や』の巻
百韻『この道や』の巻
2014.9.7〜10.14
発句 この道や行く人なしに秋の暮 芭蕉 秋
脇 森の奥より小牡鹿の声 野茨 秋 さおじか
第3 月影の茅舎にはかに輝いて 杜角 秋月
4 酒を土産に遠来の友 春蘭 みき
5 笊碁にて長考しても手は同じ 曙水
6 運を任せて引く阿弥陀籤 草栞
7 進級後初の席替へ盛り上がり 茨 春
8 桜吹き入れ窓辺明るし 里代 春
ウ
9 四月馬鹿来賓祝辞次々と 水 春
10 ところえらばぬ居眠りもわざ 角
11 ビル街の公園もこむ昼休み 蘭
12 今年の夏は晴れの少なし 茨 夏
13 狂言の舞台想はす蝸牛 栞 夏
14 てくてく句碑をめぐる鎌倉 角
15 切通抜けて日向に梅二輪 水 春 きりどおし ひなた
16 つなげばぬくし白ききみの掌 蘭 春恋
17 陽炎の身をひとすじに貫いて 真葛 春恋
18 ボーカロイドの歌姫の恋 代 恋
19 職人の技も終には見破られ 栞
20 忘れ花咲く聖堂の門 水 冬花
21 同窓会みな何かしら若づくり 茨
22 シェフの手元にしばし見惚るる 代
二オ
23 赤子抱くネイルアートにラメ光り 水
24 なびく幟の褪せし紺色 葛
25 名物のほうとう旨し甲州路 阿紗
26 落ち穂拾ひの人は何処に 栞 秋
27 やまもとに点る家の灯雁のこゑ 角 秋
28 子らの帰宅をせかすゆふ月 蘭 秋月
29 釣り堀によもや坊主はをらぬらん 茨
30 柳の下でする待ち惚け 水 春
31 空へ漕ぐ負けず嫌いの半仙戯 代 春
32 ひばりの名乗り耳鳴りのごと 角 春
33 行きずりのジャムセッションも興に入り 栞
34 無料のティッシュ受け取らぬ人 水
35 ともかくも買ひ出しに出る年の暮 蘭 冬
36 秘伝のたれで囲む鱈ちり 紗 冬
二ウ
37 パンドラの箱は今宵も閉ざされて 代
38 銀箔押しの抱一の櫛 水
39 芸術は眼とこころとの保養なり 茨
40 裸身眩き騎上のGODIVA 栞
41 貴婦人と呼ばれし樺に逢いにゆき 水
42 霧のヴェールにかすむみづうみ 角 秋
43 尾根に出て視界ひらけり秋の富士 蘭 秋
44 娘かたづき風の身に入む 茨 秋
45 望の月肩を寄せ合う道祖神 水 秋月
46 旅立つ前に外す表札 栞
47 みちのくに遊行詩人の跡追つて 蘭
48 蕎麦街道を吹きすさぶ東風 角 春
49 愛車駆り花の名所を見て回る 茨 春花
50 千社札買ふ春の夕暮 代 春
三オ
51 頃合を量りてそつと手をつなぎ 栞 恋
52 はまかぜ揺らす亜麻色の髪 蘭
53 名を馳せた陸サーファーも夢のあと 水 おか
54 孫に翻弄されてへとへと 角
55 就活の次は婚活春疾風 水 春
56 一段目だけ飾る雛壇 茨 春
57 納税期済まぬと他事は手に付かず 角 春
58 昼飯代はり二個の草餅 蘭 春
59 フランスに行きたき思ひ褪せぬまま 葛
60 マフラー巻いて通ふ名画座 栞 冬
61 そそくさと独りで済ます冬至粥 代 冬
62 視力あやしき目にも月冴ゆ 角 冬月
63 PCは2時間ごとに休むべし 茨
64 思わくはずれ今日の円高 水
三ウ
65 ケチ徹しハワイ旅行の旅費浮いて 蘭
66 人生はじめて食すスッポン 角
67 いつになく精気漲る夏の宵 栞 夏
68 仕立下ろしの浴衣嬉しき 代 夏
69 遠く聴く祭囃子に胸躍る 茨 夏
70 後家となりにし初恋のひと 角 恋
71 教科書に書いた相合い傘ばれて 水 恋
72 ピタゴラスでも解けぬ難題 葛
73 見上げても形わからぬ大宇宙 蘭
74 受賞の行方神のみぞ知る 栞
75 ねらふほどなかなか来ない本命よ 茨
76 嫦娥逃げゆく皆既月蝕 水 秋月
77 返杯を遠慮せぬ妻花灯籠 角 秋花
78 はららご飯に膝を崩して 葛 秋
名オ
79 出張の収支たいてい赤字なり 蘭
80 給湯室で淹れるブラック 茨
81 プレゼンは先手必勝リハーサル 代
82 弾む会話で決まる合コン 角
83 玉の輿ならよろこんで婿養子 茨
84 営業トーク職業病で 水
85 一族の多さ実感する法事 蘭
86 今ふた度の十三夜待つ 栞 秋月
87 触れもせでほろほろ落つる小紫 角 秋
88 細水指で風炉名残茶事 代 秋
89 松虫に足の痺れをからかはれ 水 秋
90 師匠めあてに小唄手習ひ 茨 恋
91 プロフィール写真内緒で壁紙に 栞 恋
92 ハートおねだりはまるツムツム 蘭
名ウ
93 禍をくぐり生きてるだけで儲けもん 角 か
94 それにつけてもはやき月日よ 茨
95 花粉症ひとより先に春を知り 角 春
96 君に留まりし蝶を羨む 水 春恋
97 畑を打つ嫁御はマキシワンピ着て 紗 春恋
98 命授かり心うららか 栞 春
99 ひま人と花の陣取り命じられ 蘭 春花
挙句 はや色に出るワンカップ酒 茨
経過は#jrenga
連歌懐紙版 PDF
※定座は守っても守らなくてもよい。四花四月〜七月。
____________________________________
初折表 123456月8 (1〜8) 花一つ、月一〜二つ
初折裏 12345678月012花4 (9〜22) __________
二折表 123456789012月4 (23〜36) 花一つ、月一〜二つ
二折裏 12345678月012花4 (37〜50)__________
三折表 123456789012月4 (51〜64) 花一つ、月一〜二つ
三折裏 12345678月012花4 (65〜78)__________
名残表 123456789012月4 (79〜92) 花一つ、月一つ
名残裏 123456花8 (93〜100)_________
作法式目
貞享式海印録
付け転じ方
写真借用はフォト蔵さん
57 納税期済まぬと他事は手に付かず 角 春
58 昼飯代はり二個の草餅 蘭 春
59 フランスに行きたき思ひ褪せぬまま 葛
60 マフラー巻いて通ふ名画座 栞 冬
61 そそくさと独りで済ます冬至粥 代 冬
62 視力あやしき目にも月冴ゆ 角 冬月
63 PCは2時間ごとに休むべし 茨
64 思わくはずれ今日の円高 水
三ウ
65 ケチ徹しハワイ旅行の旅費浮いて 蘭
66 人生はじめて食すスッポン 角
67 いつになく精気漲る夏の宵 栞 夏
68 仕立下ろしの浴衣嬉しき 代 夏
69 遠く聴く祭囃子に胸躍る 茨 夏
70 後家となりにし初恋のひと 角 恋
71 教科書に書いた相合い傘ばれて 水 恋
72 ピタゴラスでも解けぬ難題 葛
73 見上げても形わからぬ大宇宙 蘭
74 受賞の行方神のみぞ知る 栞
75 ねらふほどなかなか来ない本命よ 茨
76 嫦娥逃げゆく皆既月蝕 水 秋月
77 返杯を遠慮せぬ妻花灯籠 角 秋花
78 はららご飯に膝を崩して 葛 秋
名オ
79 出張の収支たいてい赤字なり 蘭
80 給湯室で淹れるブラック 茨
81 プレゼンは先手必勝リハーサル 代
82 弾む会話で決まる合コン 角
83 玉の輿ならよろこんで婿養子 茨
84 営業トーク職業病で 水
85 一族の多さ実感する法事 蘭
86 今ふた度の十三夜待つ 栞 秋月
87 触れもせでほろほろ落つる小紫 角 秋
88 細水指で風炉名残茶事 代 秋
89 松虫に足の痺れをからかはれ 水 秋
90 師匠めあてに小唄手習ひ 茨 恋
91 プロフィール写真内緒で壁紙に 栞 恋
92 ハートおねだりはまるツムツム 蘭
名ウ
93 禍をくぐり生きてるだけで儲けもん 角 か
94 それにつけてもはやき月日よ 茨
95 花粉症ひとより先に春を知り 角 春
96 君に留まりし蝶を羨む 水 春恋
97 畑を打つ嫁御はマキシワンピ着て 紗 春恋
98 命授かり心うららか 栞 春
99 ひま人と花の陣取り命じられ 蘭 春花
挙句 はや色に出るワンカップ酒 茨
経過は#jrenga
連歌懐紙版 PDF
※定座は守っても守らなくてもよい。四花四月〜七月。
____________________________________
初折表 123456月8 (1〜8) 花一つ、月一〜二つ
初折裏 12345678月012花4 (9〜22) __________
二折表 123456789012月4 (23〜36) 花一つ、月一〜二つ
二折裏 12345678月012花4 (37〜50)__________
三折表 123456789012月4 (51〜64) 花一つ、月一〜二つ
三折裏 12345678月012花4 (65〜78)__________
名残表 123456789012月4 (79〜92) 花一つ、月一つ
名残裏 123456花8 (93〜100)_________
作法式目
貞享式海印録
付け転じ方
写真借用はフォト蔵さん
2014年7月9日水曜日
【満尾】第五千句第二百韻『炎昼の』の巻
百韻『炎昼の』の巻
2014.7.9〜8.8
発句 炎昼の女体のふかさはかられず 楸邨 夏
脇 しぐさもゆかし路地の打ち水 春蘭 夏
第三 いつきても飽きることなき古都の旅 野茨
4 杉玉みれば試飲三昧 杜角
5 はいはいと医者の忠告聞き流し 蘭
6 徹夜の読書もはや有明 茨 秋月
7 虫時雨おのづとそなふハーモニー 角 秋
8 運動会の迷子呼び出す 里代 秋
裏
9 道ばたに鼻をくすぐる露店出て 蘭
10 かすみ立ち籠む梅林の里 茨 春
11 早々と雛をしまふも縁遠く 曙水 春
12 春眠さめて二度寝する日々 真葛 春
13 弁当を持たせキッスで送る主 角 恋
14 鬼の居ぬ間の個人レッスン 草栞 恋
15 サッカーのプロにするのが親の夢 茨
16 千手観音汗し眺むる 代 夏
17 帰省子を責めるが如く鳴く杜鵑 蘭 夏
18 水場にかかる細き夏月 葛 夏月
19 ゆふさればさわさわ風にさやぐ葦 角
20 散歩も犬で様になりたり 茨
21 まっ盛り心は花に浮き立ちて 蘭 春花
22 都踊にそぞろ繰り出し 栞 春
二表
23 恋はさが身は老いぬれどいまだ春 角 春恋
24 抱かれし日々波のごとくに 代 恋
25 戦争を知らぬ孫子は勇ましく 葛
26 行進曲はAKBで 水
27 人生は明日へ続く長い道 茨
28 苦があってこそ深きよろこび 蘭
29 頂きは視界さえぎるものもなし 角
30 自分撮りして呟くが趣味 水
31 一番の美女探し出す魔法にて 栞
32 林檎を齧る口も可愛く 代 秋
33 ござ敷いて秋の野遊びはしゃぐ子ら 茨 秋
34 千草の花を冠に編む 角 秋
35 ふるさとをふと思はする眉の月 蘭 秋月
36 嫂と云ふ気にかかる人 葛
二裏
37 道ならぬ恋の話に盛り上がる 代
38 懲りずうはきの虫のうごめく 茨
39 道具屋に蚊遣りの豚を値引かせて 水 夏
40 一服がてら茶屋で白玉 角 夏
41 かまくらや梅雨の合間の空を鳶 蘭 夏
42 あるかなきかの薄物の縞 代
43 黒髪のみだれつくろふ後朝に 茨 恋
44 金釘流の文の恥づかし 葛 恋
45 真贋の鑑定めぐり論争す 栞
46 遺産相続無いなりにもめ 角
47 銀行の窓あかあかと年の暮 代 冬
48 月に誘はれつっかけで出る 蘭 冬月
49 唐橋のたもとに揺れる花万朶 栞 春花
50 ふらここに乗り天に近寄る 水 春
三表
51 少女らのほつれ毛なでて風光る 茨 春
52 若さは特権今を悔ひなく 角
53 熱弁も正論もみな呑みしヤジ 葛
54 澄まし顔にて呉越同舟 栞
55 離婚すらできずに家庭内別居 蘭
56 そぞろ身に染む須磨の秋風 代 秋
57 遥かなる都や月は同じくも 角 秋月
58 隣街から秋祭りの音 水 秋
59 清貧の膳には贅か菊膾 茨 秋
60 つい過ごしがち旧友との酒 蘭
61 長ばなし相槌打つて聞き流し 角
62 手術中のランプ見守る 水
63 キューを出す頃合い計る助監督 栞
64 いつしか異名アメフラシとや 茨
三裏
65 デートには小雨はむしろ好ましき 蘭 恋
66 月さまと呼ぶ声も朧に 代 恋春
67 睡魔きてあことねころぶ花むしろ 角 花春
68 そつと近づく雀の子居て 栞 春
69 神ほとけ人をいざなふ慈悲の道 茨
70 標本箱に並ぶ斑猫 水 夏 はんみょう
71 夏休み自由研究親がやり 蘭 夏
72 新旧不問ゴジラ対決 葛
73 非日常こそ日常のカンフル剤 角
74 BGMはハリーポッター 代
75 コンピュータ相手のチェスで苦戦する 栞
76 地道に歩む出世街道 水
77 報・連・相休まず遅れず働かず 茨
78 民族移動盆の月見て 代 月秋
名表
79 幾山河つまとこえきし夏の果 蘭 秋
80 声をかぎりにひぐらしのなく 角 秋
81 子規庵の大鳥籠も露に濡れ 栞 秋
82 ぬしなき庭を飾る鶏頭 茨 秋
83 おもひ断ちタンスの肥やし捨てにけり 角
84 修道院になどかあくがる 代
85 ははこひしうきぐもひとつゆくみそら 蘭
86 残りめしにておかかおにぎり 角
87 勉強は自立のためと心得て 茨
88 窓の雪見て穴ごもりする 栞 冬
89 榾の火にじつとみいれば時忘れ 蘭 冬
90 今さらながら不倫小説 葛
91 十六夜の月やちまたのさんざめき 角 秋月
92 光悦垣に紅葉散り敷く 代 秋
名裏
93 露の身をあたら死闘に明け暮れて 茨 秋
94 岨の枯木に何を孤鴉なく 蘭 こあ
95 故郷の塒を後に三度笠 栞
96 どうやら嵐去りししののめ 角
97 太公望間隔たもち並びをり 茨
98 池の土手には土筆群ら立つ 蘭 春
99 城あとに花爛漫と咲き匂ひ 角 春花
挙句 見立てをかしき山の雪形 茨 春
※定座は守っても守らなくてもよい。四花四月〜七月。
____________________________________
初折表 123456月8 (1〜8) 花一つ、月一〜二つ
初折裏 12345678月012花4 (9〜22) __________
二折表 123456789012月4 (23〜36) 花一つ、月一〜二つ
二折裏 12345678月012花4 (37〜50)__________
三折表 123456789012月4 (51〜64) 花一つ、月一〜二つ
三折裏 12345678月012花4 (65〜78)__________
名残表 123456789012月4 (79〜92) 花一つ、月一つ
名残裏 123456花8 (93〜100)_________
作法式目
付け転じ方
写真借用はフォト蔵さん
2014年5月29日木曜日
夜の寝覚 末尾断簡発見される 翻刻トライ!
2014年1月7日火曜日
【満尾】第五千句第一百韻『松すぎの』の巻
百韻『松すぎの』の巻
2014.1.7〜2.16
発句 松すぎのはやくも今日といふ日かな 万太郎 新年
脇 ふくら雀の集ふ陽だまり 春蘭 冬
第3 待合の席和みたる大茶会 草栞
4 やゝ酒気帯びて口もなめらか 野茨
5 話すたび逃がした魚成長し 真葛
6 にはかに夕霧たち籠める川 蘭 秋 せきむ
7 月見んと駿馬を駆りて目指す丘 栞 秋月
8 世に打つて出る秋は今ぞや 茨 秋 とき
ウ
9 呟いてあっと言ふ間の流行語 葛
10 相変らずの御用新聞 栞
11 支持率の世論調査のうたがはし 蘭
12 嫌よ嫌よの空気読めずに 曙水
13 押せば引く引けば押し来る女波 茨 恋
13 自らの台詞に酔ひて愛捧ぐ 栞 恋
14 目瞑りてさすルージュ完璧 葛 恋
15 プレゼンのイメリハ済ませ不安消え 蘭
16 営業ゑがお板につく頃 水
17 村おこし都市の祭りと交流し 蘭 夏
18 B級グルメ帰省土産に 栞 夏
19 駅ナカはコンビニ超えてモール化す 茨
20 目にまぶしきや春のよそほひ 蘭 春
21 いつの世も立ち去り難き花のもと ね子 春花
22 蓬摘みつつしのぶ亡き人 茨 春
二オ
23 悪童の灸すえられし語り草 葛
24 詮なきことに波瀾万丈 栞
25 引退後即出版の手際良さ 水
26 次から次とアイドルユニット 茨
27 流行は追はず知らぬ間流されて 蘭
28 あなたに染まれ選ぶ白無垢 水 恋
29 ふたごころ隠し切れずになみだ色 葛 恋
30 いかにいくべき浮舟の身は 茨
31 清教徒海原を越え大陸へ 栞
32 家族は勇気出づる源泉 蘭
33 七五三母が一番写り良く 水
34 から風吹けば雲は離れて 栞 冬
35 ひとり寝の布団に差せる月の影 葛 冬月
36 くしゃみをしてももどる静寂 茨 冬
二ウ
37 「やっほー」の「ほー」の形の口のまま ね
38 ムンクに会いに渡るこの橋 水
39 人形の家捨て去りし女あり 栞
40 だれも人生書けば小説 茨
41 忘却は過去の美化には都合よく 蘭
42 チーズと云ひてVサインする 葛
43 同窓会ビンゴゲームで大当たり 茨
44 注目される括弧旧姓 栞
45 マンネリに飽きて手書きで年賀状 蘭 新年
46 ヘタウマ御免豚に似た馬 葛
47 新妻の手料理すべて創作で 水
48 蓙に陣取る丘の若芝 茨 春
49 花開く時を謳歌の果てもなし 栞 春花
50 捲土重来期して春眠 葛 春
三オ
51 世を忍ぶ仮の姿は陶芸家 茨
52 茅葺き民家で手打ちそば店 蘭
53 わが夢に妻おいそれと乗つて来ず 茨
54 リケジョにレキジョ多忙女子増え 水
55 デートでは話題もネットで下調べ 蘭 恋
56 ハネムーンの地に思はざる危機 葛 恋
57 襲撃の疑惑は永遠に闇の中 栞
58 山葵ひそりと隠し味にて 水 春
59 だめ元で手はみな試す花粉症 茨 春
60 かすめる月や昼のねむたさ 蘭 春月
61 大戸より入りし物盗り誰も見ず 葛
62 拍子抜けするビフォア・アフター 栞
63 原作を変へて感動なき映画 茨
64 柳の下に二匹めは居ず 水 夏
三ウ
65 端居して財布重たき客を待つ ね 夏恋
66 汗さえ見せぬ白きうなじに 水 夏恋
67 紫のゆかり想ひて涙する 栞 恋
68 古典熟読寿大学 茨
69 かはらない若さの秘訣好奇心 蘭
70 血気盛んな相棒の範 栞
71 キャッチャーのサイン通りに球しずみ 水 夏
72 無欲が招く巨額契約 葛
73 リニア線過疎地ばかりを縫つて敷き 茨
74 障害物越ゑスノーボーダー 水 冬
75 氷上で聴き初む曲に翳ありて 栞 冬
76 ラジオかけつつ日永釣する 蘭 春
77 みづどりの澪をひきゆく花筏 茨 春花
78 あの世へ向かふ遍路道なり ね 春
ナオ
79 あん住を打ち破り出て草まくら 蘭
80 お任せツアーは実にお気楽 茨
81 懐メロについ釣り込まれ唱和して 蘭
82 思はず腕を組んで睨まれ 栞
83 心せよここはウォールストリート 葛
84 山出しなれば宵越しの銭 水
85 国産の木材の良さ見直され 茨
86 「手に職つけろ」親の口癖 蘭
87 代々の田に水張り終ゑて映る月 水 夏月
88 蒲の穂ゆれてサヨナラを言ふ ね 夏
89 ハンカチをそつと渡して汽車に乗り 栞 夏恋
90 おぼつかなしや末の変心 茨 恋
91 余計なる選挙昨今はやりをり 蘭
92 威信かけるも受くる冷笑 栞
ナウ
93 野良犬が街の通りにたむろして 茨
94 育ちの良さは隠しおおせず 水
95 ゴミ出しに背筋のばして令夫人 蘭
96 遠く白富士風光る坂 茨 春
97 入日差す愛宕の山に奴凧 栞 春
98 故郷おもへば鐘朧なる 蘭 春
99 身を任し川面たゆたふ花見舟 茨 春花
挙句 畔の柳新芽美し 蘭 春
・・・経過は#jrenga
※定座は守っても守らなくてもよい。四花四月〜七月。
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初折表 123456月8 (1〜8) 花一つ、月一〜二つ
初折裏 12345678月012花4 (9〜22) __________
二折表 123456789012月4 (23〜36) 花一つ、月一〜二つ
二折裏 12345678月012花4 (37〜50)__________
三折表 123456789012月4 (51〜64) 花一つ、月一〜二つ
三折裏 12345678月012花4 (65〜78)__________
名残表 123456789012月4 (79〜92) 花一つ、月一つ
名残裏 123456花8 (93〜100)_________
初折表 123456月8 (1〜8) 花一つ、月一〜二つ
初折裏 12345678月012花4 (9〜22) __________
二折表 123456789012月4 (23〜36) 花一つ、月一〜二つ
二折裏 12345678月012花4 (37〜50)__________
三折表 123456789012月4 (51〜64) 花一つ、月一〜二つ
三折裏 12345678月012花4 (65〜78)__________
名残表 123456789012月4 (79〜92) 花一つ、月一つ
名残裏 123456花8 (93〜100)_________
作法式目
付け転じ方
写真借用はフォト蔵さん
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