2008年11月30日日曜日
2008年11月26日水曜日
江戸川柳を味わう
class:
本
『江戸川柳を味わう ー誹風柳多留全巻の名句鑑賞ー』東井淳
抜粋
江戸川柳と言えば、とかく、風刺、諧謔を主体とするおかしさだけが強調されがちであるが、実際には詩的抒情あるれる現代的作品が数多く存在しているのである。
川柳界の現状をよくながめてみるといわゆる古川柳および江戸川柳と言われる明治初期までの川柳と、それ以後の近代川柳および現代川柳と称される川柳とにおいて、何か異質の文学であるかのような錯覚が存在しているようである。
現代川柳作家は古川柳を軽んじる傾向があり、また、古川柳研究家は現代川柳を鑑賞するということはないようである。
本書は主に。。。狂句調時代の詩的柳句を、全「柳多留」の中から現代川柳作家の目で拾い出したものである。
流行唄覚える頃に最うすたり 151篇
読経に美音のまじる嵯峨の奥 143
世を辞して寝心広き四畳半 142
美しいものできたない化粧部屋 141
鐘無くば暮れるも知らじ雪の庵 138
初雪や鹿の足跡割り胡桃 129
神前へ世界の無理が溜つてる 123
梅が枝にこよりを残す春の雨 別・中
借りに来た時は正直そうな顔 121
風のくる度に隣の梅をほめ 119
人間万事さまざまの馬鹿をする 117
埋み火もやせて炬燵にもの思い 101
性は善なりモシ何か落ちました 101
そのままに買いたき雪の一軒家 79
大みそか命別条ないばかり 68
明ぬるも暮るるも同じ鐘の声 67
果てはみな仏の道に落葉かな 64
ところてんつきのめされてかしこまり 48
血達磨のじつは本来無一物 47
這えば立て立てば歩めの親ごころ 45
一年を二十日で暮らすいい男 44
俳句と川柳
よろしくない俳句・短歌
水府風川柳の練習
2008年11月22日土曜日
2008年11月12日水曜日
歌仙『秋に立つ』
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連歌俳諧
発句 秋に立つ旅さへあては吉野山 春蘭
脇 月をめざして山越ゆる雁 百
第三 刈田面隠者の影の揺れるらむ 合
四 拾ふ落穂に袂ふくるる 蘭
五 年木樵蓑笠つけて枝払ひ 百
六 暮れた苫屋にしばし宿借り 合
ウ一 美麗なる武者絵に精魂かたむけて 蘭
二 滝修行せし清めたる身を 百
三 雨乞ひのあやしき呪文口籠り 蘭
四 小松を植ゑて記念にしたる 合
五 まぼろしの兜跋国をば探しゆく 百
六 思ひがけなく出遭ふ緑泉 蘭
七 忍ぶれど墨染めの身の色香まし 百
八 未練がましき蝉のこゑかな 蘭
九 蚊遣火の子を寝かしたる月を待ち 合
十 秘蔵の古酒をそそぐ古伊万里 蘭
十一 花陰の世捨て人にも笑ひ声 百
十二 髪に小手毬風にこぼれて 合
ナ一 安曇野に光あふるゝ春の水 蘭
二 開山遠忌幡翻る 百
三 早暁に般若心経書き終へて 蘭
四 乳しぼるままこぼるる涙 合
五 弓張に来世も共と誓ひ合ふ 蘭
六 一夜限りの月下美人待ち 合
七 深き野をはるばる鞍に露分けて 蘭
八 虚空のぞめば燃える水煙 〃
九 音もせぬ猫の隠れ家タマイブキ 合
十 軽口ほどに溶ける初雪 〃
十一 是非もなく神籤で決まる社守 蘭
十二 綴れを纏い墨磨る夜は 合
ウ一 こし方を思ひ物狂ほしくなり 蘭
二 魂うらぬ身こそ誉れぞ 〃
三 われこそは源氏の君の血筋ぞと 百
四 衣香匂へる舞ひのうつくし 蘭
五 掉させど流れの速き花筏 合
挙句 同行二人春の虹たつ 百
2008.10.27〜2008.11.12
2008年11月6日木曜日
歌仙『青空と』の巻
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連歌俳諧
句集『時の舟』上梓記念興行
歌仙『青空と』の巻
起首 2008.10.22
満尾 2008.11.6
発句 青空と同じ広さに秋桜 百 秋
脇 蜻蛉の目がね遠く見てゐる 草栞 秋
第三 十三夜水影ゆれる能舞台 みかん 秋月
四 潮みちくらし浜の浦風 春蘭
五 老鶯の鳴いてバス停バスは来ず 亮 夏
六 牛が道路を占拠する村 青波
ウ一 まみ深き裸足の行者慕ひきて 木槿
二 乱れた髪に揺れるかんざし 合 恋
三 君写す魔法の鏡持つてたら 栞 恋
四 宇宙船まで持ち行くものを 百
五 酔ひ止めに梅干し臍に貼り付けて 蘭
六 飲めもせぬのに選ぶカクテル み
七 照り映える紅葉の色を目の前に 波 秋
八 美術の秋の大琳派展 亮 秋
九 立ち並ぶビルの隙間に月かすか 合 秋月
十 解散選挙遠のきにけり 槿
十一 ドラ声の邪魔が入らぬ花見宴 波 春花
十二 紋白蝶の子らに追はれて 百 春
ナ一 風光る引込線に止まる貨車 み 春
二 君に土産の草だんご下げ 槿 春
三 噂ではなかなかもてるマメをとこ 亮
四 やり手婆にそそのかさるる 栞
五 榾あかり寝入る武蔵をねらふ影 蘭 冬
六 松風を聞く軒の寒干し 合 冬
七 ボタ山の黒黒としてのしかかる 亮
八 君待ちきれず仰ぐ銀漢 百 秋恋
九 鵲に機織り姫の文託し 栞 秋恋
十 数珠玉つなぎペア・ブレス結ふ み 秋恋
十一 学芸会道具係りは忙しい 波
十二 月は涼しき顔でいませり 蘭 夏月
ウ一 母恋し夢の中ではまだ子ども 槿
二 間々に取り出す宮沢賢治 亮
三 なだらかな稜線描く過疎の村 合
四 ゆかりの井戸の釣瓶あたらし み
五 凡愚われ花の浄土を遠くして 百 春花
挙句 時に乗りあふ夕東風の舟 槿 春
( 捌き 春蘭 )
2008年11月5日水曜日
レッドクリフ(赤壁)
class:
映画
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