2009年7月22日水曜日
歌仙『草を引く』
class:
連歌俳諧
歌仙『草を引く』
2009.7.7〜7.21
発句 草を引く隣の嫁の薄化粧 みかん 夏恋
脇 洗ひ髪にも胸のときめき 草栞 夏恋
第三 変はらぬと言はれてうれし同期会 春蘭
四 へそくりを出すコンビニバンク 百
五 名月に銘酒も有りて不足無し 青波 秋月
六 猫の戸口にかよふ秋風 木槿 秋
ウ
一 転がりし将棋の駒に虫時雨 合 秋
二 お釣りがないと申す宅配 蘭
三 待つひとのふみは届かぬもの思ひ 槿
四 古いパソコン時にむずかる 波
五 初期化して綺麗さつぱり縁を切り 栞
六 心臓大の地球儀を置く 合
七 「点」潰す冬の「剣」を測量す 百 冬
八 行李の紐の凍てて残月 槿 冬月
九 家を出て行方定めぬはぐれ鳥 波
十 十八番の紫煙笑って下せぇ 合
十一 花の道蛇の目かざした男伊達 蘭 春花
十二 焼き蛤に温め酒よし 百 春
ナオ
一 菜種梅雨東海道のにしひがし 槿 春
二 霞いちめん日はいづくにか 栞 春
三 三代目無頼派なんて気取っても 合
四 妻の実家に悟られぬよう 百
五 この年で習い始めたジャズダンス 波
六 先生にあへるだけでしあはせ 蘭 恋
七 質問をされてうつとり声もなし 栞 恋
八 美人過ぎたる市議は迷惑 槿
九 通り雨小鳥の歌の涼しさよ 百 夏
十 山際にある己が茅屋 波
十一 仕合せを行ったり来たり今日の月 合 秋月
十二 余所から秋刀魚匂ふ夕暮れ 蘭 秋
ナウ
一 柿の木の枝折れやすくたわわなり 槿 秋
二 今年は物を貰わなかった 波
三 郊外に自給自足の畠借りて 蘭
四 春宵一刻乾坤に満つ 栞 春
五 マイツリー三日も早き花暦 百 春花
挙句 新入社員も先を競はん 合 春
捌き 草栞
写真提供は草栞さん。
2009年7月21日火曜日
歌仙『咲く場所は』
class:
連歌俳諧
歌仙『咲く場所は』
2009.7.3〜7.21
発句 咲く場所はここよと雨に導かれ シアラ 恋
脇 止まり木に待つ名も知らぬひと 春蘭 恋
第三 なぐさめのハンカチの白がなお悲し シアラ 夏
四 ラムネ飲みつつ試合反省 蘭 夏
五 ビヤガーデン月と目が合い会釈する シアラ 夏月
六 怖いものなどなにもないのさ 蘭
裏
一 青春はこゝろ次第でエンドレス 蘭
二 永遠につづくネヴァーランドまで シアラ
三 ポップスの王をとむらふ人の列 蘭
四 エンドロール後も涙止まらず シアラ
五 開拓に異国へ向かふ船の銅鑼 蘭
六 線になるまで寄り添いし月 シアラ 秋月
七 かりがねの渡る山脈際立ちて 蘭 秋
八 紅葉手かざす幼子のV シアラ 秋
九 お土産をもってお客がやってくる 蘭
十 一目散に犬に頬ずり シアラ
十一 まなむすめ嫁ぎてひとりながむ花 蘭 春花
十二 影朧にて色や哀しげ シアラ 春
名残表
一 入学の装いに齢あらわれし シアラ 春
二 苔むす露地の濡れて清けき 蘭
三 傷心で向かいし古都に我を待つ シアラ
四 女将に習ふ和食教室 蘭
五 クリスマス意表をついて出すメニュー シアラ 冬
六 山の焚火は馳走なりけり 蘭 冬
七 蒼穹にあまねく星のまたゝいて 蘭
八 肩に頬乗せプラネタリウム シアラ 恋
九 首玉に白きかひなを巻き付けて 蘭 恋
十 深呼吸して見る病室の窓 シアラ
十一 さまざまなことおもひ出す紅い月 蘭 秋月
十二 歩をゆるめつつススキ野原を シアラ 秋
名残裏
一 おまえもか離れたくない赤とんぼ シアラ 秋
二 高音のつらき影法師かな 蘭
三 外タレの今日はダメよの一声で シアラ
四 慮外にうけるヘタレ芸人 蘭
五 風を分け意のままに行く花筏 シアラ 春花
挙句 ただで帰らぬ性の摘み草 蘭 春
写真提供はフォト蔵さん
2009年7月20日月曜日
2009年7月14日火曜日
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