2014年9月7日日曜日

【満尾】第五千句第三百韻『この道や』の巻


                      百韻『この道や』の巻   
                                                                                  2014.9.7〜10.14

発句  この道や行く人なしに秋の暮      芭蕉  秋
脇     森の奥より小牡鹿の声       野茨  秋  さおじか
第3  月影の茅舎にはかに輝いて       杜角  秋月
4     酒を土産に遠来の友        春蘭     みき
5   笊碁にて長考しても手は同じ      曙水
6     運を任せて引く阿弥陀籤      草栞
7   進級後初の席替へ盛り上がり       茨  春  
8     桜吹き入れ窓辺明るし       里代  春

9   四月馬鹿来賓祝辞次々と         水  春
10    ところえらばぬ居眠りもわざ     角       
11  ビル街の公園もこむ昼休み        蘭
12    今年の夏は晴れの少なし       茨  夏
13  狂言の舞台想はす蝸牛          栞  夏
14    てくてく句碑をめぐる鎌倉      角
15  切通抜けて日向に梅二輪         水  春  きりどおし ひなた
16    つなげばぬくし白ききみの掌     蘭  春恋
17  陽炎の身をひとすじに貫いて      真葛  春恋
18    ボーカロイドの歌姫の恋       代  恋
19  職人の技も終には見破られ        栞
20    忘れ花咲く聖堂の門         水  冬花
21  同窓会みな何かしら若づくり       茨
22    シェフの手元にしばし見惚るる    代
二オ
23  赤子抱くネイルアートにラメ光り     水
24    なびく幟の褪せし紺色        葛
25  名物のほうとう旨し甲州路       阿紗
26    落ち穂拾ひの人は何処に       栞  秋
27  やまもとに点る家の灯雁のこゑ      角  秋
28    子らの帰宅をせかすゆふ月      蘭  秋月
29  釣り堀によもや坊主はをらぬらん     茨
30    柳の下でする待ち惚け        水  春
31  空へ漕ぐ負けず嫌いの半仙戯       代  春
32    ひばりの名乗り耳鳴りのごと     角  春
33  行きずりのジャムセッションも興に入り  栞
34    無料のティッシュ受け取らぬ人    水
35  ともかくも買ひ出しに出る年の暮     蘭  冬
36    秘伝のたれで囲む鱈ちり       紗  冬
二ウ
37  パンドラの箱は今宵も閉ざされて     代
38    銀箔押しの抱一の櫛         水
39  芸術は眼とこころとの保養なり      茨
40    裸身眩き騎上のGODIVA       栞
41  貴婦人と呼ばれし樺に逢いにゆき     水
42    霧のヴェールにかすむみづうみ    角  秋
43  尾根に出て視界ひらけり秋の富士     蘭  秋
44    娘かたづき風の身に入む       茨  秋
45  望の月肩を寄せ合う道祖神        水  秋月
46    旅立つ前に外す表札         栞
47  みちのくに遊行詩人の跡追つて      蘭
48    蕎麦街道を吹きすさぶ東風      角  春
49  愛車駆り花の名所を見て回る       茨  春花
50    千社札買ふ春の夕暮         代  春
三オ
51  頃合を量りてそつと手をつなぎ      栞  恋
52    はまかぜ揺らす亜麻色の髪      蘭
53  名を馳せた陸サーファーも夢のあと    水     おか
54    孫に翻弄されてへとへと       角
55  就活の次は婚活春疾風          水  春
56    一段目だけ飾る雛壇         茨  春
57  納税期済まぬと他事は手に付かず     角  春
58    昼飯代はり二個の草餅        蘭  春
59  フランスに行きたき思ひ褪せぬまま    葛
60    マフラー巻いて通ふ名画座      栞  冬
61  そそくさと独りで済ます冬至粥      代  冬
62    視力あやしき目にも月冴ゆ      角  冬月
63  PCは2時間ごとに休むべし       茨
64    思わくはずれ今日の円高       水
三ウ
65  ケチ徹しハワイ旅行の旅費浮いて     蘭
66    人生はじめて食すスッポン      角
67  いつになく精気漲る夏の宵        栞  夏
68    仕立下ろしの浴衣嬉しき       代  夏
69  遠く聴く祭囃子に胸躍る         茨  夏
70    後家となりにし初恋のひと      角  恋
71  教科書に書いた相合い傘ばれて      水  恋
72    ピタゴラスでも解けぬ難題      葛
73  見上げても形わからぬ大宇宙       蘭
74    受賞の行方神のみぞ知る       栞
75  ねらふほどなかなか来ない本命よ     茨
76    嫦娥逃げゆく皆既月蝕        水  秋月
77  返杯を遠慮せぬ妻花灯籠         角  秋花
78    はららご飯に膝を崩して       葛  秋
名オ
79  出張の収支たいてい赤字なり       蘭
80    給湯室で淹れるブラック       茨
81  プレゼンは先手必勝リハーサル      代
82    弾む会話で決まる合コン       角
83  玉の輿ならよろこんで婿養子       茨
84    営業トーク職業病で         水
85  一族の多さ実感する法事         蘭
86    今ふた度の十三夜待つ        栞  秋月
87  触れもせでほろほろ落つる小紫      角  秋
88    細水指で風炉名残茶事        代  秋
89  松虫に足の痺れをからかはれ       水  秋
90    師匠めあてに小唄手習ひ       茨  恋
91  プロフィール写真内緒で壁紙に      栞  恋
92    ハートおねだりはまるツムツム    蘭
名ウ
93  禍をくぐり生きてるだけで儲けもん    角    か
94    それにつけてもはやき月日よ     茨
95  花粉症ひとより先に春を知り       角  春
96    君に留まりし蝶を羨む        水  春恋
97  畑を打つ嫁御はマキシワンピ着て     紗  春恋
98    命授かり心うららか         栞  春
99  ひま人と花の陣取り命じられ       蘭  春花
挙句    はや色に出るワンカップ酒      茨

経過は#jrenga
連歌懐紙版 PDF

※定座は守っても守らなくてもよい。四花四月〜七月。
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初折表 123456月8       (1〜8)   花一つ、月一〜二つ
初折裏 12345678月012花4 (9〜22) __________
二折表 123456789012月4 (23〜36) 花一つ、月一〜二つ
二折裏 12345678月012花4 (37〜50)__________
三折表 123456789012月4 (51〜64) 花一つ、月一〜二つ
三折裏 12345678月012花4 (65〜78)__________
名残表 123456789012月4 (79〜92) 花一つ、月一つ
名残裏 123456花8       (93〜100)_________

作法式目
貞享式海印録
付け転じ方
写真借用はフォト蔵さん

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