2014年11月7日金曜日

【満尾】第五千句第四百韻『世にふるも』の巻


                      百韻『世にふるも』の巻   
                                                                                  2014.11.5〜12.3

発句  世にふるもさらに時雨のやどりかな   宗祇  冬
脇     散りて彩なすかさのもみぢ葉    春蘭  冬
第3  たぬき肥ゆ我が家の一味となりぬらむ  曙水
4     焦がした鍋を洗ふ夕暮       里代
5   後の月過ぎて今なほ輝けり       草栞  秋月
6     芒の原に聴きしビオロン      阿紗  秋
7   褒め合ひて差しつ差されつ新走り    真葛  秋
8     アラセブンにてやまひ知らずよ   野茨

9   持ち歌は中島みゆき一筋で        水
10    抱かれていたい夜が明けるまで    代  恋
10    いいひとどまりに終はる恋愛     蘭  恋
11  笑顔見せ心で泣いて汽車に乗る      栞  恋  両句に
12    クロワッサンとカフェオレの朝    代
13  無縁とは思ひつつ見る訃報欄       葛
14   「老人力」を読んでうとうと      紗
15  風雨でもついむきになり散歩して     蘭  
16    川の淀みに集ふ留鳥         茨
17  病葉にいざ鎌倉の道細し         代  夏
18    抹茶アイスでまずはもてなし     水  夏
19  夕月に幼な子揺れるハンモック      紗  夏月
20    読み聞かせたる絵本しまひて     栞
21  写真付きLINE飛び交ふ花便り     茨  春花
22    誘はれ易き峪の蝶々         葛  春
二オ
23  憧れの先輩今日卒業す          水  春恋
24    偶然装ひ駅でまちぶせ        蘭  恋
25  黙しても見透かされるや下心       栞
26    石榴裂けたる菩提寺の庭       代  秋
27  半纏のきりり決まりて冬支度       葛  秋
28    芋が煮えたと夫に呼ばれる      紗  秋
29  名月やとなりのうひ児なきやみぬ     蘭  秋月
30    いろはさらへばにほふ墨の香     茨
31  寺子屋は腕白揃ひよだれくり       代
32    解けぬ難題ひとつ咳         水  冬   しわぶき
33  レジ打って爪の手入れもこっそりと    紗
34    流行色に惑はされつつ        栞
35  服買つてやうやく機嫌なおる妻      茨
36    秘密の基地に蝉の抜け殻       葛  夏
二ウ
37  叡智だね彗星の尾を捕まえた       水
38    きみとの出逢ひこれも奇跡さ     蘭
39  狂ほしく若き情熱蘇り          栞  恋
40    ハーレーの腰しかと抱きしむ     代  恋
41  陽光を受けて眩しき海の青        葛
42    帰燕見送る島の灯台         紗  秋
43  辛抱のこもり奉公秋ととせ        蘭  秋
44    秘めし宿望誓ふ満月         茨  秋月
45  八戎はさらりと捨てて寺下る       代
46    ヒップホップが今日の体育      水
47  白山羊に不思議な顔でのぞかれて     紗
48    読まずに閉じた雛の添へ文      栞  春
49  相合ひの言はず語らず花篝        葛  春花恋
50    妬くやはるかぜ捲るスカート     茨  春恋
三オ
51  通学路急ぐ自転車立ち漕ぎで       水
52    あせの煌めきわかば照り映ゆ     蘭  夏
53  滝の音絶える間もなく谺せり       栞  夏
54    熊野古道で出会ふ修験者       代
55  顔に似ずバイリンガルの隠し技      葛
56    夜景を見せて甘く囁く        紗  恋
57  ゆきずりの刹那刹那は本気にて      蘭  恋
58    あいさつ代はり「今度飲もうよ」   茨
59  プリプリのエビチリが来て月今宵     代  秋月
60    菊花賞には肥ゆる馬居ず       水  秋
61  不器用な人思ひつつ秋の駅        紗  秋
62    間合をおいて二度鳴らすベル     栞
63  悪戯は小僧の糧となりぬべし       茨
64    神父の胸の銀の十字架        葛
三ウ
65  半世紀サンタクロースに見捨てられ    水  冬
66    おでん肴にボジョレ・ヌーボー    蘭  冬
67  割烹着脱いだ彼女は今何処        栞
68    キラキラ光る鴨川の海        代
69  思い出をぎっしり詰めて絵日記に     葛
70    土器のかけらに似せたクッキー    紗
71  好奇心あれば世界は刺激的        蘭
72    人見知りせぬ仔猫かはゆき      茨
73  椀種のしらうをの目にみつめられ     代  春
74    音羽屋を観に春ショール掛け     水  春
75  バーボンを飲んでほんのり朧月      紗  春月
76    花の都の灯も燃ゆ          栞  春花
77  待ちわびし愚図な彼よりプロポーズ    茨  恋
78    小町の轍を踏まず婚約        葛  恋
名オ
79  政党の名前が語る憂き世にて       水
80    かつ消え結ぶ淵のうたかた      蘭
81  叢に梔子香る仮の庵           栞  夏
82    腹の上だけのせる夏掛        代  夏
83  ジャンボくじお告げあったと大人買ひ   葛
84    集ふヲタクに二階みしみし      紗
85  トキワ荘昭和マンガの発祥地       蘭
86    生活感の醸すおもむき        茨
87  月高しカラオケ館といふビルに      代  秋月
88    二次会終えて虫すだく道       水  秋
89  朝寒のトースト焦げた匂ひして      紗  秋
90    黄落踏んで配る新聞         栞  秋
91  けふもまたテレビに暮れる日の早さ    茨
92    かなた熱愛こなた破局で       葛
名ウ
93  訳本もシェイクスピアは苦手なり     水
94    自慢くすぐり入れる合ひの手     蘭
95  もち上るはずが歳には逆へず       栞
96    ぬらりと逃げる寒釣の鮒       代  冬
97  歌詠みの夢は流れて千曲川        葛
98    かすみて分かちがたき天と地     茨  春
99  やすらかにハープ鳴らせば花の降る    紗  春花
挙句    いざ佐保姫の園へ参らむ       栞  春

経過は#jrenga

※定座は守っても守らなくてもよい。四花四月〜七月。
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初折表 123456月8       (1〜8)   花一つ、月一〜二つ
初折裏 12345678月012花4 (9〜22) __________
二折表 123456789012月4 (23〜36) 花一つ、月一〜二つ
二折裏 12345678月012花4 (37〜50)__________
三折表 123456789012月4 (51〜64) 花一つ、月一〜二つ
三折裏 12345678月012花4 (65〜78)__________
名残表 123456789012月4 (79〜92) 花一つ、月一つ
名残裏 123456花8       (93〜100)_________

作法式目
貞享式海印録
付け転じ方
写真借用はフォト蔵さん

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