2010年6月12日土曜日

連歌百韻『目にしみる』の巻




座・ツイッター連歌 @zrenga 2010.6.4〜6.11 #jrenga 連歌 俳諧 連句 
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1 発句  眼にしみる苔の御廟や鑑真忌    夏  草栞
1 発句  マズルカに揺れる故郷のあやめかな 夏  草栞
2 脇     吹かるゝままにまかす薫風   夏  私  (発句両句に)
3 第三  大広間ボンボン時計掛けられて      リュウ
3 第三  店先に玻璃の器を並べ立て        氷心
4       カランコロンと呼び出しのベル    彼郎女(3の両句に)
5     校庭を腰手拭ひの禿頭          不夜
6       時に変身ねずみ小僧で        海霧
7     高みへと少年跳びて月を蹴る    秋月 がじゅまる
8       金銀砂子棚田のうねり     秋  百

9     さらしなに遊子露けしからみ蕎麦  秋  私
10      寂しさばかりそぞろ身に入む  秋  栞
11    思い知る女心と秋の空       秋恋 彼郎女
12      口紅の味覚え初むるも     恋  不夜
13    赤紙を震はす君の泣き笑ひ     恋  氷心
14      軍事郵便一銭五厘          百
15    鳩兵の波郷の微熱下がらぬと       不夜
16      掃き清めたる小屋の隅々       氷心
17    帰れずにすすき河原の秘密基地   秋  がじゅまる
18      月面よぎる自転車の影     秋月 栞
19    秋の夜をポップコーンが弾け飛ぶ  秋  氷心
20      ディズニー通は帰る頃来る      私
21    花巡りあちらこちらに誘はれて   春花 不夜
22      胡蝶の恋は夢か現か      春恋 氷心
二オ
23    狂ほしく眠れぬままに春の鐘    春恋 栞
24      嫁菜を摘みし指の傷痕     春  彼郎女
24      ならのゝづらはかすみたつらん 春  私
25    写経する般若波羅蜜多はみだして     百(24両句に)
26      カタリ傾くジュリーの写真      不夜
27    黒き肌椰子の木漏れ日斑を作り      玄碩
28      帰路のクルーズシャンペンディナー  海霧
29    もう次にルパン三世ガンをつけ      百
30      女装は無理かとなでる青髭      私
31    どさ廻り子役スターもはたちすぎ     不夜
32      只人超えて罌粟粒に堕つ    夏  栞
33    誘惑の虫もあつめる走馬燈     夏  彼郎女
34      ほのと沈香にほふ濡れ縁       不夜
35    有明の月を寝息のにくいひと    秋月恋私
36      忘れ団扇に似顔したため    秋恋 栞
二ウ
37    きれぎれの情け残して別れ蚊帳   秋恋 百
38      大きな隈の目許うるわし    恋  彼郎女
39    見得を切る歌舞伎役者へ飛ぶ屋号     不夜
40      受けがいいのはハニードリンク    氷心
41    さつぱりと柚子湯を浴びて灯を点す 冬  栞
42      小愛男年用意する       冬月 リュウ
43    骨董市釜の蓋だけ何にする        百
44      卜伝流は一子相伝          不夜
44      護美とArtは際びめうなり     私
45    胎教によき楽をきく真剣さ        氷心(44両句に)
46      あいまいもこの梅雨の月あり  夏  百
47    涼風に晴雨兼用傘を干す      夏  彼郎女
48      隣家の刀自の江戸しぐさ美し     リュウ
48      真世に捧げるベルばら讃歌      栞
49    書きかけの和紙の便りに花数片   春花 海霧
50      夢を託して放つ風船      春  リュウ
三オ
51    行く春を惜しむかのよな影ふたつ  春  氷心
52      風に光りの縞走る湖      春  私
53    ヨットマン巧みに帆先操って       リュウ
53    暖かき雨にうたれる亀の子等    春  がじゅまる
54      艇庫の側の砂に足跡         不夜 (53両句に)
55    伝統の対校戦を見納めて         ふない
56      満を持してのコーチ就任       栞
57    ひな壇へフラッシュ雨と降り注ぎ     不夜
58      時の内閣奇兵隊らし         海霧
58      僕のハートはストップモーション 恋 氷心
59    夜も昼も想うは理系のやさ男    恋  玄碩
60      国文だけど話下手な娘     恋  ふない
61    合コンでもぢもぢ残つたもの同士  恋  私
62      甘いカクテル初めてのキス   恋  がじゅまる
63    ビル影は幾何学模様月涼し     夏月 不夜
64      蚊を叩く間に終わるテトリス  夏  彼郎女
三ウ
65    度胸決めお化け屋敷の最後の日   夏  海霧
66      社長呼び出し賃上げ迫る       不夜
67    営業の三羽がらすが酔いどれて      ふない
68      口約束は知らぬ存ぜぬ        栞
69    形見分けしたら出てきた遺言書      彼郎女
70      そつとのぞいてどつと冷や汗     私
71    驚かすつもりで裏の戸をくぐり      ふない
72      草の陰よりすだく虫の音    秋  不夜
73    箱根路を駕籠かき下る背なに月   秋月 海霧
74      湯気立ち昇る秋の朝焼け    秋  がじゅまる
75    珈琲は止して紅茶にしておくれ      氷心
76      文句いいつつ見入る昼ドラ      私
77    古民家の竃のぞく花の冷え     春花 百 (へっつい)
77    花守は継ぎますずいーっとご贔屓に 春花 リュウ
78      やんはり伸ばす畦塗りの腰   春  氷心(77両句に)
名オ
79    鶯の囀り少しフェルマータ     春  栞
80      口説き続けて終着駅まで    恋  リュウ
81    古女房騙し騙しの洗濯機      恋  がじゅまる
82      これ見よがしにパンフ集める     私
83    キッチンの隅にわづかな我が領土     不夜
84      御用はないか介護犬伏す       海霧
85    そんな目でこちら窺う健気さよ      彼郎女
86      オランダ坂の猫はいポーズ      栞
87    荒波に頬被して投げる餌      冬  不夜
88      長靴の中かゆい霜焼け     冬  リュウ
88      結果次第じゃ出るぞボーナス  冬  私
89    貯金する・しないで揉める雨の道     彼郎女(88両句に)
89    頑張ろう!掛け声だけの煤払い   冬  百  (88両句に)
90      明日になれば風向き変わる      不夜 (89両句に)
91    ビル街を睥睨してる真夜の月    秋月 リュウ
92      さんまを炙る屋上の人     秋  ふない
92      露けき肌の鉄人の吼ゆ     秋  がじゅまる
名ウ
93    あと一品どう料理する?松茸を   秋  栞  (92両句に)
93    表彰状その他は香港バスツアー      私  (92両句に)
94      アグネス・チャンは日本大好き    不夜 (93両句に)
95    地球儀で己の居場所確かめて       リュウ
96      小惑星の塵持ち帰り         海霧 
97    風光る空に手を振る幼子は     春  彼郎女
98      ほほえみさそうのどらかなうた 春  氷心
99    ほんのりと和紙染め上がる花の色  春花 百
100     家中揃ひて草餅の八つ     春  氷心

 ※ 同じ番号の句は、ことわりがなければ最後の句に次の番号の句
   が続いたことを示す。

  オ  123456月8       (1〜8)
  ウ  12345678月012花4 (9〜22)
  二オ 123456789012月4 (23〜36)
  二ウ 12345678月012花4 (37〜50)
  三オ 123456789012月4 (51〜64)
  三ウ 12345678月012花4 (65〜78)
  名オ 123456789012月4 (79〜92)
  名ウ 123456花8       (93〜100)

 ※ twitterで巻かれた百韻
  一、自由連歌百韻 初懐紙 3.8〜3.28
  二、連歌百韻『花曇る』の巻  3.28〜4.9
  三、連歌百韻『つみ草や』の巻  4.10〜4.16
  四、連歌百韻『阿蘭陀を』の巻  4.16〜4.21
  五、連歌百韻『人垣を』の巻  5.10〜5.15
  六、連歌百韻『蚊柱を』の巻  5.17〜5.23
  七、連歌百韻『ナイターに』の巻  5.26〜6.2
  八、連歌百韻『目にしみる』の巻  6.4〜6.11


写真提供はフォト蔵さん

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