2010年3月28日日曜日

twitter連歌百韻『花曇る』の巻



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    連歌百韻『花曇る』の巻
                  2010.3.28〜4.9

発句 花曇るしばしは乙にいりびたる  春花 小日山
脇   春という名のコップ酒飲み   春  リュウ
第3 休日に隣りの畑も打ち終えて   春  不夜
4   西の斜面にあつき陽の差す   夏  ふない
5  豆腐屋が喇叭ふきふき漕いでゆく    私
6   オフのビートであわす口笛      リュウ
7  寝待月遠くに汽笛聴きながら   秋月 不夜    
8   野をよこぎるは瓜坊の影    秋  海霧
初折裏
9  子どもらの行進今日は運動会   秋  さわ
10  好きと言えずにあかんべえする 恋  リュウ
11 透きとおる碧き瞳に魅せられて  恋  私  
12  文読み返す午後のひととき   恋  不夜
13 夕餉にはあるじの好きな蕪汁   冬  リュウ 
13 思い立ち夏山目指す単独行    夏  リュウ
14  無人の部屋で回るクーラー   夏  ふない
15 ナイターの声援流る月の下    夏月 海霧   
16  プロを夢みし少年時代        さわ
17 落ちぶれて終の住みかぞ段ボール    不夜  
18  空き缶御殿夢のあとさき       小日山  
19 自然こそ最も偉大なアーティスト    私
20  離れ小島に渡るすべなし       ふない
21 足摺の僧を和ませ舞う桜     春  リュウ
22  濡れ衣まとふ海女のたくまし  春  私
二折表
23 高らかに黄砂を飛ばすワルキューレ春  リュウ 
23 手にカメラそぞろ歩けば風光る  春  不夜
24  姿は見えぬ鳥のさえずり    春  さわ
25 放課後の小学校の敷地裏        ふない
26  ルールくどくど俄かコーチが     海霧
27 ツイッター連歌と称しあやしくも    私
28  零と壱もて繋ぐ万国         不夜
29 ねむこ様京の夕日はきれいです     小日山
30  人恋しさにコンビニへ行く      さわ
31 三日目が一つの山か山籠り       私
32  ピースとばかり鳴かぬ鳩なり     リュウ 
32  煤払いする寒山拾得      冬  リュウ
33 道具屋の奥より漏れるテレビの音    ふない
34  高々笑う西太后をり         海霧
35 有明に貴種流離譚読了し     秋月 リュウ
36  裏の空き地にすすき波打つ   秋  さわ 
二折裏
37 小牡鹿の声する森は夕映えて   秋  私   
37 小牡鹿は声うら返るほどに啼き  秋  私  
38  霧のグランド試合中断     秋  不夜
39 きゅうくつな簡易合羽を身にまとい   ふない
40  震える肩をそっと抱き寄せ   恋  リュウ
41 懐炉なり子猫一匹懐に         さわ  
41 ささめごとふと途切れたる折ふしに恋  不夜
42  言ひ尽くせない好きな気持は  恋  私 
43 西行の歌をつぶやく花の本    春花 不夜
44  まだまだ早いと孫と草摘む   春  ふない
45 大漁と活気満ちたりいかなご船  春  海霧
46  夕月かゝり霞む島々      春月 私
47 のがれきてみやこはるかなわびずまひ  〃 
48  NO WAY OUT クレムリンまで     リュウ  
49 救出を信じて耐える地下の部屋     不夜 
50  おが屑詰めし箱の球根        ふない
三折表
51 営業も出荷手伝う忙しさ        不夜
52  電話機鳴れど手は届かざり      ふない
53 冬帽にゆるキャラのロゴ縫いつけて 冬 リュウ 
54  ふたりでひとつ長い襟巻き   冬恋 私
55 だしぬけにキスの気配に目をつむり 恋 海霧
56  共に奈落に堕ちる悦楽      恋 リュウ
57 端赤きコルクの栓の転がりぬ      ふない
58  百科全書の厚い背表紙        不夜
59 予約する英吉利仏蘭西船の旅      リュウ
60  バイトで足りず親に借金       私
61 ロードバイクやはり目がゆく高級車   私
62  お遍路さんにつづれさせさせ   秋 リュウ
62  赤灯遠く釣瓶落としに      秋 海霧 
63 月の出に気を入れ直す旅やつれ  秋月 私
64  踏み出せば止む畦の虫声     秋 さわ
三折裏
65 武蔵野をほっくり返し腰痛め      百
66  小人閑居YouTube三昧     草栞
66  遠眼鏡にて定点観測         リュウ
67 剣玉で昔の技を自慢せり        リュウ
67 ライトアップ瞬きできぬ花の精  春花 百
68  常に上向く花粉症の妻      春 私 
69 入学の暮らし知らせる文受けて   春 ふない
70  いつまで経てど桜ちりぬる    春 小日山
70  やはり気になるタテの関係      リュウ
71 また雨と寺の瓦の色は濃く       海霧
72  ガムランの音のかすかに漏るる    不夜
73 月明かり熱き視線の島娘     夏月 私
74  瀧岩を打つ風のさ中に      夏 不夜
75 おのが身の虚空に同ず只管打座     私
76  ふと気がつけば膝に猫寝る      〃
77 船を漕ぐ主と振幅同じにし       狸
78  涎垂らして陽だまりの中       〃
名残折表
79 不覚にも酔吟先生度を越して      私
80  松の内まで続く休診      新年 草栞
81 書き初めは習い覚えしドイツ文字 新年 不夜
82  ウチの婿さん金髪碧眼        リュウ
82  後生大事にヘッセの詩集       海霧
83 愛読の書に因みしといふ命名      さわ
84  淡き想いと苦き想いと        狸
85 氷雨降る護岸の上に尻を据え    夏 ふない
85 冬安居剃りの青さに胸打たれ   冬恋 リュウ
86  芽の伸びるのを凝視している 春/雑 狸
87 高級なお茶の畝には黒シート    春 私
88  隙間に出ずる菫二株       春 不夜
88  日陰ものにも春はあまねく    春 私
89 地位も無き権力も無きひさかたの    不夜
90  盗み酒され壜もなくなる       百
91 しみじみと昔語りのこの良夜   秋月 私
92  楊子を伸ばす大皿の梨      秋 ふない
名残折裏
93 秋団扇土佐のうたげの豪快に    秋 不夜
94  還暦過ぎて紅白に出る        リュウ
95 残り火は掻き立てずおく同期会     リュウ
96  形は変はれどよみがへるとき     私 
97 千歳ふる花の大樹に掌をふれて  春花 〃
98  全山覆う木の芽草の芽      春 不夜
99 ハーレーを飛ばし弥生野駆け抜ける 春 リュウ
100 ピチピチピチピチ揚雲雀鳴く   春 私
100 飛燕の影がよぎる坂道      春 海霧


※ 同じ番号の句は、最後の句に次の句が続いたことを示す。

写真(上)提供はフォト蔵さん 写真(下)は連歌百韻の懐紙の折り方と綴じ方。

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