2011年6月3日金曜日

百番連歌合(六)


16     いづくにも吹秋風の音
     我うへによその砧を聞侘て     侍
     此里に遠山みゆる月いでゝ     周
     跡まくら草の原なる故郷に     心

17     いなばの風のをとぞしづまる
     嶺に生る松より雲の時雨きて    侍
     峯におふる松ともみえず雪降て   周
     ふる雨のあしの丸屋は戸をとぢて  心

18     たがすむ里も秋やうかるらん
     荻に吹風はひとりが暮ならで    侍
     あひにあふ月と風との夜寒にて   周
     草がくれのこす思ひの露もなし   心

参考文献
(1)百番合連歌、救済・周阿・心敬 早稲田大学図書館所蔵

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