2011年6月6日月曜日

百番連歌合(二十九)


85     一木にのこる松風のこゑ
     こほる夜は志賀の浦浪長閑にて     周
     遠き野の末みゆるまで草枯て      侍
     きりつくす杣山道は野原にて      心

86     我住山ぞしる人もなき
     雲かゝる峯の庵はかつ絶て       周
     朝夕は雲のかゝれる峯たかし      侍
     かゝる身を見るも岩木は物いはで    心

87     よする浪まにひろふ貝あり
     みつ汐に磯山桜ちりかけて       周
     みがゝずば玉も光はよもあらじ     侍
     袖ひぢてしほせにおるゝ海士小舟    心

参考文献
(1)百番合連歌、救済・周阿・心敬 早稲田大学図書館所蔵

0 件のコメント: