2011年6月6日月曜日

百番連歌合(十八)


52     故郷なりし人も忘ず
     我なくてひとりや花を惜らん      周
     暮ごとにいづくの宿の霞らん      侍
     ながむらんとおもふ月を形見にて    心

53     山よりいづる道ぞ見えたる
     初雪に跡を思はぬ木こりにて      周
     のがれなば世に帰らじと思しに     侍
     ひと筋の水は雪にも顕て        心

54     われはこえつる嶺の白雪
     ゆくゆくも心はとまる花を見て     周
     つれてこし人は山よりとゞまりて    侍
     をくれぬる旅の初雁いつかこん     心

参考文献
(1)百番合連歌、救済・周阿・心敬 早稲田大学図書館所蔵

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