2011年6月6日月曜日

百番連歌合(二十一)


61     旅のあはれをかたりてぞ行
     うら松の風と浪とのこゑごゑに     侍
     故郷の秋もわすれぬくれごとに     周
     此世にてあふはわかれぬ道もなし    心

62     深山の道をひとりこそゆけ
     くもる日は我かげだにも身にそはで   侍
     花もなきその梢だに夕にて       周
     見しはなき蓬が杣の露分て       心

63     都の遠き程ぞしらるゝ
     山かくす雲をば跡にかへりみて     侍
     秋風をあづまの関にけふ聞て      周
     露にこそぬれし袂を雪にみて      心

参考文献
(1)百番合連歌、救済・周阿・心敬 早稲田大学図書館所蔵

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