2007年6月18日月曜日
縦走路
class:
紀行
『縦走路』新田次郎
女性のアルピニストに美人はいないという定説を覆す美貌の川原田千穂。彼女をいとしく思う蜂屋道太郎と木暮英作。千穂に学生時代からライバル心を燃やしてきた香野美根子は邪魔をするべくふたりの男性に接近する。
道太郎と千穂は冬の八ヶ岳に二人で出かける。松原湖ー稲子小屋ー本沢温泉ー夏沢峠ー硫黄岳ー横岳ー石室ー行者小屋のルート。横岳の尾根で猛吹雪に見舞われ石室で二日耐えた後、主峰登頂を断念して行者小屋に下山するシーンは白眉だ。
道太郎と英作は学生時代から友人で山仲間であったが、千穂の出現以来その友情もあやしくなってきた。三人で北岳に行く。そこでどっちを選ぶのかふたりは千穂に迫ったが、美根子との関係が美根子の画策で暴かれて千穂は去って行く。
6月8日、夏沢峠にひとりで行ってきた。私も一瞬だが縦走路にいたのだ。美人どころか誰もいなかった。しかし女性の嫉妬はおそろしい。
深田久弥『日本百名山』の八ヶ岳の部分を開いてみた。「八ヶ岳の細長い主稜線は、普通夏沢峠によって二分され、それ以北が北八ツという名で登山者に親しまれるようになったのは、近年のことである。」
北八ツの白駒池、麦草峠ー雨池ー坪庭ー大石峠、坪庭ー北横岳あたりは行ったことがあるがトレッキングレベルのところばかりだ。
「。。。赤岳の頂上に立った。。。広やかな草地の硫黄岳に着き、これで登山が終ったとホッとしたが、それが終りではなかった。そのすぐあとに友の墜落死というカタストロフィーがあった。 今でも海ノ口あたりから眺めると友の最後の場であった硫黄岳北面の岩壁が、痛ましく私の眼を打ってくる。」
霧むせぶ夏沢峠をただひとり爆裂火口絶壁の雪
硫黄岳北面の岩壁とは、夏沢峠から硫黄岳に続く爆裂火口の切り立った岩壁のことだろうか。この前雲行きがあやしいので見上げただけ(写真)で引返したが、ひとりで行かないでよかった。
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