2008年11月6日木曜日

歌仙『青空と』の巻


    句集『時の舟』上梓記念興行
      歌仙『青空と』の巻 
                 起首 2008.10.22
                 満尾 2008.11.6
                          
発句  青空と同じ広さに秋桜       百 秋  
脇    蜻蛉の目がね遠く見てゐる   草栞 秋  
第三  十三夜水影ゆれる能舞台    みかん 秋月
 四   潮みちくらし浜の浦風     春蘭
 五  老鶯の鳴いてバス停バスは来ず   亮 夏
 六   牛が道路を占拠する村     青波
ウ一  まみ深き裸足の行者慕ひきて   木槿
 二   乱れた髪に揺れるかんざし    合 恋
 三  君写す魔法の鏡持つてたら     栞 恋
 四   宇宙船まで持ち行くものを    百  
 五  酔ひ止めに梅干し臍に貼り付けて  蘭
 六   飲めもせぬのに選ぶカクテル   み          
 七  照り映える紅葉の色を目の前に   波 秋
 八   美術の秋の大琳派展       亮 秋  
 九  立ち並ぶビルの隙間に月かすか   合 秋月
 十   解散選挙遠のきにけり      槿
十一  ドラ声の邪魔が入らぬ花見宴    波 春花 
十二   紋白蝶の子らに追はれて     百 春   
ナ一  風光る引込線に止まる貨車     み 春  
 二   君に土産の草だんご下げ     槿 春
 三  噂ではなかなかもてるマメをとこ  亮  
 四   やり手婆にそそのかさるる    栞
 五  榾あかり寝入る武蔵をねらふ影   蘭 冬 
 六   松風を聞く軒の寒干し      合 冬
 七  ボタ山の黒黒としてのしかかる   亮
 八   君待ちきれず仰ぐ銀漢      百 秋恋
 九  鵲に機織り姫の文託し       栞 秋恋
 十   数珠玉つなぎペア・ブレス結ふ  み 秋恋
十一  学芸会道具係りは忙しい      波 
十二   月は涼しき顔でいませり     蘭 夏月
ウ一  母恋し夢の中ではまだ子ども    槿
 二   間々に取り出す宮沢賢治     亮
 三  なだらかな稜線描く過疎の村    合   
 四   ゆかりの井戸の釣瓶あたらし   み
 五  凡愚われ花の浄土を遠くして    百 春花
挙句   時に乗りあふ夕東風の舟     槿 春
  
               ( 捌き 春蘭 )

0 件のコメント: