2009年7月21日火曜日

歌仙『咲く場所は』


      歌仙『咲く場所は』
                     2009.7.3〜7.21

発句  咲く場所はここよと雨に導かれ     シアラ  恋
脇     止まり木に待つ名も知らぬひと   春蘭   恋
第三  なぐさめのハンカチの白がなお悲し   シアラ  夏
四     ラムネ飲みつつ試合反省      蘭    夏
五   ビヤガーデン月と目が合い会釈する   シアラ  夏月
六     怖いものなどなにもないのさ    蘭    

一   青春はこゝろ次第でエンドレス     蘭    
二     永遠につづくネヴァーランドまで  シアラ  
三   ポップスの王をとむらふ人の列     蘭   
四     エンドロール後も涙止まらず    シアラ     
五   開拓に異国へ向かふ船の銅鑼      蘭
六     線になるまで寄り添いし月     シアラ  秋月
七   かりがねの渡る山脈際立ちて      蘭    秋
八     紅葉手かざす幼子のV       シアラ  秋
九   お土産をもってお客がやってくる    蘭
十     一目散に犬に頬ずり        シアラ
十一  まなむすめ嫁ぎてひとりながむ花    蘭    春花
十二    影朧にて色や哀しげ        シアラ  春
名残表
一   入学の装いに齢あらわれし       シアラ  春
二     苔むす露地の濡れて清けき     蘭          
三   傷心で向かいし古都に我を待つ     シアラ
四     女将に習ふ和食教室        蘭
五   クリスマス意表をついて出すメニュー  シアラ  冬
六     山の焚火は馳走なりけり      蘭    冬
七   蒼穹にあまねく星のまたゝいて     蘭
八     肩に頬乗せプラネタリウム     シアラ  恋
九   首玉に白きかひなを巻き付けて     蘭    恋
十     深呼吸して見る病室の窓      シアラ
十一  さまざまなことおもひ出す紅い月    蘭    秋月
十二    歩をゆるめつつススキ野原を    シアラ  秋
名残裏
一   おまえもか離れたくない赤とんぼ    シアラ  秋
二     高音のつらき影法師かな      蘭
三   外タレの今日はダメよの一声で     シアラ
四     慮外にうけるヘタレ芸人      蘭
五   風を分け意のままに行く花筏      シアラ  春花 
挙句    ただで帰らぬ性の摘み草      蘭    春


写真提供はフォト蔵さん

0 件のコメント: