2010年7月17日土曜日

百韻『近づいて』の巻


#jrenga 連歌 俳諧 連句

       百韻『近づいて』の巻
                    2010.6.27〜7.16

1 発句  近づいてはなれて静か花菖蒲    百  夏
2 脇     曇天低くつばめ飛び交ふ    春蘭 夏
3 第三  古里へ先を急がぬ旅をして     百
4       高速降りて寄る道の駅     草栞
5     仕訳け人これでいいのだ野菜買う  百
6       見てくれよりも中身肝心    蘭
7     月ならで餡を気にせり三笠山    栞  秋月
8       鹿に聞き入る留学の僧     百  秋 
ウ 
9     忍草便のなきままうち過ぎて    蘭  秋
10      見合話に心乱れる       栞  恋
11    任務あり封印をする恋心      百  恋
12      生還むなし君は人妻      蘭  恋
13    熱情も消え復讐の鬼となり     栞  恋
14      色即是空ついに悟れり     百
15    地球とて宇宙の隅の星の屑     蘭
16      ジャズナンバーを聴けば月冴ゆ 栞  冬月
17    誰彼と踊りあかして忘年会     百  冬
18      蝋燭の赤ひとり点して     晶子
19    妖怪も驚くほどの貧に堪へ     蘭
20      楽しみながら摘み草をする   百  春
21    乙女らも花見の宴に加はりぬ    栞  春花
22      若い衆競ひすすむ独活和へ   蘭  春
二オ
23    遠足の弁当褒めてくれるかな?   栞  春恋
24      彼と同班A子きがかり     蘭  恋
25    逢引を見つけ手紙を破り捨て    栞 (恋)  
26      七夕飾りと川面へ流す     晶子 夏
27    骨肉の貸し布施銭と鳧つけて    蘭  夏
28      簿外資産は帳消しとなり    栞
29    送金は地下銀行の口座より     百
30      まじで夢見る世界征服     蘭
31    秋葉系軍事オタクの成れの果て   栞
32      夜の半仙戯腰掛けたまま    百  春
33    おぼろ月単身赴任はまだ三日    蘭  春月
34      ミモザ満開ブローニュの森   百  春
35    ピクニック名画真似して草の上   栞
36      打ちそこないもまじる鐘の音  蘭
二ウ
37    人妻と夕べのミサで偲び逢う    百  恋
38      偽りの愛悛ひて涙す      栞  恋
39    ふたまたの相手は彼があまたにて  蘭  恋
40      我にかえれば水澄めるなり   百  秋
41    息あがり足はあがらぬ秋の山    蘭  秋
42      木の実拾ってシノアな部屋に  百  秋
43    廻り込む嫦娥の影もやはらかく   栞  秋月
44      あるかなきかに光る哀れ蚊   蘭  秋
45    口蹄疫の伝播おさまる宮崎県    百
46      千々の想ひは国に届くや    栞
47    ほんたうの攘夷は力をつけること  蘭
48      入学試験湯島で祈願      百  春
49    花便り隣の絵馬の友と聞く     栞  春花
50      今年はまれな山の残雪     蘭  春
三オ
51    ほととぎす棚田を広く輝かす    百  夏
52      ザリガニ捕りに子らは夢中で  栞  夏
53    名栗川をちこちけぶるBBQ     蘭  夏
54      巨樹名木を知る人ぞ知る    百
55    山道に色づく木々を見あげたり   晶子 秋
56      簑虫の鳴く庵寂しき      栞  秋
57    月と酒きどる孤高の友とせむ    蘭  秋月
58      畳一枚起きてもひとり     百
59    逆玉に憧れつつも当てはなし    栞
60      だんだんゆるくなりし条件   蘭
61    蕎麦打ちの弟子入り修行達磨いて  百
62      匠の技に手も足も出ず     栞
63    名物の茶杓写して削る竹      蘭
64      囲炉裏開きて煤竹作る     百  冬
三ウ
65    垢落し柚子湯に浸かり一磨き    栞  冬
66      大志秘めたるひなの美丈夫   蘭
67    意気込みは直木賞などうららけし  百  春
68      佳人麗句に募る春興      栞  春(恋)
69    花見でも世紀の恋の話題にて    蘭  春花恋
70      愛の館を出るに出られず    百  恋
71    望郷の念掻き立てに父来る     栞
72      えんぴつ書きの母の仮名ぶみ  蘭
73    恙なく御身おらせよ月清か     百  秋月
74      天子に捧ぐ処暑の挨拶     栞  秋
75    はとバスのガイドの健気身に入みて 蘭  秋
76      訳あり部屋でがまんしており  百
77    サッカーも淋しく一人ビューイング 栞
78      矢鱈声出し小腹減りけり    蘭 
名オ
79    着膨れておでんを買いにコンビニへ 百  冬
80      いつもの彼女いるクリスマス  栞  冬(恋)
81    異端では花嫁といふマグダレネ   蘭  恋
81    さだかなる固めなきまゝ許嫁    蘭  恋
82      ふかーくあいしながくつれそう もも 恋
83    浅はかにゑひて約束するなかれ   栞
84      揚げ足とって煽るマスコミ   蘭
85    八本をすべて当てれば文句なし   栞
86      片肌脱ぎの立射凛々しき    蘭     
87    ロビンフッド今ぞ恨みの矢を放つ  も
88      のさばる悪は仕置するまで   栞
89    謹慎じゃぁ痛くも痒くもないだろう 蘭
90      後の出替りしたばかりでは   も  秋
91    ありがたく月見団子を頬ばりて   栞  秋月
92      雑草ガーデンすだく虫の音   蘭  秋
名ウ
93    髪染めてゴールド免許スピード狂  も
94      助手席降りて脚がふらふら   栞
95    テイクオフ!セスナでめぐる珊瑚礁 蘭
96      何時か行きたい夕陽ながめに  も
97    暮れなずむ街はずれより戻り来て  栞  春
98      休耕田に雉子みえかくれ    蘭  春
99    初花の見まごうばかり朝日出で   も  春花
挙句      お蔭参りの支度整ふ      栞  春   

0 件のコメント: