2007年12月4日火曜日

源氏『色づくも』の巻


    源氏『色づくも』の巻
                    2007.11.5〜12.4

発句  色づくも葉はそれぞれやプラタナス  こやん 秋
脇    絹光して遊糸舞い飛ぶ       みかん 秋
第三  栗虫のもぞりと月に這ひ出でて    木槿  秋月
四    腹をこなしに夜更けの散歩     草栞
五   思切り隠れ煙草を燻らせる       百
六    その目の前に髭の校長       青波

一   椿市これかあれかと紅緒かな     空蝉   
二    歌詠鳥の冴えるこもりく      春蘭  冬      
三   吹き降ろす木枯ばかり心にて      こ  冬       
四    葱負ひくる誰が人の為        槿  冬
五   見合とて縁があるかも試しては?    栞  恋
六    声に惑ひて触るる黒髪        百  恋
七   晴れた夜は嫦娥見えるか共に見る    波  秋月
八    山粧へば金仙も舞ひ         空  秋
九   そゞろ寒尻から銀のスキットル     蘭  秋
十    ならばここらで火吹き芸でも     こ
十一  花疲れ土手の黄昏いまだしき      槿  春花 
十二   お玉杓子もまどろむ休符       栞  春
二オ
一   古井戸の蓋も無くなり薺咲く      百  春
二    人柱なる美女の伝説         波 
三   祈らんか築地の夕日翳るまで      空
四    なごりのいのち燃やす手をどり    蘭
五   ふるさとの島の相撲は塩吹雪      槿  秋
六    仕事サボってみたい秋晴れ      こ  秋
七   菊花賞予想はずれて赤提灯       百  秋
八    もみぢのゆくへ神のみぞ知る     栞  秋
九   免許証お返ししますねお月さま     空  秋月 
十    古い餡子をまた入れてみる      波
十一  残りもの食ふも飽きたる閑古鳥     蘭  夏   
十二   女房こどものいつ帰るやら      槿
二ウ
一   二次元の恋はそれでもやめられず    こ  恋
二    そしらぬ顔で熱いまなざし      百  恋 
三   逢ふ時をちぎりて今朝は旅立ちぬ    栞  恋
四    吸ひこまれさうなコバルトの空    空
五   大根を一本持って礼に行く       波  冬  
六    隣近所にばれる餅搗き        蘭  冬
七   呪われてウサギとなった村の月     こ  秋月
八    柚子の葉陰を吹きすぎる風      槿  秋
九   まだ早きイルミネーション身に入みて  栞  秋
十    サンタクロース衣装点検       百  冬
十一  修善寺の湯にほとびつつ年の花     空  新年花
十二   昔覚えた手毬唄出る         波  新年
ナオ
一   嫁ぐ日をまへに最後のひな飾り     蘭  春
二    パチンコやるも暮の遅さよ      こ  春
三   行く春の鉄塔青き雲居まで       槿  春
四    揺らめく影の伸びたる先に      栞
五   つば広の夏帽子手に少女笑む      百  夏
六    下りてきてから仰ぎ見る山      波
七   ちりとてちん土器投げの一八も     空 
八    やはり金より我が身なりけり     蘭 
九   病院も行けぬ会社をどう思う      こ
十    鴉もおのれに飽きてかアホウ     槿 
十一  つく嘘も実に変はる良夜かな      栞  秋月
十二   税の督促蛇穴へ入る         百  秋
ナウ
一   日曜日茸汁等賞味する         波  秋
二    毒舌こそが老いの生きがひ      空 
三   ふと切れてたたけば映るテレビにて   蘭  
四    田舎暮らしは暇もてあまし      こ  
五   ひとりには何も要らない花盛り     百  春花 
挙句   しきりに喉を鳴らす猫の子      蘭  春

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