2008年4月20日日曜日

歌仙『馬上から』の巻



      歌仙『馬上から』の巻
                    起首 2008.4.1
                    満尾 2008.4.19

発句   馬上から武将も見たか山桜      青波  春
脇      間道抜けて受くる強東風     草栞  春
第三   名も知らぬ鳥の囀り賑やかに      亮  春
四      かしらもたげる池の泥亀     春蘭
五    望の月お伽話をしてあげる      みかん 秋月
六      夜なべ仕事にわらを打ちつつ   青波  秋

一    芋ふける匂ひを待たず腹時計      栞  秋
二      右脳左脳に素直なわたし      亮   
三    半分は辻占あたつてゐる感じ      蘭     
四      射止めた彼はスーパーマザコン   み  恋
五    母よりもあなた愛すは難しい      波  恋
六      盂蘭盆来たれば故郷帰り      栞  秋  
七    名月で名手揃った踊りの輪       波  秋月
八      割れて食べ頃裏の無花果      亮  秋
九    たはれをもいづれは我にかへるらん   蘭
十      三日坊主のビリーズブートキャンプ み  
十一   初花に同期の行方思ひ馳せ       栞  春花
十二     春のパリにて聖火迷走       波  春
ナ  
一    しゃぼん玉隣の犬はよく吠える     み  春
二      こんどもかるいかぜでよかつた   蘭  冬
三    すっきりと部屋片付かず日曜日     亮
四      題はなくとも音楽新た       栞
五    通訳は何も要らないこの世界      波
六      誓紙黄ばみてみな反古に      み
七    年季明け竹細工師に身をよせて     蘭  恋
八      慣れた手つきで淡い寝化粧     亮  恋
九    心得ど手練手管に乗せらるる      栞  恋
十      ところ狭しとならぶ骨董      蘭
十一   町いつか街に変貌窓の月        亮  秋月
十二     流星からの信号とらへ       栞  秋
ナウ
一    万妖祭からくり人形動き出す      み  秋
二      おとなは大きくなつたこどもか   蘭
三    青墨で毎日写経やってます       亮
四      孫のふらここ静かに揺れる     波  春
五    偏屈の頬ふとゆるむ花に杯       蘭  春花
挙句     庭下駄に座す殿様蛙        み  春

                       (捌き 青波)

0 件のコメント: