2008年5月13日火曜日

自由歌仙『遠雉子(とほきぎす)』



    自由歌仙『遠雉子』

                2008.4.20〜5.13

発句  遠雉子杉旋風の谺哉        貞風
2     岨の清水に摘める山芹     春蘭
3   春炬燵台所から声がして      青波
4     さつさと喰へとおかんむりなり  蘭
5   ここ一番体力勝負まけそうで     波
6     流し買ひにて狙ふ大穴      蘭
6     ひとつ手前の駅で乗り降り    蘭
7   堤防の桜並木が見ごろだと      波
8     人出当て込み俄かあきんど    蘭
9   世が変わり刀を捨てて揉み手する   波
10    普段無口に無理な軽口      蘭
10    家系たどればだれも鎌足     蘭
11  披露宴お互い同士紹介す       波
12    いつまで持つかなんて思ふな   蘭
13  ひさしぶり東京市場も好転し    面白
14    発泡酒やめ恵比寿黒生      蘭
15  母の日のギフトで鯛が釣れるかも   白
16    相手選ばずよろづビジネス    蘭
17  その筋のうたげに呼ばれ芸をする   蘭
18    鴨川をどりは道中双六      白
19  きもの着てうれしはづかし先斗町   蘭
20    小首かしげりやどの娘も西施   白
21  ぬばたまの闇にほのかな月あかり   蘭  
22    脱ぐは一瞬もう竹の春      白
23  ふる雨に紅葉かつ散る湿り泣く    蘭
24    運転免許証お返しします     白
25  まへうしろ長寿さながら飴と鞭    白
26    食費削つてサプリ手を出す    蘭
27  ココナツに命をつなぐ民あれば    白
28    体制維持に選挙強行       蘭
29  人間は同じあやまち繰り返す     蘭
30    白樺林をゆく二頭立て      白
31  どんな時も愛する事を誓ひつつ    蘭
32    冬の繊月みつめてゐたり     白  
33  はやばやと落葉に埋もる山廬居に   蘭
34    こんくら〜べか上る煙は     白
35  花守は代々老桜を咲かせ来て     蘭
挙句    手にひとひらの終の雪かな    白
      お国言葉で惜春の情       亮
      あなたこなたもみな蜃気楼    亮


写真:俳諧作法書に挟まっていた半歌仙の懐紙
 

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