2007年7月5日木曜日

歌仙「おきなぐさ」の巻


    歌仙「おきなぐさ」の巻

                 起首:2007.6.14
                 満尾:2007.7.2


発句 おきなぐさの髪も若やぐ夏野かな   木槿 夏
脇   ここらへんでと出す缶ビール    青波 夏
3  赤いシャツズームレンズに狙われて  水竿 雑
4   まなこすゞやかひげは胡麻塩    春蘭 雑
5  新涼や故郷の月電線に        酔姚 秋月
6   秘蔵の壺に秋の草々         槿 秋 

7  栗落としイガのとり方知らぬ子等    波 秋
8   LP二枚返し損ねて         竿 雑 
9  黒板のあいあい傘に君と僕       蘭 恋
10  ロングボードがよくお似合いと    姚 恋
11 真夜中の口笛忌むか街路灯       槿 雑
12  吹かれる屑に拾う千円        蘭 雑 
13 木馬亭出でて嫦娥に招かれる      竿 秋月 
14  明日の休みは障子貼ろうか      波 秋  
15 影法師庭で物の怪盆踊り        姚 秋
16  お国訛りに馴れぬ新妻        槿 雑
17 べごの背は黒地に花の散らし紋     蘭 花
18  壬生狂言はこないなものとは     竿 春
ナオ
1  踊り子はのたりのたりの海辺行く    波 春
2   峠はるかに摘む山すみれ       姚 春  
3  菅笠を尻に敷く水のうまさ       槿 雑 
4   やたらに多い旅行案内        竿 雑
5  口数の少ない仲居苦労人        姚 雑
6   火鉢の灰をどこへ捨てよか      波 冬
7  上京に交わせしフォトを抱きしめて   蘭 恋
8   銀河を渡る蹌踉のひと        槿 秋
9  蜻蛉を払いつっきる那須野原      竿 秋
10  夜寒夜寒と急ぐ靴音         姚 秋
11 宵闇に犬と老人散歩する        波 秋月
12  餡ドーナツのうまいコンビ二     蘭 雑
ナウ
13 村時雨庵(いほ)と名づけて独り居る  槿 冬
14  野は枯るるもの待ち人来たらず    姚 冬
15 七輪にするめ丸まる夕間暮       蘭 雑
16  誕生祝いケーキ自作で        竿 雑
17 銀輪を連ね花咲く土手を行く      波 花
18  ものみな芽生え燃えよ青春      春 槿


                 (捌き 木槿)


by ちりめん山椒

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