短歌を連ねる連歌を意識して
RENGA <蓮花の巻>
2007.7.12〜2007.7.21
1&2 不忍池に蓮の花ひらく
パイプオルガン響む夏の日 面白 夏
3&4 大作の塑像にいどむアトリエに
ぬぐと意外にたくましい人 春蘭 雑
5&6 負試合スコアボードに月の暈
案山子に持たす切れたラケット 水竿 秋月
ウ
7&8 露散らす鳥の羽音も遠ざかり
万聖節の闇に溶け行く 草栞 秋
9&10 蝋燭のあかりを揺らす子守歌
文庫に老いて睡る恋文 木槿 雑恋
11&12 引越しの時にもらったラムネ玉
水中に消え今はいずこか 青波 雑恋
13&14 約束の冬三つ星を差す指に
見慣れぬ指輪みとめたるけふ 酔姚 冬月恋
15&16 シネコンの前を黙して通り過ぐ
ファンタジーなぞ解さぬ人と 白 雑
17&18 滝壺にころも織りなす山ざくら
天つ少女のほほも染むらん 蘭 春桜
ナオ
1&2 雛菓子の色とりどりを掌に
女系三代笑ひ転びつ 姚 春
3&4 噺家もタネに困つてブログ読み
俄か仕立の落ちでよろしく 栞 雑
5&6 蹲踞のかたえにおかる古柄杓
古刹の仁王木目あらわに 竿 雑
7&8 刀鍛冶阿吽の呼吸合わせんと
額に流す汗のきらめき 波 夏
9&10 にはいぢりしてゐる君のよこがほに
ふとよみがへるあのころのこと 蘭 雑恋
11&12 酒飲めばいとど寝られぬ男にて
フィヨルドの月振り捨てて来し 槿 秋月
ナウ
13 やや寒にがたつく扉叩き閉め 竿 秋
14 粋な寿司屋は酢の加減よし 姚 雑
15 新海苔の巻具合すら座の肴 白 冬
16 柱時計の古りて艶々 槿 雑
17 かねて聞く花の道にぞ今発ちぬ 栞 花春
18 同行二人陽射しうららか 波 春
(捌き 面白)
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