2007年9月18日火曜日

歌仙『艶やかな』の巻

    歌仙『艶やかな』の巻

             2007.9.1〜2007.9.18


発句 艶やかな露店の茄子に手を伸ばす   青波   
脇    になへばさやぐ青萩の束      木槿
第三 み山辺はしづ山賤の園生にて      春蘭   
四    四季折々に鳥の詩あり       酔姚
五  待ち侘びし涼月軽く飛行雲       草栞
六    婚姻色のサケも遡上す       面白       

一  草もみぢ幼きひとと別れ来て      槿
二    つのる想いに枕濡らして     みかん
三  朝立ちの列車で向かう東京へ      波
四    AからBへ伝言ゲーム       酔
五  ケータイの「着信あり」に胸騒ぐ    栞
六    岸辺のアルバム悪夢ふたたび    白
七  さりとてもしず心なる冬満月      酔
八    海鼠のなさけたれかしるらん    蘭
九  通販のカタログ厚く持ち重り      み
十    棚にはばかるダッチオーブン    槿
十一 日暮時鬼女も舞うかに花の山      み
十二   春風にのり謡聞こえる       波

一  朝寝して蒸けたやうなり若隠居     蘭   
二    スローフードにスローライフで   酔
三  気もそぞろ小止みの雨に歩まれず    栞
四    プラグを抜くか琴光喜に土     白
五  火花散る手筒花火の勇壮さ       波
六    赤い金魚に黒が一匹        み
七  兵児帯も箪笥にいねて幾年か      槿
八    妻の下着を持ちて病棟       蘭
九  ようするに今でも夫を好きなのだ    酔  
十    なしのつぶての裏をはかりて    栞
十一 月光にかくすものなしわがこころ    蘭
十二   拝み太郎が謝っている       波
ナウ
一  父祖の血を騒がし秋の永田町      白
二    食い散らされし皿の行列      槿
三  山手線一周ウォーク完歩せり      み 
四    そして季節の歌はダカーポ     栞
五  わが脳は花を主とメイクされ      白
挙句   春の装い吉野山にも        酔

               (捌き 青波)

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