2007年9月26日水曜日

全手葉椎

妻の入院中に妻が仲良くしていた近所の主婦が逝った。一年半前に脳梗塞となり植物状態のままであった。よく二人で川縁を散歩していたという。その川縁をたどって森の公園に行った。法師蝉がしきりに鳴いていた。


  秋の蝉つくづく惜しと鳴きにけり


四百メートルの競走路の周りには全手葉椎(まてばしい)の遊歩道がある。妻は体力を戻したいと手を大きく振って歩き出した。私はその後についていく。保育園の子供たちが競走路にころがり落ちてきた椎の実を拾っている。そういうこともあろうかと、袋を持ってきていたので保母さんに袋を一つあげ、私たちも拾い始める。これは炒るとうまいのだ。


  競走路きそつてひろふ全手葉椎

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