2007年11月19日月曜日
青幻記
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本
一色次郎『青幻記』(土とふるさとの文学全集6)
懐旧と郷愁、稀に見る抒情性に溢れた小説である。第三回太宰治賞受賞と映画化は納得できる。薄倖で若くして亡くなった母は優しく色白の美しい人だった。「私」は遠い記憶をたどり、母が生まれて散った沖永良部島を尋ね母の面影を追う。恩田陸『ある映画の記憶』で引用している映画とは『青幻記』のことだ。
祈らんか築地の夕日翳るまで 空蝉
なごりのいのち燃やす手をどり 春蘭
母とゐた潮干は青き珊瑚礁
なぎの波間のあはれ草舟 春蘭
2008年1月30日にBS2で映画を観た。母のさわを演じた賀来敦子は本でのイメージにフィットしていた。
青幻記 遠い日の母は美しく(1973) - goo 映画
写真提供はフォト蔵さん
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