2008年1月19日土曜日

歌仙『蒼穹に』の巻




       歌仙『蒼穹に』の巻
                   2008.1.7〜1.19

1  新年  蒼穹に九輪眩しき初景色      みかん
2  新年   稽古始の掛け声聞こゆ       青波
3      知らぬ町脚のむくまま行き暮れて   春蘭
4  春月   かそけく照らす春二日月      面白
5  春   新入生明日の仕度を枕辺に      酔姚
6  春    ものの芽すこし動きだす庭     木槿

1      いづこより小さき虫の来たるらん  こやん
2       待ち侘びたるは佳き知らせかな   草栞
3  夏恋  まどろめば簾に透ける芭蕉布     面白
4  夏恋   香水の香をつれて君来る     みかん
5      思ひ出は白き帽子とともに消え    青波
6       つり橋揺らす渓谷の風       酔姚
7  秋月  月高し影は佐幕か勤王か       木槿
8  秋    今は夜寒に耐える墓守      こやん
9  秋   秋暁に積れる灰を撒きて去る     草栞
10      眼下広がる故里の海        青波
11 春花  松陰のみ崎の花も咲きそめて     春蘭
12 春    遅日におもふ国のゆくすゑ     面白

1  春   爆音に平和の夢は蜃気楼      こやん
2       軍艦カレー食ってる場合か     木槿
3      マハラジャの妖しき姫に惑わされ   酔姚
4       踊りあかせば身ぐるみ剥る     草栞
5      街燈がひとつひとつと消える街    青波
6       寄せ場でひとを釣れる手配師    春蘭
7      ネットカフェ出でれば朝日まぶしかり 面白
8       今日こそ決めて勝ち名乗り待つ   酔姚
9      鳥の巣の北京に遠く憧れて      木槿
10      雲南省の棚田よさらば      こやん
11 秋月  弓張の傾くまでに姨を捨つ      草栞
12 秋    背負へば泣ける何時迄草よ     面白
ナウ
1  秋   しかられて守り子見てゐる赤とんぼ  春蘭
2       成人をして女流歌人に       青波
3  春   ネーブルの甘い匂いを詠んでみる   酔姚 
4  春    バレンタインに手つくりチョコを みかん
5  花   花の咲く頃は校舎も思い出と    こやん
6  春    なぞりて歩く遠足の径       草栞

                   (捌き みかん)

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