2010年5月31日月曜日

曲節地 — 趣向と句作

「趣向に地と節との差別有て、句作には曲と申事はあれど、節と申事は之なく候。」(口上露川責、支考)

  曲: いろいろと変化する面白みやうまみ

  節: 旋律の一まとまり 注目すべき箇所 目立つ部分

  地: 基となって支えている部分 伴奏

「趣向を遠く句作を近く附くべし。」(俳諧寂栞、白雄)

「発句も付合も我家のさばきには、趣向と句作の差別ありて、趣向を先にし句作を後にすることは、たとえば花の題をとりて、雪かと見るは趣向にて、袖うち払ふと姿をつけ、志賀の山越と詞をさはす、そこを句作の上手とはいふなり。

まして俳諧は一句一句に前句の姿情を見さだめて、たとへば草々の露といふ様を発心と見るは趣向にて、西念の名に姿をつけ散る花の無常に一句をしづめたらん、ここを句作のてづまとしるべし。

ここをもて我家には趣向を定むる法ありて、それを【執中の法】 とはいへり。」(俳諧古今抄、支考)

0 件のコメント: