歌仙「蕪村づくし一千句」巻
スタート 平成十九年六月二十八日
ゴール 平成十九年八月一日
発句 蛍火もあつめて明し一千句 蘭 夏
脇 祝いの酒に酔いし夏の夜 修 夏
第三 母衣蚊帳の小さき人が欠伸して 奴 夏
四 いつもどおりに聞かすチャルメラ狸
五 並び居る猫の月見やトタン屋根 光 秋月
六 里芋煮てる蓋はぽこぽこ 智 秋
ウ
一 一叢の薄を刈りて店に出し 修 秋
二 打ち損ないの鐘は小僧か 蘭
三 町は今なからいさんに痺れ果て 狸 恋
四 見つめられると毀れてしまう 奴 恋
五 新任の教師金髪銀の爪 智 恋
六 白雄詠いし遥か筑波嶺 光
七 北颪田んぼの道で犬と尿 蘭 冬
八 月を背にする雪坊主なり 奴 冬月
九 太陽が治してくれるメタボリック 修
十 五条大橋ひらり義経 光
十一 小櫃川なぜか近江の花咲いて 狸 春花
十二 お玉杓子を赤いバケツに 智 春
ナ
一 茶の湯者のまぶた重たき春の果 奴 春
二 水琴窟の響む奥庭 蘭
三 故郷はさねさし相模富士望む 光
四 戦後外交この縣より 修
五 炎天のタラップに立つ紅毛人 智 夏
六 炭吊るすならそれで風鈴 狸 夏
七 けし壷におよばぬ恋の燠入れて 蘭 恋
八 彼の労作テキストを抱く 智 恋
九 さっきから呼ばわる声は例の婆 奴
十 神田山跡並ぶ古書店 光
十一 月光に白刃かざし足軽衆 修 秋月
十二 自然藷出たの背なでかくして 狸 秋
ナウ
一 羅生門案山子を立てて目印に 光 秋
二 旗になびけるバスの団体 蘭
三 デズニーはいいやとひとり新木場へ 狸
四 何を求めているのだろうか 修
五 弘川寺花の盛りの午後3時 智 春花
挙句 その望の日の種々の質草 奴 春
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