2007年8月26日日曜日

吾亦紅








冬瓜や黒き板の間とほる風
ゆふがほの実の大きさの定まらず
山の湯の青きたたみやとろろそば
骨董屋つばめの巣には五つの子
ゆだち過ぐ葭簀のつゆに蜂のかげ
石走る吐龍の滝や常乙女
森の背にうつろふ雲や夏野原
客送る山の露店のまくはうり
蝉しぐれ二泊三日の客帰る
草刈り機手慣らす姥の山田かな
沢蟹の子らの子生(あ)るる流の泥
ひぐらしやにじます燻すドラム缶
忘れじの丘の鐘鳴る吾亦紅
さそはれて路ふみたがふ花野かな
湿原や清水とくとく白樺(かんば)

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