歌仙「春蘭山居」巻
スタート 平成十九年六月二十八日
ゴール 平成十九年八月三日
発句 郭公を耳に草刈る山居かな 蘭 夏
脇 庄内おぼこサクランボ熟れ 兔 夏
第三 大勢の踏切急ぎ間ゆるりにて 倭 雑
四 碁会所へ行く孫の来ない日 寅 雑
五 躓けば月ゆれている岡遠く 青 秋月
折端 渡る舟降り野菊に出合い 侘 秋
ウ
折立 椋鳥が那珂の瀬に居る日暮れ時 兔 秋
二 薄灯ちらほら揺れ揺れめいて 倭 雑
三 頬染めて君と乗ったね観覧車 寅 恋
四 須磨の海辺を歩いたことも 青 恋
五 風に乗る淡いスカート舞い可愛い 侘 恋
六 ポスター溢れ選挙公示日 兔 雑
七 神留守居正心之保持難無垢心 倭 冬
八 寒月照らすペテン師の肩 寅 冬月
九 唐突に垣の向こうでバッハ鳴る 青 雑
十 山の香含む遠野の小川 侘 雑
十一 花明かり仏喰いたる魚が浮く 兔 春花
折端 残り雪ツンとつつく幼女子 倭 春
ナオ
折立 春の虹分校の屋根跨ぎ行く 寅 春
二 鞄重たく郵便配達 青 雑
三 宵深くつまみ作るも相手なし 侘 雑
四 吾が家の猫もスヤスヤ眠り 兔 雑
五 ラムネ瓶、陽に透かし見ゆ実母仕草 倭 夏
六 車椅子押す木陰涼しき 寅 夏
七 懐に便箋の文字匂い立つ 青 恋
八 歩けば探す銀色ブレス 侘 恋
九 占いは上々吉日これで行く 兔 恋
十 悲しみ顔の薄紅の月 倭 秋月
十一 団体で赤とんぼ飛ぶ観光地 寅 秋
折端 コスモス畑に下駄を落として 青 秋
ナウ
折立 肌寒さ夕風さらに脇をぬけ 侘 秋
二 何故か淋しい安倍の晋三 兔 雑
三 武士をさらとあしらうみやびびと 倭 雑
四 二枚の舌はいとも滑らか 寅 雑
五 ぼんぼりの灯影に隠れ花舞いて 侘 春花
挙句 春月上る千年の古都 青 春
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投票による選句結果
梅雨入やなにを好んで山籠り 3 25.00%
刈草のけむり入り込む車窓かな 0 0.00%
郭公を耳に草刈る山居かな 4 33.33%
夏沢の汗はいのちや滝の音 2 16.67%
崖の草食む羚羊や雲の峰 2 16.67%
五月雨や生ごみ捨てに出る女 0 0.00%
とどくうち高枝伐らん時鳥 1 8.33%
蕎麦打つて独り食みをり青時雨 0 0.00%
かるがもの池にくつろぐ植田かな 0 0.00%
夏あざみ落ちゆく径の稚児落し 0 0.00%
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